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2016年03月21日01:21

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感情のバランスの良いチェーホフ芝居

 今日は昼と夕方に芝居を観に行く予定であったが、昼の方が観に行けなくなり、夜だけを観に行くことにする。

アクト青山『チェーホフ! 〜珠玉の短編集〜』チェーホフ.作 小西優司.演出 アクト青山アトリエ

 チェーホフの短編『熊』と『結婚申し込み』、『白鳥の歌』の短編三本を上演している。

 『熊』と『結婚申し込み』は登場人物達の思考、動きをコミカルに個性の強い人物にしていた。
 それが成功しているのは、やはり人物の感情を強く出し、おのおのキャラクターが自分が向かっていることに必死になっているからである。
 それらがこの芝居の喜劇性を強く出したのであった。
 また、この二本は登場人物の感情の強弱を物語の流れの中でバランスよく出している。
 それが芝居を一本調なものにせず、観ている者達を退屈させるということが起きないのであった。

 『白鳥の歌』は老いぼれた役者の話であった。
 照明を薄い明かりで作られていて、人物がはっきりと見えない状況であった。
 しかし、その暗さが老いぼれた役者の現在、未来に向かうべき重い人生を与えているのを感じた。
 そして、老いぼれ老人が名芝居の一場面を演じるのだが、それがとても力があるのを示していた。
 しかし、それ(劇中の人物)が演じ終えると、役者はまた弱々しい人間に戻るという強い印象を見せるのであった。


 昨日と今日と芝居を見続けた日であった。
 どちらもいい作品で観に来て良かったと思うのであった。

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