【解説】ポルシェ911(Type911 Oシリーズ〜Fシリーズ)
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【解説】ポルシェ911(Type911 Gシリーズ〜Type930)前編
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ビッグバンパー後編です。
79年8月のマイナーチェンジで911SCはエンジンがKEジェトロニックを装備し188ps/5500rpm、27kgm/4100rpmを発生する930/09型(スポルトマチックは930/19)へ換装されました。
911ターボ3.3はSC同様KEジェトロニック化されたほか、テールパイプが2本出しに変わっています。
またターボは81年から日本での販売が中止されています。
1980年8月から911SCには排ガス対策を必要としない地域においては204ps/5900rpm、27kgm/4300rpmを発生する930/10型エンジンが搭載されました。
US/日本仕様は三元触媒やラムダセンサーを追加した930/16型及び930/17型へ換装されました。
82年モデルの日本仕様ではSCSが廃止され、911SCのクーペとタルガのみが販売されました。
1983ポルシェ911シリーズ
82年8月のマイナーチェンジで911SCは最終モデルへ移行し、カブリオレが設定されました。
911シリーズ初のフルオープンモデルとなるカブリオレは、オープン化に伴うボディ剛性の低下を補うため各部に補強が入れられているほか、本革シートを標準装備し、高級感を演出していました。
日本への輸入が再開された911ターボ3.3は、新たに930/68型エンジンを搭載(USモデルも同様)、排ガス対策仕様ながら285ps/5300rpm、38.9kgm/4250rpmを発生しました。
911カレラ 3.2
911カレラ 3.2 透視図
911カレラ・タルガ 3.2
911カレラ・カブリオレ 3.2
911カレラ・カブリオレ 3.2 北米仕様
1983年8月からSCに代わって911カレラ 3.2が登場しました。
6年ぶりにカレラのネーミングが復活しました。
LEジェトロニック仕様の930/20型エンジンは3164ccの排気量を持ち、231ps/5900rpm、28.6kgm/4800rpmを発生、排ガス対策仕様の930/21型では207ps/5900rpm、26.5kgm/4800rpmを発生、スポルトマチック車は廃止され、全車5速マニュアルとなりました。
オルタネータ―の発電容量は1260Wとなっています。
外観ではフォグランプがバンパー埋め込み型になっているのが特徴です。
クーペにはターボボディとターボシャシーを採用したターボルックが設定されました。
911ターボ3.3もフォグランプが埋め込み式になり、ヨーロッパ仕様は最大トルクが44kgm/4000rpmへ向上した930/66型エンジンを搭載しました。
※排ガス対策仕様のエンジンは変更なし
ターボエンジンもオルタネータ―の発電容量が1260Wにアップしています。
911カレラ・カブリオレ ターボルック
85年8月の改良から、全車でカブリオレと同等のボディ補強が実施され、タルガとカブリオレのターボルックが追加されました。
ターボの排ガス対策仕様は288psに僅かながら出力向上しています。
86年8月の改良で全車のサスペンションセッティングが変更され、操縦性が向上したほか、ボディの防錆保証が10年に延長されています。
911ターボ3.3のリヤホイールが9Jに拡大され、タイヤも245/45VR16へサイズアップしています。
87年8月の改良でカレラのトランスミッションが915型から油圧クラッチを採用したゲトラグ製G50型へ換装され、操作性と信頼性が向上しました。
911カレラ 3.2 クラブスポーツ
この改良に合わせてクラブスポーツが設定されました。
エンジンはインテークバルブが中空タイプに変更され、レブリミットが6520rpmから6840rpmへ引き上げられたほか、本国仕様ではボディの軽量化なども含まれていました。
911ターボ・タルガと911ターボ・カブリオレ
88年8月の改良で930型は最終モデルへ移行しました。
大きな変更はありませんでしたが、カレラ用のリヤホイールが8Jに、ブレーキパッドがノンアスベスト系に変更されたほか、ターボにタルガとカブリオレが設定されました。
911ターボ3.3 5速MT
最後の改良として911ターボ3.3のトランスミッションが930型4速からゲトラグG50型5速に換装されました。
911ターボS
また、ターボの5速化に合わせて330ps仕様のエンジンとハードサスペンションを装備した911ターボSが少数限定で販売されました。
911カレラ・スピードスター
911カレラ・スピードスター ターボルック
89年モデルとして9か月間だけ生産されたのがスピードスターです。
専用の低いウインドウやハードカバー、簡易ソフトトップを備えたモデルで、2065台の大半がターボルックボディで生産されました。
88年ポルシェ911カレラ
全長:4300mm
全幅:1650mm
全高:1350mm
ホイールベース:2280mm
トレッド:1375/1395mm
車両重量:1230kg
エンジン型式:930/20
エンジン形式:空冷水平対向6気筒SOHC12バルブ
ボア×ストローク:95×74.4mm
総排気量:3164cc
バルブ径:IN49mm/EX41.5mm
シリンダー材質:ニカシル
クランクケース材質:アルミダイキャスト
バルブタイミング(吸/排):27〜73度/69〜23度
ピストン製法:鍛造/鋳造
圧縮比:10.3
燃料供給装置:LEジェトロニック
クラッチ径:225mm
発電機:1260W
冷却ファン:245mm径11枚ブレード
最高出力:231ps/5900rpm
最大トルク:28.6kgm/4800rpm
トランスミッション
ゲトラグ製G50型5速MT
ステアリング形式:ラック&ピニオン
サスペンション:
前マクファーソンストラット/トーションバー
後トレーリングAアーム/トーションバー
ブレーキ:4輪ベンチレーテッドディスク
ホイール:F6J×16 R8J×16
タイヤ:F205/55VR16 R225/50VR16
911ターボ3.3 フラットノーズ
1981年から89年の最終モデルまでの間に、受注生産モデルとして販売されたのが911ターボ3.3のフラットノーズモデルです。
リトラクタブルヘッドランプにフロントスポイラー、専用のリヤフェンダーを備えるのが特徴です。
330psのエンジンをターボSに先駆けて採用していました。
またごく少数ながら、ノンターボのフラットノーズモデルも存在しています。
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