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2016年02月28日21:03

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「異端」2候補が覆した法則 トランプ、サンダース両氏支持の原動力は同根の「怒り」 ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇

 下記は、2016.2.28 付の産経ニュース【米大統領選】です。

                         記

 「どう解釈すればよいのか…」。米国政治研究の権威、コロンビア大学のロバート・シャピロ教授は首をかしげる毎日だ。

 「政界有力者からの支持を多く得た候補者ほど、大統領選を有利に展開する」。政治学の世界には「裏書き効果」と呼ばれる有名な法則があるのだが、「米大統領選で、当初は泡沫(ほうまつ)候補とみられた共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のバーニー・サンダース上院議員が大健闘し、今回は法則が通用しない」(シャピロ教授)という。

 米データ解析ウェブサイトが大統領選候補の「裏書き効果」を数値化したところ、共和党はルビオ上院議員がトップで150点、2位のクルーズ上院議員が34点。民主党はクリントン前国務長官が474点で1位になった(26日現在)。

 だが、全米世論調査の平均値では上位の顔ぶれが変わる。共和党1位はトランプ氏の34%で、2位のクルーズ氏を14ポイント引き離した。民主党はクリントン氏が48%で1位だが、サンダース氏が42%と肉薄する。

 実は、トランプ氏の裏書き効果は22点。サンダース氏は3点しかない。2人の「異端」が定説を覆したのだ。

 共通項は「新・負け組」

 右派の「暴言王」に左派の「民主社会主義者」。イデオロギーは正反対だが、両者の支持基盤には共通項が浮かび上がる。ともに、最近の社会構造変化で新たな「負け組」となった層で、怨嗟(えんさ)の声が満ちあふれているのだ。

 25日夜のマンハッタン。ダウンタウンにある居酒屋に10人ほどの市民が集まり乾杯した。「もう一度米国を偉大な国にしよう!」

 トランプ氏を支援する集まりで、中年の白人が目立つ。大学勤務から自営業まで職種はさまざまだが、典型的な中間層である。

 失業率は改善したが、豊かになったのは富裕層だけ。賃金上昇率は鈍く、中間層の平均所得は金融危機前の2006年から5%も減った。「暮らしは楽になっていない」(ニューヨーク郊外に住むベン・ローゼンシャインさん)だけに、自分たちの仕事を奪う恐れのある移民やマイノリティー(社会的少数派)を警戒し、中間層には手厚い社会保障を約束するトランプ氏の主張は耳に心地よい。

 投票呼びかけのボランティア登場

 一方、最近のニューヨークでは、「バーニー(サンダース氏)のフォーンバンク」と称するボランティアが増えている。個人の自宅に支持者が集まり、コールセンターのように電話を使って同氏への投票を働きかける活動である。

 参加者の多くは1980〜2000年に生まれたミレニアル世代だ。その一人である33歳のブランドン・ラックダシェルさんは大学を卒業後、映画関連の仕事に就いた。「民主党ですら社会インフラの劣化を看過している。大学などの無償化を訴えるサンダース氏に共感を覚える」という。

 米政府の歳出の大半は、年金や医療保険などシニア世代向けだ。一方で大学などの学費は値上がりし、平均的なミレニアル世代は約1万6000ドルの教育ローンを抱えているとされる。

 瓦解(がかい)する中間層と、困窮する若者世代。「異端2人組」は米国社会のゆがみに便乗したのだ。

 http://www.sankei.com/world/news/160228/wor1602280040-n1.html
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