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2016年02月22日17:19

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尖閣をどうするのか 15億円近い浄財が歴代政府の無為のせいで棚晒しになっている

 下記は、2016.2.22 付の【石原慎太郎 日本よ、ふたたび】です。

                         記

 昨年末から年始にかけて沖縄に出掛けて行った。目的は以前中国が侵犯をしかけている尖閣諸島を守るために何とか財政再建を果たした東京都で島を買い取ろうと発議したら、利口なスタッフからそれなら国民に献金を呼び掛け不足の分は東京が負担することにしたら、という意見が出て早速行ったところあっという間に15億円近い浄財が集まった。その金が歴代政府の無為のせいで棚晒(ざら)しになっているのだ。その浄財の使い道について現地の海上保安庁第11管区との相談だった。

 あの献金に添えられた幾つかの手紙を思い出せば今でも胸が熱くなるものがある。東北のある、貧しい家庭からの手紙には『私たちはごく貧しい家の3人家族暮らしですが、1人1万円ずつの献金をしてお国のために役にたてればと願っています』ともあった。さらに同じ1人暮らしの貧しい老婆からの手紙には、『この献金の宛先はみずほ銀行と指定されていますが、私の村にはみずほ銀行はないのでわざわざバスに乗って1時間かけて近くの町まで出向いて献金しました。どうかどこにでもある郵便局に献金のための口座を開いてください』ともあった。それを読んで早速郵便局に口座を開くことにしたものだった。

 尖閣を守るという意欲のある政治家たちには是非ともあの手紙を読んで国民の真意を汲(く)みとってもらいたいものだ。

 あの献金の様子を見て当時の民主党の野田佳彦首相は売名のために持ち主の借財につけ込んで、借財を上回る金額で重要な国事にかまけてということで恐らく所得税は免除して横から手を出して買い取ってしまったものだったろう。

 ということで事は国対国ということになり中国政府の姿勢も硬直化してしまったが、私は直後に野田首相と面会した上は、最低限石垣島から漁に出向く零細な漁船たちのために補給燃料の備蓄施設か島の頂上に四方から見える灯台を作るよう要請したが、返事もなくその後の自民党政府も腰が引けて何の進展もありはしない。もしも東京都があの島を保有できていたならば現地の石垣市の市長とも計っていたように最低船溜(だ)まりの拡張、燃料の備蓄施設や灯台を建設できていたろうに。

 それでも政府は尖閣防衛のために現地の海保11管区のために発進基地の石垣島の港の整備には心掛けているようで、那覇まで出向いて面接した11管区の本部長も帰京後会った保安庁長官も発進基地の石垣島の海保関係の予算についてはこれ以上望むものは無いという。

 浄財15億円の基金では新しい船の建造にはとてもこと足らず、ならば哨戒の激務に励む海保職員のための快適な宿舎の建設とも思ったが、これもすでに予算措置されているという。かくなれば暗礁の多い尖閣周辺の危険な海域の航行安全のために見晴らしのいい島の頂上に、領海の外まで届く強い光を放つ灯台を、あの国民の熱い心の籠もった浄財を組み込んで建設すべきに違いない。

 中国は南シナ海のスプラトリー諸島に軍事基地を創設しそれに付随して巨(おお)きな灯台をも建設しているが、その言い分は周辺の海を航海する万国の艦船の安全のためと嘯(うそぶ)いているが日本もまた同じ言いでれっきとした自国の領土に人道に適(かな)う万国の艦船の安全なる航海のためにこそ灯台を構えるべきに違いない。フィリピンはすでにスプラトリーへの中国の侵犯について国際裁判に提訴したと聞くがわが国も歩調を合わせて事を国際的司法に問うべきではなかろうか。しかし彼等は絶対にそれに応じて国際的な司法の舞台に身を晒(さら)すことはありはしまいが。

 http://www.sankei.com/premium/news/160222/prm1602220006-n1.html
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