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2016年02月06日00:01

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アングラ少年探偵団

 今日しか行く日がないのに気付き、行くことにした。
 月蝕歌劇団『少年探偵団VS怪人二十面相』を観劇しに、阿佐ヶ谷のひつじ座に行く。


月蝕歌劇団『少年探偵団VS怪人二十面相』高取英.作・演出 ひつじ座

 江戸川乱歩原作でお馴染みの『少年探偵団』を、まさにその世代の人である高取英が演出した探偵小説である。
 昭和30年代、少年だったものが愛した漫画、テレビヒーロー、小説にどっぷり浸かっていた高取だけに、昭和30年代の活劇物の要素を存分に使い、かつアングラ色を出すことで、ただのエンターテインメント作品にしていないのがいい

 少年探偵団を演じる女優陣がとても清潔感溢れる少年たちを演じているのがいい。
 小林少年を演じた黒木桃子をはじめ女優達が演じることで、悪の大人の怪人二十面相との戦いに勧善懲悪物としてのドラマに勢いを与えているのであった。
 それに加え、高取が少年探偵団を演じた女優達に、二十面の手下不良の少年団を演じさせ、一筋縄の活劇物にしているのに面白さがあった。

 また、明智小五郎を演じた倉敷あみと小山田静子を演じた藤原さえの恋の物語は大人の世界を垣間見させて、少年たちとの世界観とのバランスが上手くとれているのもいい。
 その上、その恋には大逆転が?

 そんな要素もあるのだが、やはり全体的には高取英の、次に何が起きるのかわからないというエンターテインメントとしての面白さが完成されている戯曲と演出がいいのである。
 それで、なおかつ、月蝕歌劇団の次回公演につながる作り方をし、次回作を楽しませる作りをしているのも、上手い手である。
 ただし、それが活かされるか、どうかはわからないが。

 ともかく、前作『花札伝綺』に続いて、本作も楽しめる作品となった。
 オイラの中で月蝕歌劇団はまた面白い劇団に戻った。

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