それでなくても忙しい日曜の午後。
訳も言わず店を後にする。
無邪気に買い物を楽しむ仲の良さそうな。
そのごく普通の家族連れを・・・捻て屈折した視線で貫く。オマエら何がそんなに楽しいのだ。と。
閑静な住宅街の、その半地下だけが異空間。
ところ狭しと並べられた旧い車と。
毎回オークションで値が沸騰するパーツが床に転がる。
工具やら外した部品や。
酒瓶とツマミが作業台を占領していて座る場所にも困るんだが・・・
垂れ下がったエルスの下の底の抜けそうなソファーに体を滑り込ませて、差し出されたグラスに焼酎を注いで時化た煎餅を流し込む。
拙い会話、共通の話題、次の獲物の画策。
堕ちてゆく・・・
猥雑なイルミネーションは嫌いだ。
普通に幸福な家族連れを見るのも辛い。
踏み外して戻れない自身。
だからどうしろと?
堕落。
結構、結構。
無駄遣い?なんて言葉は知らねぇしな。
仲間と焼酎と。旧い車の部品に囲まれる。
君らにゃ解らんだろね?
そう・・・
俺は「今」が楽しいんだよ。
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