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2016年02月01日00:08

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久しぶりの暗黒宝塚

 今日はチラシの仕事を休みにしてしまう。
 入れても良かったが、雨が降るという予報を聞いていたので止めた。
 だから、今日はどうしょうかと思い、神保町シアターの芦川いづみ特集に行こうか、月蝕歌劇団の『花札伝綺』のどちらにしょうか迷ってしまう。
 『花札伝綺』の方は寺山修司の戯曲というのがあるが、正直、今の月蝕歌劇団はあまり魅力がないので、行く気が弱かった。
 ちなみに、芦川いづみの未見の方も絶対に観たいと思う作品でもなかった。
 しかし、なぜか、わからないが、月蝕の方を取るのであった。


 『花札伝綺』は寺山修司の戯曲である。しかし、高取英は退屈にさせないためストーリーを入れたりして寺山戯曲を変えたりしている。
 寺山の方の戯曲を読まずに観たので、どこまで変えているのかがわからない。
 内容は葬儀屋の娘、歌留多は墓場鬼太郎に恋をする。しかし、葬儀屋では生きた人間に恋をするのは禁じられていた。葬儀屋の父は歌留多と鬼太郎を破局させようとするのであった。
 漫画好きの高取は墓場の鬼太郎をずばりゲゲゲの鬼太郎として登場させ、彼の仲間の妖怪達も登場する。それによって寺山戯曲である本作は高取英ワールドに変化をしるのであった。

 そして、月蝕の女優陣がその世界観を一人一人が上手く作り上げている。
 以前の月蝕が次に何が起きるかわからないという展開を盛り上げるために役者陣は演じていた。
 しかし、本作では一人一人が世界観を掘り下げるためかのように役を作り演じ、舞台空間を異常な世界にしている。
 そして、大半を占めている女優陣も毒々しい世界観と役なのだが、それを感じさせない容姿がさらに作品世界をメルヘンのようなきれいな世界にし、舞台を魅力的にしているのであった。

 また、今回、大きな収穫だったのは、今までオイラ的に評価していなかったトップ女優の倉敷あみがいい存在感をあったことである。
 恋する純な乙女、時に見せる魔性の臭い。このバランスがとても良く出ていたのである。

 ラスト、この作品を水木しげるを追悼する言葉を役者陣が語っていく。
 ここに高取英の水木しげる愛の強さを感じ、同じ水木しげる好きとして寺山戯曲から脱線したことを気にさせないのであった。

 ここしばらく、月蝕歌劇団に対しては物足りなさを感じていたが、今回は久々のヒット、いや、また見続けたい気持ちになった。
 なので、来週に上演される『少年探偵団VS怪人二十面相』は行かないつもりであったが、予定変更して観に行くことにしたのであった。

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