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2016年01月20日01:46

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あ、まだアールビバンと組んで版画売ってんだ(違)。

「天野喜孝展」29日から ガッチャマン、ファイナルファンタジーなど100点以上
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=3811272

あのクソイヴェントのおかげで、
自分の中の天野喜孝株は暴落したんだったなぁ(遠い目)。

「○○枚まで刷ったら原版を壊しますので、将来希少価値が出ます」
だの、「いい絵画(印刷だけどね)との出会いはその場限りで
一生物」だのという下らないセールストークを延々聞かされたのは
今となってはいい思い出。

二十歳くらいの時に付き合ってた娘が天野喜孝好きで(ま、要するにオタだ)、
「絵画展があるから行こう」なんて云われて行ったのが契機だったが、
当時から今も評判悪い囲い込みと長時間の説得で、気の弱い奴から
餌食になって何十万ものローンを組まされているのは知っていたから、
興味深いので行ってみたのだった。

入場者全員にポスタープレゼントが餌だったが(そのポスターに
財力の有無の目安となる印がしてあるのは有名だね)、学生であるにも
関わらず、矢張り接客という名の押し売りは強烈だった。

最初は版画が飾ってあるスペースがあり、その後に「説得会場」となる
テーブルと椅子がセットしてあるスペースになるのだが、
その観覧スペースから既にマンツーで横にへばりつく。非常にうざい。
挙げ句、「このキャラクタの名前、分かります?」「これがどの作品に
出てくるかご存知ですか?」などとオタ舐めんなよ、というような
質問を繰り出して来て、「どれなら買うか」を見極めようとしてくる。
当然、それはこちらも分かるので、逆に「これ、何巻の表紙画か分かりますよね?」
だの「これ、何年にリリースされたものか分かります?」だのと
質問仕返して凹ませようと思ったのだが、流石に敵は面の皮が厚い。
「よくご存知なんですねぇ〜、お好きなんですね〜」と言外に
(なら買いたいだろ?)というセールス臭を混ぜ込んでくる。

ふうん、成る程。

ではちょっと目線を変えて。

「○○という作品の5巻の表紙の青が好きなんですよね〜。あれって
今回は出品されてないんですか?観たかったなぁ」と
ざっと観て展示されていない作品の話を振ってみます。
「今回は××という作品を特集した展示会になっていますので、
無いんですよ〜。それでしたら、こちらの画などは」
ちょっと困ったようにするセールスのお姉ちゃんに、
少し溜飲を下げたものの。

で、展示スペースを抜けて最後の山、囲い込み説得コーナへ。

「今日ご覧になった中でどれが一番自分に合うな、と思いましたか?」
おおぅ、早速の直球かよ。短期決戦で来たなぁ。舐められてんのか、
こちらが。

と思ったら。

「〜〜が好きなんで、○○が良かったです」
とか、馬鹿正直に答えてしまう彼女。

う〜〜〜〜〜〜っわぁぁぁあぁあああああああああああ、馬鹿。

そんな餌撒いたらピラニアのプールに裸でどぼん、だぞと
思った時には既に遅し。

「朝目覚めた時、お気に入りの絵(印刷だと云うに)がある、なんて
幸せだと思いません?」
「疲れて帰って来た時に、この絵に迎えられたら疲れも飛びますよ」
「出会いって、この瞬間しかないんですよね」
「私も一枚買いましたけど、素晴らしい出会いだったな、って」
「学生さんでも無理無く組めるローンはありますから」

いやはや、喋る喋る。恐らく、二十分くらいは
あれやこれやとお話しておりました。
ま、彼女は割としっかり教育受けているお嬢さんだったので、
「就職したら」とか「親に断り無くローンは組めない」などと
正攻法で断っていた為(その為に長くなった訳だが)、結局は
「その時にはもうお気に入りの絵は無くなってしまっているんです
けどねぇ」と揺さぶろうとしておりました。

隣りで聞いているだけのこちらは退屈で仕方なかったのですが。

とりあえず、面白いので乗ってみる事にします。
退屈している間に、他のテーブルを眺めていると、
どうやら「買いそう」という鴨には絵(と云うふれこみの印刷物)を
持って来て間近に見せて「断ったら悪い」空気を作って落としています。

つう事で、適当に何枚か持って来て貰う事に。

手始めに『グイン・サーガ』第27巻「アルセイスの秘密」の表紙絵。
「素晴らしい迫力でしょ?私もこれ欲しいと思っていたんですよ〜」
なんてお追従を(マジかよ)と苦笑しながら、
「いやぁ、でもこんなファイティングポーズを毎日取られてたら
落ち着かないですねぇ。静かな気分で居たい時には困っちゃうかなぁ」
などと適当に逃げて十分程度いたら、「他のも」とお姉ちゃんが
云い出します。おぅ、望む処だ。

次に持って来たのは矢張りグインの外伝六巻『ヴァラキアの少年』の表紙絵。
確かに絵としての完成度は高いし、人気もあるのは分かる。
推す側も推し易いだろうなぁ、という代物。ま、買う気なんざ毛頭ありませんが。
「いやぁ、素敵なんですけれど、これ基調がピンクじゃないですか。
矢張り男の自分にはピンクは厳しいなぁ。なんか、可愛らし過ぎるっていうか?
どちらかと云うと猛々しい感じが好きなんですよ」
と先ほどの時とは真逆の事を云ってみたり。
流石にあちらさんも何やら感づいてきたようですが、大層自信が
あるらしいセールストークで買わせてしまおう、と逆に
思わせてしまった面も無きにしもあらず、と云った処。

すると、思わぬ方向から起こられてしまいました。

「もういい加減にしときなよ」

彼女からでした。

いや、あぁたも大概でしたよ?とは思うものの、当時は頭が上がらなかったもので、
へいこらと退散しようかと思ったのでしたが。

そうは問屋が卸してはくれません。

まだセールストークの途中でした。
「帰ります」「はいそうですか」で済めばこんな商売は
上がったり。更に人数が増えて(男一人に女二人。ウチ一人は
中々上の立場っぽい)、「ここまで絵にご熱心だと」「貴方との
出会いを待っている絵がこの中に必ずあります」「もう一度、
ご覧になって下さい」と波状攻撃。セールストークのジェットストリームアタック。
これは困りました。
別に一人なら何時間囲まれていても平気ですが(周りに人も一杯いたしね)、
彼女を起こらせるのはどうにも具合が悪い。

なので、先ほどの自分の台詞を思い出します。

「出会い!そう確かに出会いは大事です!実は、私はもう『この一枚』という
絵と出会ってしまして、それが先ほど無いかとお尋ねしたものだったのですよ、
あれで無いと一枚目は買えません、今まで色々と見せて頂いて、それを
痛感致しました!」

例の○○の五巻(ま、伏せ字にする意味も無いから書くと『エルリック・サーガ』の
「黒き剣の呪い」という奴だった)は無い事は分かっているので、
いくらでも云い張れます。
結局、それから十分程度で解放されましたが、
残ったのは彼女の「折角懇切丁寧に説明してくれていた係の人を
からかって遊んだろくでなし」という怒りのみありました。


ま、そういう訳で天野喜孝は自分には良いイメージは無くなりましたとさ。

あ、その彼女とは間もなく別れました。そりゃそうだ。




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