いのちの玉子焼き

そんなご大層なものでもないのですが、私はほぼ毎日つくるこの玉子焼きを、そう呼んでいます。卵1個で、いかにふんわり、そして美しい形に仕上げるか、結構気を遣いながらなので、その出来は１日を占うような気分にもなるわけで。
去年何度も入院して、その間主人が私の代わりに子どものお弁当をつくってくれていましたが、おかずなんて、私も然りですが、レンチンで済ますことがほとんど。ですが玉子焼きだけは、さすがの主人も手づくりしてくれてまして、写メで病床に送られてくる写真はそこそこ美味しそうなのであります。誰がつくっても、一緒よね、って思いましたよ。そもそもレンチンメインだし。
で、私も家に戻るとお弁当づくり再開するわけですが、子どもに「とーちゃんとかーちゃんのお弁当、どう？なんか違う？」と聞いたら、普段味についてそんな文句を言わない娘が「やっぱり玉子焼きはかーちゃんのが美味しいな」って言ってくれたのです。「とーちゃんのは味が濃くてかたい」って。なんか、かーちゃん、泣きそうになったよ。
私には絶対越えられない母の味があって、それは若牛蒡の炊いたんとか、芋茎の煮物だったりするのだけれど、私の味って？そんなに料理好きでもないし、手の込んだものもつくらないけれど、玉子焼きは毎朝気合い入れてつくってましたよ、そう言えば(笑)
今日も心を込めて、いのちの玉子焼き、つくります。