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2016年01月12日12:23

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夢見る政治は危ない 

 下記は、2016.1.12 付の【産経抄】です。

                       記

 ドイツ人のイメージといえば、真面目、勤勉、現実的といった言葉が思い浮かぶ。ところが長く読売新聞のベルリン特派員を務めた三好範英(のりひで)さんは、「夢見る人」と表現する。現実を直視するより、目的や夢を先行させる傾向が、強いというのだ(『ドイツリスク』光文社新書)。

 ▼最たる例が、脱原発の決定である。メルケル政権は、福島第1原発事故を受けて、2022年までに国内の全原発を廃止する「エネルギー転換」に踏み切った。4年以上が経過した今、電気料金の値上がりに対する不満と、実現性への疑念の声が国内に広がっているという。

 ▼「夢見る人」たちは、中東やアフリカの内戦を逃れて、欧州に殺到する人たちにも寛容だった。政府は難民を積極的に受け入れ、国民の多くも支持していた。ところがこの1年間で流入した難民が、100万人を超えるに至って、さすがに世論の風向きも変わってきた。

 ▼昨年の大みそか、西部ケルンで起きた集団女性暴行事件に、ドイツ国民はさらに大きな衝撃を受けている。容疑者の多くが難民申請者や不法滞在者だったからだ。難民を装って、テロリストが紛れ込む可能性も、ますます高まっている。三好さんの本の副題になっている「『夢見る政治』が引き起こす混乱」が、まさに現実となってしまった。

 ▼憲法9条さえ守っていれば、平和は保たれる。日本にもこんな「夢」を見続ける、メディアや文化人が少なくない。先日核実験を強行した北朝鮮について、「リアルの危険があるわけではない」と昨年11月のテレビ番組で言い切った政治家もいた。

 ▼そういえば、近隣諸国への戦後補償の問題から脱原発まで、ことあるごとに「ドイツを見習え」と主張するのも、この人たちである。

 http://www.sankei.com/column/news/160112/clm1601120004-n1.html
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