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2016年01月11日00:04

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今週の科学ニュース-1月10日

 皆様、こんばんは。巷は暖冬と言われていますが、そろそろ寒くなりそうな雰囲気です。体調にはお気をつけください。

ペンギンのように泳ぐ?=首長竜のプレシオサウルス(米ジョージア工科大学他)
 プレシオサウルスは、実に1800年代に化石が発見された、古くから知られている海棲首長恐竜です。前肢、後肢ともにひれ状になっており、どのように動かして泳いでいたのかについて以前から論争があったようです。ジョージア工科大学などの研究チームは、このほど、プレシオサウルスの骨格データを元にコンピューターシミュレーションを行った結果として、この首長竜は水中のペンギンのように、羽ばたくように泳いでいたのではないかという見解を発表しました。ジュラシックパークが実用化されて、プレシオサウルスが再び地上(いや、海中か)に復活しない限り正解はわからない訳ではありますが。
PLOS Computational Biology誌の該当論文はこちら
PLOS Computational Biology誌の2015年12月号の表紙写真はこちら

恐竜の「求愛儀式」か、白亜紀の痕跡化石を発見(米コロラド大学デンバー校他)
 恐竜ネタをもう一つ。アメリカ・コロラド州の西部で見つかった白亜紀の地面のひっかき傷の痕跡は、(チラノサウルスのような肉食二足歩行恐竜である)獣脚類が「求愛儀式」の際に地面をひっかいてほじくった後であるとする見解をコロラド大学などの研究チームが発表しました。恐竜は、現生鳥類の先祖筋にあたるとされていますので、現生鳥類で見られるような求愛行動が恐竜にもあったとされる説は以前よりあったそうです。今回の痕跡は、ニシノツメドリやダチョウが求愛行動の際に行う行動(穴掘り)に似ていることから、そういう結論になったと言うことなようです。これも、実際に恐竜を復活させない限り正解が得られない疑問であります。
University of Colorado Denverの該当HPはこちら
Scientific Reports誌の該当論文はこちら

「アイスマン」にもピロリ菌=5300年前の中年ミイラ−胃潰瘍かは不明(伊ボルツァーノ欧州アカデミー他)
 今度は、化石人類の話。アイスマンは、1991年にアルプスにあるイタリア・オーストリア国境のエッツ渓谷(海抜3,210メートル)の氷河で見つかった、約5300年前の男性の(比較的保存の良い)ミイラで、当時の人間の貴重なサンプルとして有名です。イタリア・ボルツァーノ欧州アカデミーなどの研究チームは、このほどアイスマンの胃の内容物のDNA解析を行ったところ、ピロリ菌のDNAが見つかったと発表しました。ただし、現生人類で見られるような、ピロリ菌起因の胃潰瘍の存在はわからなかったとのことです。人間はかなり前から胃痛で悩まされてきたのかもしれません。
Science誌の該当論文のAbstractはこちら

米より先に魚・肉 食べる順番で血糖値抑制(関西電力医学研究所)
 今度は、現生人類の健康のお話。糖尿病の患者にとって、食事後の血糖値の急上昇は警戒するべき現象の一つです。今までは、(野菜などの)食物繊維を先にとることにより、小腸の働きが緩やかになり、食後の血糖値の急上昇が抑えられるとされていましたが、関西電力医学研究所の研究チームは、米などの炭水化物を摂取する前に魚や肉などのタンパク質をとることによって、同様に食後の血糖値の急上昇を抑えられることがわかったと発表しました。要するに、糖尿病患者は、前菜・副菜を先に食べましょうと言うことです。その効果は、リンク先にある図を見てもわかりますように、結構はっきりと傾向が出ています。
 関西電力医学研究所のプレスリリースはこちら
 Diabetologia誌の該当論文のAbstractはこちら

ブラックホール「瞬き」見えた!=「アウトバースト」の光初観測(京都大学他)
 ブラックホールは宇宙空間に漂ういろいろな物質をその中に吸い込み続けているわけですが、当然、その吸い込む物質に濃淡がありますので、ブラックホールに吸い込まれる際に発生するX線や可視光が物質の濃淡に応じて脈動することは予想できるところです。X線に関しては、実際に脈動の様子が観測されていましたが、今回の京都大学の観測で、可視光領域でもちゃんと脈動することが確認されたとのことです。少し大きめの望遠鏡なら見えるとのことでしたので、不規則に変光する変光星として観測するのもおもしろいかもしれません。なお、ネーチャーに掲載された該当論文のFirst Authorは修士課程一年生の学生さんとのことです。掲載雑誌のインパクトファクター的には、すぐに博士号を授与されても良い業績を上げたことになります。
京都大学のプレスリリースはこちらこちら
Nature誌の該当論文のAbstractはこちら

 では、今週はこの辺で。
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