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2016年01月06日16:05

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もじたま日記・ 1948日目からのツヅキ

 1948日目からのツヅキ
  ↓
 仮名を
 習得するための和歌
 『古今和歌集』の仮名序
 「…なにはづのうたは、
  みかどのおほむはじめなり。
  あさか山のことばは、
  うねめのたはぶれよりよみて、
  このふたうたは、
  うたのちゝはゝのやうにてぞ、
  てならふ人の、
  はじめにもしける」
 「なにはづのうた」というのは
 「仁徳天皇に渡来人の
  王仁が、・・・・・・王爾の「千字文」
  なにはづに
  さくやこのはな
  ふゆごもり
  いまははるべと
  さくやこのはな」
 という歌を奉ったという古事から・・・
 また
 「あさか山のことば」
 というのは、
 葛城王、
 すなわち
 橘諸兄が
 東国の視察に行った折、
 その土地にいた
 采女だった女が、
 「あさかやま
  かげさへみゆる
  やまのゐの
  あさきこころを
  わがおもはなくに」
 という歌を作り
 諸兄に献上したという話
 「てならふ」とは
 毛筆で文字を書く練習をする事
 「手習い」
 上にあげた和歌2首が、
 当時
 仮名(平仮名)の
 書き方を練習するのに
 最初の手本とされていた・・・?
  ↓
 和歌は文の長さが
 三十一字
 と限られており、
 子供が
 仮名の手ほどきを受ける
 教材としては手ごろであった
 その数ある和歌の中から
 「なにはづ」
 と
 「あさかやま」
 の歌が
 「てならふ人の、はじめにもしける」
 といわれたのは、
 実際この2首が
 古い由緒を持った歌
 同じ句や
 同じ仮名が繰り返し出てくる
 「なにはづ」
 の歌は
 「さくやこのはな」
 という句が二度もあり、
 「あさかやま」
 も
 「やま」
 や
 「あさ」
 という
 仮名が二度出てくる
 同じ言葉や仮名を繰り返すほうが
 子供にとっては
 内容を覚えやすく、・・・・?
 また
 同じ文字を
 繰り返し
 書き記すことにもなる
  ↓
 『源氏物語』の
 「若紫」の巻
 幼女の紫の上を
 光源氏が引き取りたいと
 紫の上の祖母である
 尼君に申し入れると、
 「まだ
  難波津(なにはづ)を・・・難波津→難葉事(通・亠)
               何葉告
  だに
  はかばかしう・・・・・・・捗々しい・果々しい
  つゞけ侍らざめれば、
  かひなくなむ」・・・・・・歌意無く拿務(納務・名務)
 という返事
 「なにはづ」の歌も
 まともに書けないような
 幼い娘なので、
 源氏の君の
 お相手にはならない
 と断られた
 「はかばかしう
  つゞけ侍らざめれば」
 とは
 仮名を連綿として
 うまく書きこなせない
 ということである
 仮名は
 文字として覚えるだけではなく、
 その仮名を
 連綿で以って
 綴れるようにするのが
 当時の仮名文字の習得
 自分の書いたものを
 人に読み取らせるためには、
 仮名の連綿は
 書式の上でも
 必要なことだった・・・アタリマエ・・・
  ↓
 仮名の
 発音と表記
 平安時代
 日本語の音韻に変化
 「こひ(恋)」という
 仮名に対応する
 発音は
 「ko-ɸi」であったが、
 「ko-wi」と変化
 「wi」の音をあらわす仮名は
 ワ行の「ゐ」であり、
 そうなると
 「こひ」は「こゐ」と
 記されるようになるかと思われそうだが、
 文献上
 「こひ(恋)」
 を
 「こゐ」
 などと書いた例はい・・・書いてもイイ、ワルクない・・・
 仮名文字を習得した
 当時の人々にとっては、
 恋は「こひ」という仮名で記す
 のがそれまでの約束事
 発音が変わったからといって
 「こゐ」と書いたのでは、
 他者に
 「恋」という
 意味で
 読み取らせることが
 出来ない・・・相互理解は
         個人的な教養の
         問題である
        「こい・コイ」の漢字は
         複数あるから
 つまり
 音韻に関わりなくその
 表記は一定しており、
 これはほかにも
 「おもふ」
 など使用頻度の高い言葉ほど
 その傾向が見られる
 頻度の高い言葉でも、
 何かのきっかけで
 変わってしまいそれが
 定着したものもある
 「ゆゑ(故)」は「ゆへ」、
 「なほ(猶)」は「なを」
 と変化し記されていた
 とにかく
 誰かが率先して
 人々に指導するということがなくても、
 仮名の表記のありかた
 仮名遣いは仮名を使う上で、
 不都合の無い程度に
 固定していた・・・・・?・・・都合がイイ
  ↓
 不都合のなかったはずの
 仮名遣いとは別に現れたのが、
 藤原定家の定めた
 仮名遣い、
 定家仮名遣
 定家が
 仮名遣いを定めた目的は、
 それを
 多くの人に広めて
 仮名遣いを
 改めようとした
 などということではない
 定家は当時すでに古典とされた
 『古今和歌集』
 などの歌集、
 『源氏物語』
 『伊勢物語』
 などの物語を頻繁に
 書写していた・・・・・コピペは写しとして完全ではない
 仮名遣いを定めたのは
 それまでは
 表記の揺れがあった
 仮名遣いを、
 自分が写した本においては
 この意味では
 こう書くのだと規範を定め、
 それ以外の意味に
 読まれないようにした
  ↓
 当時いずれも
 「wo」の音となっていた
 「を」
 と
 「お」
 の仮名は
 アクセントの
 違いによって
 書き分けるよう定めており、
 「置く」は「をく」、
 「奥」は「おく」
 と書いている
 その結果
 定家の定めた仮名遣いは、
 音韻の変化する以前のものとは
 異なるものがあったが、
 定家は自分が
 写した本の内容が
 人から見て
 読みやすい事に
 腐心したのであって、
 仮名遣いは
 その一助として
 定められたに過ぎない
 定家の
 個人的な事情により、・・・個人的な事情である・・・
 定家仮名遣
 と呼ばれるものは始まった
 定家の定めた仮名遣いは
 その後、
 南北朝時代に
 行阿によって増補
 それが
 歌人定家の権威もあって、
 定家仮名遣と称して
 教養層のあいだで広く使われた
  ↓
 明治になると
 政府によって
 歴史的仮名遣が定められ、
 これが広く
 一般社会において用いられた
  ↓
 第二次大戦後
 現行の
 現代仮名遣いが
 一般には用いられている
 現代仮名遣いは
 おおむね
 「1字1音の原則」
 によって
 定められているとされるが、
 以下のような例が存在・・・
 ひとつの音に対して
 複数の仮名があるケース
  /e/, /o/, /wa/ は通常
 「え」「お」「わ」
 だが、
 格助詞の場合は
 「へ」「を」「は」と書く。
  /zi/,/zu/ は通常
 「じ」「ず」
 だが、一部のケースでは
 「ぢ」「づ」と書く
  ↓
 ひとつの仮名が
 複数の音をもつケース
 「は」「へ」は通常
  /ha/, /he/
 だが、
 助詞の場合は
 「わ」「え」と同様に
  /wa/, /e/
 と発音
 「う」は
  /u/
 の音標であるとともに、
 ウ段・オ段に添える
 長音符でもある
 たとえば、
 かなで書けばいずれも
 「よう」であるが、
 「酔う」が
 /you/ (「よ」+「う」)
 であるのに対し、
 「用」は
 /yor/ (「よ」の長音)
 である
  ↓
 現代仮名遣いにも
 以前からあった仮名遣いと同様に、
 発音には拠らずに
 書きあらわす例が定められている
 「続く」は「つづく」と書くが、
 「つずく」と書くように
 定められてはいない・・・・書いてもイイ・・・
 「蝶々」は「ちょうちょう」と書くが
 「ちょおちょお」
  や
 「ちょーちょー」
 は不可・・・?・・・書くのは個々人の「自由」である
        ・・・享受側も、その意味は「自由」である
 現代仮名遣いとは
 実際には、
 歴史的仮名遣を
 実際の発音に近づけるよう改め、
 「続く」や「蝶々」のような例を
 歴史的仮名遣と
 比べて少なくしただけのもの・・・
  ↓
 歴史的仮名遣
 や
 定家仮名遣
 に基づかない
 仮名は
 日本語の音韻に変化が起こった結果、
 それが定家以前に見られた
 一般的な慣習によるものにせよ、
 また
 個人や国家が定めるにせよ、
 仮名遣いを
 発音とは違うところに
 求めなければならなくなった
  ↓
 琉球語の仮名
 琉球王国時代からの
 仮名使用の伝統
 仮名表記の
 琉球文学が生み出された
  ↓
 アイヌ語仮名
 アイヌ語表記文字
  ↓
 台湾語仮名
 仮名を用いて、
 台湾語、客家語、高砂族
 の言語を表記する方法が考案され、使用
 台湾原住民の言語の
  ↓
 文暦二年(1235年)
 京都蓮華王院の宝蔵に
 紀貫之自筆の・・・・・「紀の貫く之」の名前に
            疑問は無いのか?
 『土左日記』
 (表紙には「土左日記」)が所蔵されて
 いたが、
 定家はそれを
 閲覧する機会を得たので、
 その本文を
 書き写し写本を作った
 この臨書の最後には、
 「為令知手跡之躰、
  如形写留之。
  謀詐之輩、
  以
  他手跡
  多称其筆。
  可謂奇怪」・・・この記録自体が奇怪である?
 (貫之の手跡が
  こういうものだと知らしめるために、
  その通りにここに写しておく。
  いんちきなことをする連中が、
  他人の手跡を多く持ち出して
  貫之のものだと称しているからである。
  奇っ怪というべき事である)
 と記
 当時、
 貫之筆と称する
 偽物が多く出まわっていた・・・ナゼ?
  ↓
 「乎(を)」
 や
 「散(さ)」
 などの変体仮名は別として、
 おおむね現在のものに近い
 字体の仮名が
 連綿で記されている・・・
 なお
 「仮名」
 を
 「かな」
 と読むのは
 常用漢字表付表で認められた
 熟字訓・・・
 「か」
 は
 「かり」
 の転訛であり、・・・・
 漢字音ではない・・・・
 重箱読みではない・・・「か」の漢字は無数にある
            「多重箱読み」であろう・・・?

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