やはりフォースは目覚めたぜ！

　「スター・ウォーズ　フォースの覚醒」はファンにはたまらない作品だった。

　もともと「おとぎ話」とか「壮大な親子げんか」とかいうのはこの物語の
骨格なのだから、そこを云々しても意味がないし、むしろ今度はこう来たか、
と思わせてくれたのがうれしい限り。ともかくファンならにやにやするタイミングや
ウルウル来るタイミングが絶妙なのだ。この絶妙さが、実は難しいのは多くの
作品が失敗しがちな罠、これ見よがしだったり、わざとらしかったり、無理やり
だったり、要するにその塩梅というものだ。感じない程度では物足りないし、
強すぎると肝心なストーリーより際立ってしまう。そこのところ、
エイブラムズ監督は本当にうまい。さすがプロのオタクだ。

　さらに、ルーカスの新３部作でさんざんだったCGの使いすぎに対する
大きな反省が活かされているのもうれしい。実写感覚が徹底しているのも
この監督の映像センスだろう。
　構図や編集が「地に足がついている」感じなのだ。「そこにあるもの」を
｢そこにあるように撮る」というのは難しいが、CGを多用すると
「そこにないもの」を｢そこにあるように撮る」ということだ。
この「構図を作る」ことができる監督は少ないように思う。

　さて、あと何回見るかな、この映画。まあエピソード８まで２年あるから、
それまで食いつなぎますか。