寒くなり、身震いするようになりました。
ちまきみたいに重ね着をしてもまだいくぶん寒く感じますが、
隣に住んでいる娘さんが我が家に来たとき、はだしでスリッパ、暖かい上着は
何も羽織っていませんでした。寒くないのか尋ねましたが、寒くないと答えました。
でも足先は白くて顔も震えています。洋服ダンスから毛糸の靴下を一足取り出して
彼女にあげました。
最も基本的な寒さを温めるものさえなく、凍えるのも怖がらず、いつもテレビや新聞の
ネガティブな記事ばかり見ていると、元々余計な心配をしなくていい彼女は、
突然うつ病を発生してしました。ひどいときは自分のからに閉じこもってしまい、
一日中ぼんやりしています。
毛糸の靴下をあげた後、彼女は脱ごうとしませんでした。
次に小さなプレゼントを贈ってきて、要らないといってもその手を離そうとしません。
電気鍋の中にあったチキンスープを盛って彼女にあげたら、近況を悠然と話し出しました。
他人をつらくさせることをもう言わないということ、大きな事や小さな事、
お嬢さんたちの学業が進歩した事、夫の最近商売が悪くないこと、
元々厳しくて頑固な舅や姑と上手くいくようになったこと、隣人達と打ち解けた事、
親戚とのことなどなど・・・2年前の病気のときと状況は大違いです。
あの時、彼女は精神科で治療を受けたと聞きましたが、どうやってこんなに信じがたいほど
過去を突然変えられるのでしょうか?
彼女はもともと美容界では優秀で、舅と姑が孫の世話をしないと言ったため、
子供を産んだ後、夫を支え子供をしつけるために美容院を閉める決断をしました。
何年か前から頭に思っていたことです。
ただ、どの家でも困った事はあるもので、加えて彼女は正直者、舅と姑が強くて、
少々の間違いで二人はすぐ怒鳴ってしまいます。ある夜、彼女の間違いではないのに
罵った事がありました。
何度か姑は涙と鼻水でいっぱいになり、そのような妻とは別れるよう息子を非難しました。
そばにいた伯父夫婦も傍で見ているだけです。長い間の抑圧に黙って我慢していましたが、
ついに我慢の尾が切れました。
つづく
人生福報より
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