皆様、こんばんは。12月を目前にして、南関東はすっかり寒くなりました。皆様もお風邪を召されませんように。
今週は少なめです。
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抗マラリア遺伝子持つ媒介蚊、繁殖成功(米カリフォルニア大学アーヴァイン校)
カリフォルニア大学アーヴァイン校の研究チームは、抗マラリア遺伝子を持つマラリア蚊を特殊な遺伝子操作(CRISPR法)により作成し、この遺伝子をその子孫に受け継がせることに成功したと発表しました。この「抗マラリア」というのは、マラリア蚊の体内で「マラリア原虫を殺す」のか、「マラリア原虫を不活化させ(て、増えないようにす)る」のか、いまいちはっきり書いてありません。しかし、普通は遺伝子操作しても、その遺伝子は一代限りに終わることが多いのに対し、今回の成果は、何代も後まできちんと受け継がれていることに特徴があります。このような蚊を大量にマラリアが流行する地域にはなすことにより、現地の蚊と交配することにより、マラリア原虫を媒介しないマラリア蚊を増やすことが出来るため、無理に蚊を絶滅に追い込む自然破壊的な手法をとらずに、マラリアを撲滅することが出来る可能性が開けます。
University of California, Irvineのプレスリリースは
こちら。
米科学アカデミー紀要の該当論文は
こちら。
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魚も顔で相手を識別=初対面はより警戒(大阪市立大学)
人間は当然として、群れで暮らす哺乳類やカラスは、個体識別を顔の見た目で行うことが出来ることが知られています。今回は、これらより下等な動物である、魚の少なくとも一部では見た目、それも、顔の付近の様子で個体識別が出来ることが証明されたと大阪市立大学の研究チームが発表しました。それによると、カワスズメと呼ばれる魚の一種、プルチャーに対して、モニターに映る同じ種類の魚に対して、仲間かよそ者かを識別できることを確認した後、画像処理によりよそ者の顔に仲間の顔の模様を貼り付けて、実験台のプルチャーに見せたところ、仲間の魚に対する反応と同じ反応をとったとのことです。プルチャーも集団で行動する魚なので、例えば、臭いで仲間を識別しようとすると、いろいろな臭いが混じってしまうために難しいことになりますので、見た目で個体識別をするようになったと考えることが出来ますが、必要な記憶容量が大きくなるため、魚の脳のように小さい脳では難しいのではと考えられてきたはずです。意外と魚は頭が良いのかもしれません。また、魚でできるのですから、もっと進化した爬虫類や両生類に、顔で個体識別できるものがいるかもしれません。具体的にこれだ、というのはちょっと見当がつかないのですが。
大阪市立大学のプレスリリースは
こちら。
PLOS Oneの該当論文は
こちら。
では、今週はこの辺で。
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