mixiユーザー(id:8306745)

2015年11月28日19:39

321 view

今日の戦果。

フォト


本日は毎月恒例の骨董市。

そんな処でも本を買ってしまう自分の
業に苦笑してしまうが、まぁ仕方ない。

七冊纏めて四千円也。

内訳は、

『ノモンハン千四百機撃墜記 ホロンバイルの荒鷲』 入江徳郎著 昭和16年1月発行
『應用戰術集 第四輯』陸軍偕行社刊 昭和17年6月発行
『ノモンハン歩兵肉彈戰記 バルシヤガ草原』 高島正雄著 昭和17年2月発行
『南方發展の知識』柴田賢一著 昭和17年6月発行
『Z旗振はず』千葉愛雄著 昭和21年2月発行
『将軍山下泰文』伊藤峻一郎 松澤卓郎著 昭和17年7月発行
『米國東亜侵寇』黒木勇吉著 昭和16年1月発行
『昭和13年 昭和年鑑』野ばら社 第一線社刊 昭和12年12月発行

以上。

面白かったのは『昭和年鑑』。
満州事変、2.26事件後で真珠湾前夜、と
云える時代。なので、戦争に向けて
イケイケどんどん、な時代。
年鑑なんだけど、殆どが開戦の予感に
浮きたっている。ヒトラーは「英雄政治家」
だし、第一次大戦はまだ第二次が
始まってないから、単なる「世界大戦」だし、
日本地図には樺太、朝鮮、台湾、南洋が
入っている。

そんな時代、だった訳だ。

中でも面白かったのは、編輯だより。
極めて興味深いので、引用する。

------------------------------------------

 大日本帝國にとつて、建國以来の一大時代として、
神聖なる國史の上に、燦然と輝く一頁を加へる時昭和十二、十三年!

私達の時代に、この歴史的一大時代を迎へることは、何といふ感激、
何たる光榮でございませう。
同時に、私達は大日本帝國の永遠に亘る将来に對して、
重大な責任を負はねばならぬのです。

かうした時代を思ふとき、昭和十三年版の年鑑をつくることは、
實に至難事でありました。
むしろ、つくることができないーというのが當然かも知れません。
現に最後の原稿として、この編輯だよりを書いているときでも、
情勢は刻々と變化しつつあります。

一日に、一ヶ月に、普通の何年何十年、或は何百年にも相當するやうな、
重大局面が轉迴し、進展して行くーといふのが、かうした時代に観る
世界の状態です。

昭和十二年の一月と、昭和十三年の一月とを比較して考えると、
その事實が、はつきりわかつてくるでせう。
しかも、もつと大きな、もつともつと重要な變化といふものは、
私達の目に、まだ映つていないところにあるのです。

この年鑑に對して、一番不満を感ずるのは編輯者自身です。
が、今の場合、最善を尽くしたといふことだけは、御諒解
願ひたう存じます。

発行の遅延から、皆様に大へん御迷惑をおかけしたことを、
深くお詫び申し上げます。そして、野ばら社に對する
一そうの御力添へをお願い申し上げます。
昭和十三年は、重大な年です。同胞一億、いま、皇國の
興廢を担って、悉く戦線に立つ時です。

------------------------------------------------------

以上。

この、「戦争が大々的に始まった事を書けない悔しさ、残念さ」が
ありありと伝わってくるこの感じが、当時昭和十三年、という
時代だったのだろう。

「全面戦争を待ち望む高揚感」がどれだけ多幸的で、
陶酔させていたか、の証左でもある。

これは、時代のひとつの顔だ。

それは、こうして様々な本に、未だに生き生きと刻まれている。

それを、追う事は、後の世を生きる者としての半ば義務でもあり、
それを愉しむ権利でも、ある。


1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する