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2015年11月15日22:50

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今週の科学ニュース-11月15日

 皆様、こんばんは。めっきり寒くなってきました。我が家では、(まだ本格的につけてはいませんが、)電気ストーブを昨日引っ張り出しました。もうすぐ冬です。

膵臓がんの検査キット開発=早期発見に期待(国立がん研究センター他)
 今年の初め、坂東三津五郎氏を死に至らしめた膵臓ガンですが、国立がん研究センターなどの研究チームの研究の結果、血液中のアポリポプロテインA2(apoA2)というタンパク質のアイソフォームの濃度が膵臓ガンの発生と関係があることを発見し、これを利用した検査キットの開発に成功したと発表しました。(アイソフォームとは、タンパク質の構造や機能が似通った分子の総称だそうです。)膵臓ガンは、見つけにくく、生存率も低いことで知られるガンの一つなので、早期発見に役立つ今回の検査キットは、膵臓ガンの早期発見に役立つものとして歓迎されるべきものと考えられます。
国立がん研究センターのプレスリリースはこちら
Scientific Reports誌の該当論文はこちら

血圧120未満で病死27%減、心不全など抑制(米国立心肺血液研究所)
 アメリカ国立心肺血液研究所は、最高血圧を「120未満」に下げることで、心不全などの病気の発症を大幅に抑えられるとする大規模調査(50歳以上の血圧の高い男女9400人に対する3年3ヶ月にわたる調査)の結果を発表した。日本では、おととしの日本高血圧学会で、(前期高齢者までの年齢の人で)降圧目標を140/90mmHgとするというガイドラインを発表していましたが、今回の米国立心肺血液研究所の発表は、「それでは生ぬるい」と言うことなようです。しかし、日本の専門家のコメントとして、「一方で、急性腎障害などの有害事象が増える側面も見受けられた。」とのことで、少なくとも日本でこの説が採用されるのはしばらくないものと思われます。
National Heart, Lung and Blood Instituteのプレスリリースはこちら

貼るだけで検温、シール状の体温計(東京大学他)
 このニュースに関しては、日本語の動画もあります。東京大学とテキサス大学ダラス校の共同研究チームは、極薄のシール型張れる体温計の開発に成功したと発表しました。精度も十分(0.02℃)で、早ければ三年以内に実用化できるとのことです。用途は、赤ちゃんのように、従来の体温計が使えない子供の検温や、患部のリアルタイムでの温度モニターに使えるとのことです。
東京大学のプレスリリースはこちら
米科学アカデミー紀要の該当論文のAbstractはこちら

視覚障害者も「見える」メガネ、治験へ…網膜に映像投影(東京大学他)
 W.ギブソンの「ヴァーチャル・ライト」には、脳神経に直接光の信号を送ることで、全盲の人にも視覚を与えるメガネが登場していますが、今回開発されたのは、一応、網膜と角膜などがある程度機能する視覚障害者向けの補助メガネで、網膜にレーザーで画像を投影することによって視覚を与えるタイプの補助道具です。発表によると、このメガネ(Retissa)を来年の販売に向けて(なぜか)ドイツの病院で臨床試験を行うことになったというものです。機構の関係上、当然、カラーでものを見ることは出来ないと思いますが、視力障害者には朗報と言えると思われます。
東京大学と(株)QDLaser社のプレスリリースはこちら
QDLaser社の該当HPはこちら。QDLaser社は、富士通と三井物産の出資で設立された会社だそうです。

ゴキブリのかむ力、体重の50倍(英ケンブリッジ大学)
 イギリスのケンブリッジ大学の研究チームは、圧力センサをゴキブリ(ワモンゴキブリだそうです。)に噛ませて、その力を測ったところ、ゴキブリ自身の体重の50倍にも及ぶ強い力で噛むことが出来ることがわかったとのことです。ゴキブリの頭部は小さいので、顎を動かす筋肉もそれほど無いと考えられていましたが、予想以上に効率よく筋肉を使っているようだとのことです。研究者達は、「研究成果が「生物にヒントを得た技術」を実現させる可能性がある」と言っているようですが、さて。
University of Cambridgeの該当HPはこちら
PLOS Oneの該当論文はこちら

縄文人は「胴長短足」=南方起源ではない?−渡来系弥生人と変わらず(国立科学博物館)
 国立科学博物館の研究チームは、北海道から九州の20の遺跡から発掘された縄文人の骨を調査して、従来言われてきた「縄文人は南方系の、手足が長い人種だった」という説に疑問を投げかけました。また、東京の江戸時代の遺跡から発掘された人骨を調べたところ、これまた胴長短足の度合いがさらに進んでいたと発表しました。もっとも、江戸時代(特に後期〜末期)は、日本人の平均身長の低い方のピークにあった時代といわれているので、この調査結果はそれを支持するものです。
国立科学博物館のプレスリリースはこちら
Anthropological Science (Japanese Series)誌の該当論文のAbstractはこちら

正体不明の天体「WT1190F」、地球に落下! 国際チームが観測に成功(NASA)
 先週のこの欄で、11月13日に正体不明(過去に人間が打ち上げた宇宙線の残骸と考えられる)の小型天体がスリランカ沖に落下するというニュースをお伝えしましたが、計算通りに落下したことがNASAなどの観測で確認されました。個人的には、あまりにもぴったりの時間と場所に落ちてきたので、ずいぶん計算力が上がったものだと驚いているところです。
NASAの該当HPはこちら

 では、今週はこの辺で。
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