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2015年11月02日15:00

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今の時間はごほうびだから

クッシングの症状が出てヨレヨレの身体で入院して、いろいろ検査して肺の腫瘍が見つかったのが今年3月。CTに移った白く丸いものを見ながら医師は「腫瘍ですね、今のところ悪性か良性か分かりませんが、ここが原因だと思うので切除しましょう」と説明してくれた。異所性クッシング症候群、ってヤツ!?肺に腫瘍って、どういうこと??予期せぬ告知に頭真っ白で、もう先生に何を聞いていいのかも分からなかった。ただ「悪性ってガンということですか?」と、聞いた記憶がある。医師は「悪性なら腺がんか小細胞がん、またはカルチノイドかもしれないけど」と答えてくれた。でも、病理検査に回すほど時間的猶予は無かったので、とにかく手術先行の病理は後ほど・・・ということで。
正直その説明、ピンとこなかった。肺がん、なのか?小細胞がんとしたら、今の私の年齢だと進行早いから、生きながらえるのは難しいんじゃないのか?でも良性かもしれないし・・・。手術日までいろんな思いが過る。当時クッシングの症状のせいで、精神的な不具合もあってあまり継続した思考ができず、深刻にもなりすぎずに済んだのだけれど、看護士さんから「ご自身の病気、受け止められました?」なんて慰められたりすると、今の私の病状はまさに深刻なのかと思ったり。今思うとここで人生のカウントダウンが始まったんだよね。
手術が済んで、成功ですよ、って言われて。でもまだこの時点では腫瘍の正体は分かっていない。手術直後、私がまだ麻酔で意識朦朧のときに、主人が取り出した腫瘍を見せてもらったらしく、この段階で確定はできないけれどもカルチノイドっぽい、と説明を受けたらしい。そして私もUCUから一般病棟に移ってから、主人や医師からそのことを聞いた。その時の心境ではがんもカルチノイドも、私には一緒やった。カウントダウンは続いている。
そもそもカルチノイドってなんやねんって話。実は数年前に亡くなった伯母が肺カルチノイドだったらしい。病状とか、どのくらいの期間患っていたのか、全く知らない。最期は介護付きの老人ホームの自室で、静かに亡くなっていたらしい。というわけで、ネットで病気のこと調べたりしたけど、悪性とも良性とも、どっちつかずの病気で、しかも珍しいゆえに情報自体がヒットしない。行き当たるのは経済ジャーナリストだった金子さんの記事ばかり。
不安ばかりが大きくなって針のむしろに座ってるような気分なんだけど、術後は目に見えてクッシングの症状は治まっていき、身体も楽になってくる。カウントダウンは止まらないけど、クッシングの症状から解放されるだけで、幸せな気分になった。それほどまでに身体が辛かった、とも言えるんだけど。

術後3週間後、やっと病理検査の結果が出る。
ACTH産生 定型肺カルチノイド
腫瘍径2cm以下 周囲リンパ転移有り 遠隔転移無し ステージ3a
低悪性度腫瘍 抗がん剤は効きにくい 10年以上経過観察が必要

ほんま、やっと、という感じ。ここで、カウントダウン、一旦ストップ。実感が無かったのだけれど、主治医の先生、クッシング病でお世話になった先生、クッシングを見つけて紹介状を書いてくれたかかりつけの先生、主人のかかりつけの呼吸器科の先生が口を揃えて「カルチノイドで良かった」と言うもんだから、なんか命拾いした感じ。
だから今のこの時間、ごほうびでいただいたもののような気がして、身体はまだあまり言うことを聞いてくれないけど、なんかしなくちゃと気が急いて仕方ない。すべての事がキラキラして見える、なんて〜のは言い過ぎだけれど、少なくとも健康のありがたみやら、ご飯を美味しく頂けることのありがたみやら、お世話になった方への感謝やら、いまこうしていられることへの感謝やら・・・。このこと、ずっと心に持ち続けていたい、と思う。

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