mixiユーザー(id:168768)

2015年10月25日19:51

88 view

呪いの館

【TRPG感想】
先日はTSさんがGMのクトゥルフ神話TRPG(注1)でした。

ニコニコ動画でリプレイ動画ブームを巻き起こし、今一番ホットかもしれないTRPGですが、実態はかなり古いシステムです。

今回、フィロスの知り合いに「リプレイ動画が好きだけど、実際にプレイしたことはなくて興味がある」Mさんを発見したので、TSさんに無茶言ってGMしてもらいました。

初めてとは思えないMさんのプレイングでした。

◆キャラクター紹介
■PC番号:1
名前(PL名):安藤吾助(アンドウ・ゴスケ)(フィロス)
性別/年齢/種族:男/55/人間
クラス:私立探偵
ゲーム的特徴:
GMからのお勧め技能をきっちりと上げつつ、[目星][信用][心理学][図書館]等、王道と言われるものを抑えて鉄板な作りにしてみました。
戦闘以外ではどこでも活躍できる感じに。

能力値決定では「3人分の能力値をふって、その中から好きな能力値を選ぶ」形式がGMから指示されたのですが、フィロスは1人目でかなり完璧に近い能力値が出たためそのままで。
唯一の欠点は初期正気度が他のPCに比べて低いこと(笑)。

キャラクター性も合わせて、the探索者(注2)という感じに仕上がったと思います。

ロール的特徴:
現役は退いたナイスミドルな私立探偵って感じに。
正気度が低いことから過去にもクトゥルフ神話絡みの事件に関わったことがある、なんて設定が後付けで生えたり。

みんなのまとめ役、困った時の指導役として立ちまわってみました。

その他:
元々クトゥルフ神話にPC番号はないのですが、TSさんがシナリオを進めやすくするために便宜的にふったとのことです。
フィロスもどうせやるならクトゥルフ神話っぽいキャラクターがやりたかったので、私立探偵はいい選択でした。

■PC番号:2
名前(PL名):木山春実(キヤマ・ハルミ)(M)
性別/年齢/種族:女/24/人間
クラス:メンタルセラピスト
ゲーム的特徴:
対人調査+精神分析+応急手当キャラクター。
初期耐久力が9という貧弱体質なのと、POWは高いはずなのにここぞという幸運チェックを失敗するのでドジっ子扱いになってました。
ほぼ100%成功していた応急手当は大体自分自身にやることに(苦笑)。

いやほんと生きて帰れてよかったねー。

ロール的特徴:
依頼人の少女の知り合いの「依頼をする側」としてシナリオに関わる立ち位置。
どうやって同行しようか考えてるときに「オカルト好きだから、調査に同行させてください!」とグッドアイデアな後付け設定。
こうやって物語とキャラクターを作っていくのがTRPGの面白いところだと思います。

その設定と高い正気度を生かして館調査では大活躍でした。

その他:
TRPG初挑戦のMさんです。
とはいえクトゥルフ神話のリプレイ動画をたくさん見ていたおかげか知識面は他のクトゥルフ神話初挑戦の面子より頼れました。
ロールプレイ面でも、フィロスの知り合いは結構猛者が多い中で、全く怯まずにどんどん発言していくのはすごいなーと。
ぜひこれからも一緒に遊んでいけると嬉しいですね。

■PC番号:3
名前(PL名):谷山快斗(タニヤマ・カイト)(ソウ)
性別/年齢/種族:男/18/人間
クラス:スポーツ選手
ゲーム的特徴:
職業としてスポーツ選手を選んだが、安藤探偵事務所のアルバイトということに。
吾助の代わりに肉体的技能を伸ばし、2人揃うと完璧な感じ。

能力値も平均的に高く申し分ない……はずだったのだが。
クライマックスでダイス目が腐ってあんな目に(笑)。
詳しくは粗筋で。

ロール的特徴:
たまに出てくるソウさんの三下キャラクター(笑)。
三下って言うかチンピラっていうか、ホラーだと1番最初に「一緒にいられるか」とか言ってフェードアウトしていくタイプのキャラ。
元々設定的に吾助と絡むことにしたが、正気度的にピンチな吾助を前に出そう前に出そうと楽しんでるPLの顔が見え隠れしてました(苦笑)。

その他:
相変わらずピーキーなソウさんです。
「自分の普通と他人の普通は違う」ということをもう少し認識できるとロールプレイとか説得演出の幅が広がるなーと前から思ってますが、今も思ってます(笑)。
これからも精進していってほしいです。

■PC番号:4
名前(PL名):深見望(フカミ・ノゾム)(kou)
性別/年齢/種族:男/38/人間
クラス:警察官
ゲーム的特徴:
[武道]と[キック]によって殺人キックをお見舞いする前衛キャラ。
あと警察官という立場と高い[言いくるめ]によって対人交渉もこなす。
ゲーム勘鋭いkouさんらしいキャラと言えるだろう。

当然ボスとの対峙では殺人キックが炸裂。
大活躍でした。

ロール的特徴:
吾助と一緒に過去に事件に関わったことがあるが、クトゥルフ神話のような怪現象は信じていない、というスタンス。
吾助に対するカウンター的立ち位置を狙っていたのだろうが、もうちょっと打ち合わせできるとよかったかなーと思わなくもない。
ゲームの根幹設定を否定するタイプのキャラクターはどこかで「やっぱり化け物は世の中にいる」みたいにスイッチするのが王道だと思うんだけど。
そのタイミングをうまく調整するか、すり合わせる能力がないとずっとそのままになってしまって、いたずらにセッションを長引かせることになってしまうのだよなー。

人の主義主張が変わる瞬間というのはとても魅力的で輝くシーンなので、今後もうまくできるように狙って行けたらいいなと思います。

その他:
いつもすごいことするkouさんでした。
今回もキャラクターの立ち位置としては面白かったのだけれど、ちょっとフィロスがその思惑を読み切れなかった感があって申し訳ないです。
フィロスはkouさんほど頭の回転が早くないので、やりたいロールプレイとかあったら相談してもらえると滑らなくていいと思うのです。

◆粗筋
クトゥルフ神話TRPGには昨今のゲームのように物語を分ける「フェイズ」や「シーン」というものはありません。
ただ、TSさんのシナリオでも分かりやすくするためにFEAR風に分けてあったようなので、感想もそれにならってざっくりフェイズ分けして書こうと思います。

■オープニング
穏やかな秋の日、安藤探偵事務所に2人の女性が訪れた。
依頼人は江藤秋葉。17歳の女子高生。

なんでも最近祖父が亡くなり、古めかしい館を相続したが、悪い噂があるらしく取り壊すかどうか判断もできない。
友人の木山さんに相談したところ、ちょっと不思議な事件も扱っている安藤探偵事務所を紹介されて一緒にやってきたというわけだ。

安藤事務所の吾助、アルバイトで助手の谷山君は調査を開始。
オカルト好きなので一緒に調査したいと申し出た木山さんも同行。
嫌な予感を感じた吾助は、以前似たような事件を扱った深見さんに連絡をとることに。

こうして4人の探索者の奇妙な調査は始まったのだった。

■ミドル
ミドルは大きく分けると2段階に分かれてました。
館についての情報を集める前半と館に乗り込んで内部を調べる後半。

前半はそこまで大きなことも起こらず、念のため2人ずつ別れて館周辺の噂の聞き込みや、館の建設届を役所に確認や、過去の事件について調べたりしてました。

余談だが、この組み合わせの采配は調査の主導権を持っている吾助=フィロスがやっていた。
Mさんが社交的な性格だとは思っていたが、いきなり複数人でのロールプレイの掛け合いは難しいと考えて、他の面子と順番に1対1になるようにセッティングしてみた。
ただまあ結果から言えばそんな心配は全く無用だったように思える(笑)。

前半の調査の結果分かったことは以下。

・昔々、土地の名士が余った金で作らせたお屋敷。
・それを「間門蔵賢(マモン・ゾウケン)」という人が買い取った。
・蔵賢は、買い取った屋敷の隣に大きな倉を立てた。
・その頃から「怪しい人が出入りする」「新興宗教の根城になっている」などと付近住民とトラブルを起こしていた。
・当時、付近で行方不明になる子供がいた。
・蔵賢の死後、しばらくして宗教とは関係ない人に館は渡ったが、その家では長男が自殺していた。
・何度か持ち主が変わり、依頼人江藤さんの祖父の前の持ち主も警察に「妙な物音がする」等相談していたが、しばらくして引っ越してしまった。
・そんなわけで「呪いの館」として噂が立ち、雑誌記者が特集記事を組もうとしていたが、雑誌記者は記事を書きあげる前に調査中に行方不明になった。

……うん、わかっちゃいたけど真っ黒な館ですね(笑)。

この辺りでPCたちは「絶対なんかいるよー」と言いつつも、依頼人のお願いで何がいるのかをはっきりさせないといけないので館に突入することに。

まずは怪しい倉に突撃。

うっかり床板踏み抜いて木山さんが地下室に落下。
低い耐久力にダメージを負った直後、手足のない白骨死体を見て正気度チェック。
そんなびびる場面がありつつも、なんとか大事には至らず。
白骨死体を見つけたことで4人はいよいよやばいんじゃないかと相談。

吾助「さっき見つけた日記を見ても、館の地下で蔵賢が眠っていることはほぼ間違いない」
吾助「これは我々でなんとかせねばならぬ」
吾助の中の人「ぶっちゃけ、警察行ってもシナリオ解決はしない。このまま調べるほうがいい」
深見「待ってくださいよ。これは明らかに死体遺棄ですよ。見つからなかった行方不明者かもしれない。警察に届け出るべきだ」
深見の中の人「このPCは、まだクトゥルフ神話とか信じてないんで、警察の手に負えないってわからないんですよ」
深見の中の人「それを説得するだけの材料がないと、警察に行く以外の選択肢はないですね」

この辺り、警察にどれだけ頼るかってのは色々と難しい問題をはらむので詳しくは解説で。
フィロスはこの時無理矢理説得しようか悩んだのですが……、TSさんの顔色を見てみたら、大丈夫そうな表情だったので、折れることに。

吾助「そういうことなら仕方ない。とりあえずこの白骨死体について警察に届け出て、それが落ちついてから館を調査しよう」

警察は倉にあった死体をとりあえず回収して適当に調査して撤収。
その手続きの中で数名の鑑識が不幸な事故で亡くなったりしたとGMから言われつつ、ほとぼりも冷めた1ヶ月ぐらい後に4人はまた館の前に。

警察も「こちらは無関係」と手をつけなかった館にいよいよ踏みこみます。
GMの書く地図に従い、端から調査をしていく一行。
耐久力は低いんですが、正気度が高い木山さんが好奇心を発揮して先頭に立ちます(注3)。
最初は「怪しいノートを開いたら子供を解体する図を見てしまう」ぐらいの軽い正気度チェックだったんですが……。

GM「部屋に入ると、突然扉が閉まりますね」
GM「隣の部屋から、バンバンと何か大きなものが倒れるような音がします」
GM「暗闇の中で、何かが足元を走っていきます」
GM「気配を追いかけても行き止まりですね。外からしか開閉できない鍵のついた扉です」
GM「突然、首筋に冷たい感覚がします。見上げると、空中から赤い液体が染み出してます」

などなど、などなど、どんどん激しくなる正気度チェックのオンパレード(笑)。
道中で殺された子供の怨念がこもった牛刀が襲ってきたりしましたが、谷山君のキックで粉砕したりしつつ、
順調に正気度を減らしながらも一同は地下の鍵のかかった部屋に来ます。
ここまででどうやら蔵賢が寿命を延ばすための研究をしていたらしいことがわかりました。
そして、そのためには子供の生き血とかそういうのが必要っぽいことも。

地下室の隠し扉の奥で、ついに蔵賢さんご本人と対面です!

■クライマックス
ミイラのようになりつつも、突然動いて「眠りを妨げるな。出ていけ」と襲ってくる蔵賢。
戦闘開始直前に「支配」の呪文を谷山君にかけてきて、谷山君が動けなくなります。

我々は深見さんと谷山君が戦闘の要なので戦力半減。
これは敵わないと、吾助と木山さんが心理学や精神分析で呪文を解くために説得。
さらに谷山君がPOW×5で抵抗すれば正気に戻れる仕組みらしかったです。
ただ、これがはまった(笑)。

ここまで好調だった谷山君の出目がここで腐り、結局解除まで3ラウンド消費するはめに。
呪文解除した直後にも、蔵賢のかぎ爪が谷山君にクリーンヒットして耐久力8割ぐらい持ってかれたり。
谷山君散々でした。

ただまあその間も深見さんの殺人キックは毎ラウンド決まっており、最後もきっちりと彼が決めてくれました。

■エンディング
館の悪い噂の元だった蔵賢は滅びました。
その後、怪現象が起きる様子もなく、館は無事に取り壊しができたとのことです。

探索者たちの正気度は木山さん以外赤字になりつつも、なんとか無事に全員生還しました。
あ、谷山君も二週間ぐらい生死の境を彷徨いましたが、復活できたそうです。無事です。無事。
めでたしめでたし。

◆反省と考察
ロール:3点
ゲーム:3点
ストーリー:3点
ボーナス:5点

普通に楽しかった。
楽しかったが普通だった。
ボーナスは、初参加のMさん、初プレイのクトゥルフ神話TRPG、そして無茶ぶりに笑顔で応じてくれたTSさんに+2点。

〇良かった点
・動画勢から初参戦のMさん。
・さすがのTSさんGM。

〇悪かった点
・やっぱり警察行くよね……。

では個別解説。

・動画勢から初参戦のMさん
まずは参加してくれたMさんに感謝を。ありがとうございます。
良かった点、繰り返したい点としては、やる気ある人を見つけたら即実プレイまでセッティングするってことかな。
突然GM依頼しても答えてくれたTSさん、声かけして集まってくれたソウさん、kouさんにもお礼を。

・さすがのTSさんGM
初GMを無茶ぶりしても応えてくれたし、サマリを手作りしたり、今回予告を作ったり、後述の警察問題の巧みな処理とか。
「さすがTSさん」とうなる場面が多かった。
TSさんのクトゥルフ神話TRPGの経験はPLを1回したことがあるだけだったとのこと。
「やっぱり流行ってるんで、一度やっておきたいと思ってたんですよ」とは本人の弁。
いつもありがとう。これからもよろしく。

・やっぱり警察行くよね……。
これは「あるあるネタ」だから、誰もが通る道なのかなあ(苦笑)。
クトゥルフ神話TRPGのPCは「怪奇現象に巻き込まれる一般人」と説明されることが多い。
だから粗筋にあるように白骨死体を発見したときなど警察を頼りたくなることもあるだろう。
それが一般人の「普通」だ。

しかし、フィロスはこれは違うと考えている。
クトゥルフ神話TRPGのPCはただの一般人ではない。
自分の手で謎を解こうとする意志と使命感を持っていることが必要だと考える。
でなければ、わざわざ面倒で危険な事件に関わるわけがない。
だからこそ、警察を利用することはあっても、諦めて頼ることはしないと思うのだ。

この辺はキャラメイク前のマインドセッティング的なところが重要なので、ルールブックに「探索者の心得」みたいなのをもっと強調してもいいんじゃないかなと思うが……。
ルールブックの実に7割ぐらいは世界観設定だし、過去に設定の下敷きとなる作品はたくさんあるので、そのあたりから探索者の心得は学べということなのだろうか。




というわけで今話題(注4)のクトゥルフ神話TRPGを遊んできました。
GMの指示に合わせてサイコロ振っていくだけで楽しめるので、PLやるのは非常に軽いシステムです。
戦闘オプションとかこだわりだすと細かいんですけど、まあそこは気にしなくても遊べるってことで。
ただ、逆にGMへの負担、というか負荷はそれなりにかかりそうな感じがしました。
そういう意味でやはり「古いTRPG」なんだなーという印象。
古いTRPGってなんでもできる反面、それを処理するGM側に負荷がかかるんですよね。

慣れてるのでFEARを例に出しますが、最近のTRPGでは上記のGM負荷を軽減するために、
今回予告、ハンドアウト(推奨クラス)、シーン制、登場判定とか、色んなルールができたんだなーと実感できます。

セッション全体は面白かったのですが、色々と思うところのあるセッションでした。
他の参加者の感想も聞いてみたいなーと思いつつ、今回は締めます。

0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年10月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031