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2015年09月16日16:40
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すれ違う日米
「日本のアメリカへの期待は一方的なものに終わり、その代償は計り知れないものになる可能性があるということ」
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北大大学院准教授 土田映子さん
「すれ違う日米」
わたしは国際関係や安全保障の専門家ではない。
しかし、長年アメリカと関わって過ごしてきたため、主に文化の面から日米の関係や両者の相違について考えることはある。
その視点でここ２年ほどの日本政府のアメリカに対する姿勢を見るにつけ、日本側の思惑はアメリカ側のそれと根本的にすれ違っているのではないかと感じずにはおれない。
安全保障にしろ、経済政策にしろ、日本はアメリカ側の要求に追い込まれてではなく、アメリカはこう望むはずだという過度な忖度(そんたく)によって選択をしているように見える。
それはアメリカにどこまでも寄りかかり、可能なら一体化してしまいたいという、一種の盲目的恋愛のような態度だ。
自分で考え判断することを重視するアメリカ文化から見れば、このような態度は自己がないことの表れとみなされる。
だが日本側は、権力関係の中の位置づけによって各人の行動が規定され、より強い者に同調・奉仕することで庇護(ひご)が期待できるという日本的人間関係を、アメリカとの関係にも期待しているようだ。
問題は、日本側の行動原理をアメリカ側が理解しておらず、先進国として自分たちと同様の思考過程によって政策を決定していると思っていた場合である。
日本は自立的にアメリカと同調する政策を選んでいるのだから、それがどんな結果を日本にもたらそうとも、アメリカが責任を負う筋合いはない、とアメリカは判断するだろう。
言い換えれば、日本のアメリカへの期待は一方的なものに終わり、その代償は計り知れないものになる可能性があるということである。
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