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2015年09月13日22:56

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今週の科学ニュース−9月13日

 皆様、こんばんは。今年の秋雨は梅雨よりも多くの雨が降り、あちこちで洪水被害などを起こしておりますが、皆様は大丈夫でしょうか。不幸にして被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。

英ストーンヘンジ近くに新遺跡、約90個の巨石列柱を地中に発見(英ブラッドフォード大学他)
 イギリスにストーンヘンジ遺跡群があることは有名ですが、いまだにいろいろ調査中で、Wikipediaによると、建造目的すら確定していないとのことです。その遺跡群のはじ(有名なストーンヘンジから約3kmのところ)にダーリントン・ウォールズという巨石遺跡があって、今回の発見は、その地下をセンサー(レーダー?)で調査したら、ダーリントン・ウォールズの下(地下)にもう一つの巨石遺跡があることがわかったとのことです。まだ発掘はされていないのですが、どうも無くなっている巨石がいくつかあるようで、それはストーンヘンジに流用されたのではないかとのことです。まあ、適当な巨石がそうそう手に入るものでもないでしょうからねぇ。
University of Bradfordのプレスリリースはこちら

星生成減少期の銀河発見 愛媛大研究グループが世界初
 愛媛大学の研究グループは、すばる望遠鏡で六分儀座の方向の銀河間空間のデータを集めて解析した結果、我々の銀河系のように恒星が次々と生まれている若い銀河と、恒星が生成されなくなっている古い銀河の中間に当たる、「恒星の生成速度が減少している」銀河を世界で初めて確認したと発表しました。それによると、はっきりと水素ガス(恒星を構成する主成分のガス)に起因する光が強く出ているのに、小さな古い星ばかりが存在している銀河があったとのことで、それが恒星の生成速度が減少している銀河に相当するとのことです。曰く、水素ガスは、該当する銀河(マエストロ銀河と呼んでいるようです)の周りに存在していることが確認できており、これは、銀河内に恒星が出来るほどの高い密度の水素ガスがないことを示しているそうです。恒星が生成されなくなっている古い銀河では、そもそも水素ガスが該当する銀河内に存在しないので、マエストロ銀河は、若い銀河と古い銀河の中間的存在と見なせるとのことです。なお、研究者達は、マエストロ銀河の周りには水素ガスがあるが、その内側に水素ガスが少ないのは、超新星爆発が頻発してその爆風で吹き飛ばされたからと考えているようです。
愛媛大学宇宙進化研究センターのプレスリリースはこちら
The Astrophysical Journal Letters誌の該当論文のAbstractはこちら

3万年前の新種巨大ウイルス蘇生へ、シベリア永久凍土で発見(仏国立科学研究センター)
 フランス国立科学研究センターの研究チームは、すでに2013年にシベリアの融けてきた永久凍土の中から巨大ウィルス(0.5μm以上の大きさを持つウィルス)の蘇生に成功していますが、今回、同じ場所で採取されたサンプルの中から別の巨大ウィルスを見つけたと発表しました。これらの巨大ウィルスは、アカントアメーバに感染させて増やすとのことです。しかし、研究チームは、これらの古代ウィルスが感染先の宿主が存在すれば容易に蘇生できることから、昨今の温暖化で永久凍土が融けて、人類に有害なウィルス(具体的に天然痘ウィルスの名前を挙げています)が復活しないか心配だ、と言う警告の方を強調しています。
National Centre for Scientific Researchのプレスリリースはこちら
米科学アカデミー紀要の該当論文のAbstractはこちら

卵巣がん新薬、患者1割の腫瘍消失(京都大学)
 京都大学医学研究科の研究チームは、小野薬品工業が皮膚ガン向けに開発したガン治療薬(ニボルマブ)を、卵巣ガン患者に投与したところ、20人の治験患者の内、2人で完全に、1人で部分的に卵巣ガン腫瘍が消失したと発表しました。但し、他に6人で腫瘍の抑制効果が認められたが、半数の10人については効果が認められなかったとも発表しています。しかし、安全性は確認されたので、ニボルマブのがん細胞のがん免疫逃避機構の抑制効果が、卵巣ガンにも有効として今後の治療法の確立に役立てたいとしています。
京都大学のプレスリリースはこちら
Journal of Clinical Oncology誌のAbstractはこちら

宇宙からロボットを「触覚」で操作(欧州宇宙機構ESA)
 ESAは、国際宇宙ステーションから宇宙飛行士が、地上にあるロボットを操作して、視覚に頼らず触覚だけでピンを決められた穴に差し込むという実験に成功したと発表しました。記事によると、宇宙ステーションにいる操作者は、ジョイスティックを用いて、対象が見えない状況で作業をしますが、ピンの位置が正確でなく、穴以外の場所に接触した際には、その「感覚」をジョイスティックから感じ取ることができる様になっているとのことです。この技術を利用することにより、宇宙船の着陸予定地点に先行して機材を送り込み、宇宙船が到着する前に必要な施設を飛んでいる宇宙船から操作して組み立てることが出来るように出来るとのことです。ヨーロッパの宇宙開発者達はいろいろなことを考えているようです。
ESA(欧州宇宙機構)Telerobotics & Haptics Labの該当HPはこちら
Delft University of Technologyのプレスリリースはこちら

<記憶消去>マウスの学習成果消すことに成功 記憶の場特定(東京大学他)
 確か、映画「メン・イン・ブラック」だったと思うのですが、人の記憶を消すアイテムが出てきましたが、今回の発見は、このようなアイテムの開発につながるものかもしれません。東京大学と科学技術振興機構らの研究チームは、青い光を当てると樹状突起スパイン(学習・記憶とともに増大する、脳細胞間の情報伝達を司る部分)が縮小する遺伝子を組み込んで、運動学習をさせたマウスについて、その脳に青い光を照射したところ、マウスが学習内容を忘れたことが確認されたと発表しました。まだニューラライザーの完成までには間がありそうですが(何しろ、まだマウスでしか効果が確認されていませんから)、完成の暁には、認知症の発症メカニズム解明や、PTSDの消去などに役立つものと考えられるとのことです。
科学技術振興機構のプレスリリースはこちら
Nature誌の該当論文のAbstractはこちら

小顔のヒト属新種ホモ・ナレディを発見(南ア・ウィットウォーターズランド大学)
 南アフリカのウィットウォーターズランド大学の研究チームは、ヨハネスブルグ郊外の洞窟で、複数個体の古代人類(ホモ・ナレディと名付けられました)の骨を見つけたと発表しました。この古代人類の骨格は、アウストラロピテクスとホモ・エレクトス(昔はピテカントロプスと呼ばれていました。)の間くらいですが、脚の骨は驚くほど現生人類に近く、研究者達に言わせると腰を境にして、上がアウストラロピテクス、下が現生人類といった感じだそうです。頭蓋骨から推定されるところでは、ホモ・ナレディは小顔で、脳の容積も現生人類の半分ほどとのことで、この特徴からも、ホモ・ナレディはすらっとした猿人というイメージになるようです。なお、ナショジオの記事ははっきりと記述していませんが、なぜ洞窟の奥から大量のホモ・ナレディの骨が見つかったのかについては、"intentional body disposal”(「故意の遺体処理」…墓場のことか?)と見なしていると記述しています。
University of Witwatersrandのプレスリリースはこちら
eLife誌の該当論文はこちら

 では、今週はこの辺で。
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