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2015年09月12日11:18

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近い未来、年老いた私もきっと...(そう思うのだろう)

【近い未来、年老いた私もきっと...(そう思うのだろう)】

土曜日の早朝、私はベッドの中でまどろんでいた。

突然家の電話の音が鳴り響き、私の意識を半ば強制的に夢から現実へと覚醒させた。
電話は母からだった。

「今日お昼ご馳走するから、子供連れてご飯食べに来て!」

「でも、今日はもう息子にお昼はマクドナルドを買ってあげるって約束してしまったから...」
しかし、私がそう答えても母は諦めなかった。

「こっちまで車なら十分位でつくんだからいいじゃない。」

どうやら、滅多に都合のつかない長男と次男が、今日は珍しく二人とも都合がついたらしく、久しぶりに皆で食卓を囲むのをとても楽しみにしているらしい。そう言う母は嬉しそうだった。

それでも、ハンバーガーが大好きな息子は、今日の昼御飯を楽しみにしていたしなと、心の中で思う。

「息子に良いかどうか聞いてくるから、少し時間をくれないかな?」
私の息子が嫌だとは言わないと思っているのか、母は勿論良いわよ!と言った。

電話を一度切り、息子を起こす。
お婆ちゃん家にご飯を食べに行かないかと聞いてみれば、

「嫌だよ。マック食べるって言ってたじゃない!」と、即答されてしまった。

「お婆ちゃんは只、久しぶりに貴方達(孫)の顔がみたいだけなのよ。」

「久しぶりにって、先週もう顔見せに行ったじゃない...。」

それは私もそう思うけれど...。
「...例えばお母さんが年をとってお婆ちゃんになったら、お母さんもきっとあなたに電話すると思うわ。それで、ケーキ焼いたから子供達を連れて遊びに来てって言うわよ。でも、息子にそんな事言われたらきっと悲しいと思うの。」

それを聞いて四歳の息子はすぐに、
「言わないよ、僕はそんな事言わない。お母さんに悲しんでほしくないもの。」と言った。

その後話し合った結果、朝食は昨日言ったとおりにして、夜お婆ちゃん家(実家)に行く事にした。

それを聞いた母は私や息子(孫)に会えるという事に大層喜び、
「じゃあ、張り切って準備するわね!」と嬉しそうに言って電話を切った。
その後、午後のパートを終えた私が息子を連れて実家を訪れると、父も母も私と息子をとても嬉しそうに出迎えてくれた。

皆で食卓を囲み、ご飯を食べ始めると、大人も子供も関係なく談笑し始め、母にいたっては、毎日五十肩に悩まされているという話を息子にしていた。

病院のかと聞けば、いったけど意味無かったのよ〜と言う母に、あぁ本当に悩んでいるのではなく、孫の気をひきたいんだけなんだと悟った。

厨房に入ると、母が昔から愛用していた鍋等を見つけた。
鍋底に油の後等が残っていたりしているのを見て、綺麗に洗えていないのは、洗い落とすのに必要な擦る力が衰えてきているのだろうと察した。

昔私を片手で軽々と抱き上げ、もう一方の手で器用に料理していた母の両手。
もう大して力の入らないそれらを一生懸命動かし、私達に美味しい手料理を作ってくれたのだろう。

これからは、時間を見つけては母に会いに、そして母の手伝いをしに来よう。

そうして願わくば遠くも近い未来、年をとった私の所へ、成長した息子が今の私と同じように考えて私のところに訪れ、私の為にと何か手伝ってくれたなら。それはきっと、とても嬉しい事だろうから。

私が良く手伝いをしに来る様になったら、きっと母も嬉しいと、そう思ってくれるだろう。

子供だけを気に掛けていてはいけない。
子供を気に掛けるのと同時に、お爺ちゃんお婆ちゃん(父や母)を気に掛けるのはとても大事な事。

――皆いつかは年老いて、同じ様にお爺ちゃんお婆ちゃんになるのだから。
(學習電子報より)
(画像:YAHOOより)
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