mixiユーザー(id:7522789)

2015年06月30日02:05

742 view

この件は金をジャブジャブ五輪に突っ込んだ独仏の方が責任が重い

この件に関して、借金返さないのは人間のクズとか、先進国はどこも借金まみれで日本もすぐこうなると書いている人が散見されるが、国債とは単純な借金ではないので、額が多かったら悪ということではない。

国債発行高は、その国で流通している通貨総量とほぼイコールなので、国債発行高が多い国は、景気が良くて金回りが良い国でもある。

通貨は物々交換するよりも遥かに便利なシステムだが、その通貨って本当に価値があるの? 権力者が好き勝手に発行したもので明日には暴落しちゃうんじゃないの? 本当に信用して良いんだよね? というところを保証するのが難しい。



昔は貴金属を通貨にすることで価値の保証としていたが、それだと通貨の総量を増やすのが難しいので、経済規模が大きくなってくると不都合になった。

景気が良くなって生産物が増えたのに、その生産物の価値を評価する通貨の量が足りないと、好景気なのにも関わらず、物に対して通貨が足りないから、昨日作った物と今日作ったものとで、全く同じ品質の物なのに、なぜか今日作った分が大幅に値下がりしているという困った現象が起きてしまう。

なので景気が上昇して生産物が増えているならば、それに合わせて通貨総量も増やしていかないといけない。

貴金属ベースの通貨だと総量を増やすのが難しいので、紙幣が出てくるわけだが、国家元首が好きなように刷って、財の裏付けもないのに通貨総量を増やすと、通貨価値が暴落して物の値段がバカみたいに値上がりし、昨日は100円で買えたお握りが、今日は200円になっていましたなんてことになる。

そうなってしまうと困るので、通貨価値の裏付けとして国が債権を発行し、お金持ち(多くの場合は銀行)がそれを買うことになるので、通貨総量と国債発行高は二アリーイコールになる。



国債を買うと言っても買い切りではなく、通貨価値を保証する財を国に預けた(貸した)形になるので、10年とか20年の償還期限を迎えると、国が国債を買い戻すことになる。

その際に、発行した時の額面そのままではなく、利子で色をつけることになる。

国家の体制の信用度が高くて、この国家なら途中で大損こいたりしらばっくれたりしないだろうと信用がある国家の場合は、低い金利で国債発行できるが、お前のとこは放漫財政でロクなもんじゃないから信用出来んという国家の場合は、高い金利をつけないと国債の買い手がつかないので、国債の金利が高くなる。

アメリカ国債は10年物で金利2%ちょっとぐらいだが、日本国債は0.5%を切っている。

ドイツ国債は0.8%ぐらい。フランスは1.2%程度、ギリシャ10年物は驚きの15%。

中国は3.6%、韓国は2.5%ぐらい。

日本国債の金利がいかに低金利で、日本の通貨保証は鉄板なことが分かる。

明日には日本も国債破綻でアボーンするというデマがいかに無根拠かということ。
アボーンしそうなのは中国と韓国で、日本ではない。



ではなぜギリシャが無謀な国債をバンバン発行したのかというと、それはアテネ五輪景気が原因。

五輪景気で、海外からギリシャへの投資が増えると、ギリシャの通貨規模を拡大するためにギリシャ国債を大量発行することになる。

ギリシャはユーロを使ってるから、ギリシャ国債でギリシャの通貨を拡大する必要はないんじゃないの? という疑問が湧いてくるが、国家を跨ぐ決済はキャッシュで行っているわけではなく、他国はその国の信用枠を買って、ツケのような形で決済している。

詳しく書くと長くなるので省くが、アテネや北京の五輪の景気をあてこんで外国企業が投資するには、ギリシャや中国の国債を持つ必要があり、また自国の国債をギリシャや中国にも持ってもらう必要がある。

ギリシャがどれだけ米国債やドイツ国債を持っているのか、ちょっと調べが追いついていないが、近年、中国が最大の米国債ホルダーになっているのは、米中間の決済が北京五輪景気ですごく増えたので、米中はお互いの国債を大量に持ち合っているということ。

アテネ五輪には、独仏が大量に投資したので、ドイツやフランスがギリシャ国債を大量に保有しており、そのギリシャ国債が焦げ付いてデフォルトして紙屑になるから、ドイツとフランスが火の車になっている。



そこで、借りた金を返せないギリシャが一方的に悪いのかというとそうでもなく、ドイツもフランスも、五輪景気に乗りたくて、それにはギリシャの信用枠を拡大しないと金が回らないから、独仏がジャブジャブに突っ込んだ。

つまり独仏もギリシャ国債を実力以上にバカみたいに拡大させた共犯者になるので、ギリシャのみの自己責任というわけではない。貸した方にもかなりの責任がある。

しかし、なぜか日本のマスコミはドイツの悪いところは一切書かないので、ドイツは無謬の国際的優等生であるかのような扱いになっている。



なで日本のマスコミはそんなにドイツ贔屓なのかというと、理由は大きく二つある。

ひとつはドイツが積極的な脱原発政策推進国家で、太陽光や風力の発電を大々的にやっているから。

もうひとつは、近年のドイツと中国が大変密接で、ドイツは中国にもたくさん金を貸していて、ドイツの太陽光発電に使っているパネルはほとんど中国製で、独中は切っても切れない縁なので、AIIB立ち上げにもドイツは積極的に協力している。

ドイツがAIIBに協力的なのは、中国に貸した金が焦げ付いては困るし、ギリシャの債権を中国に付け替えることが出来れば、取りあえずの目先の危機は乗り越えられるから。

アテネ五輪には独仏が大きく突っ込んでいるので、ギリシャ国債破綻は独仏に大きくダメージが行くが、日米はそれほどではない。

が、北京五輪投資となると日米も大きく突っ込んでいるので、ギリシャの借金を取りあえず中国に付け替えて、AIIBに日米も巻き込んでしまえば、ドイツやフランスのリスクは分散できることになる。

しかしそんなことは財政のプロには見え見えなので、日米ともにAIIBへの参加は当面見送りとしている。



ぶっちゃけ言うと、メルケル政権と習政権は一蓮托生なので、中国に対してとことん頭が上がらない日本メディアとしては、メルケル政権の不都合な事実は一切書けないということになる。

なのでギリシャ国債デフォルト問題の本当の原因って何なの? これからどうなるの? ということに関するリアルな情報は、普通に日本のメディアを見ていてもほとんど本当のことは分からない。



実際のドイツは、自然エネルギー発電政策の失敗で国内産業の競争力が落ちていて、産業界でのメルケル政権の評判は非常に悪い。

ドイツに流入している移民は、多い順からトルコ、イタリア、ポーランド、ギリシャとなっているが、このうちトルコ系はムスリムなので衝突が多く、ドイツでは右翼(ネオナチ)がムスリム攻撃を行っていて、ムスリム側も報復している。

ギリシャが財政破綻すれば、ギリシャ系移民が貧困化し、ギリシャ破綻の原因を作ったドイツに対して不満を持つので、ドイツ国内でのギリシャ系移民との対立が激化する。

フランスでのテロや過激なストライキの記事はしばしば入ってくるが、ドイツでのそれはさっぱり記事になっていない。

しかしドイツもフランスに負けないぐらい緊張が高まってきている。



このように、ギリシャが財政破綻するとドイツに大きなダメージとなり、ドイツにダメージが行くと中国もかなり怪しくなる。

中国が破綻した場合は、日米にもかなりの影響がある。

借金返さないギリシャはろくでなしだから、自己責任で潰せば良いなんて短絡的な話では済まないのがギリシャ国債問題。

今年の春先にこれまで日本と疎遠だったメルケルがわざわざ来日して安倍首相と会談したのは、ほぼ間違いなく金の普請に来ている。

しかし日本のマスコミはドイツの窮状をまったく報じていないので、ネット住民は、右傾化する安倍を、戦争責任の取り方の模範のドイツのメルケルがたしなめにきたと言って、安倍は愚かで格下としていた。

日本とドイツの間に緊密な信頼関係があれば、ジャパンマネーでドイツを救済する道もあったかも知れないが、日独間には中国が挟まってしまっているので、円滑な関係にはならないし、情報も偏向されてしまっている。

メルケルが政権にある限り、日独間は大した協力は出来ないだろう。

ここで、じゃあ安倍をクビにしろよと言うのはもちろんお門違い。



ギリシャ、国内銀行の休業と資本規制導入を発表
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=3489862
7 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年06月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930