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2015年06月25日22:09

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死刑と私的復讐

※存置派としての意見の日記です。

東京裁判でも弁護席に立った刑法学者、瀧川政次郎(1897-1992)は死刑廃止論者だったが以下の発言を常にされていた。
「私的復讐が横行する可能性を排除した上でなければ死刑は廃止できない」
「死刑廃止といえば進歩的文化人とする風潮で、存置を唱える人の勇気を尊重する」
なお、瀧川先生が死刑廃止を唱えた理由は「拷問などによる冤罪がなくならないこと」だった。(同じ理由で恩赦の存続も唱えている。/こちらは1951年を最後に停止中)

ここで、日弁連の村越会長は法曹界に身をおく者として酷い勘違いを幾つもやらかしている。
1.本事件には冤罪の可能性はない。
 …「袴田事件」と同列に語ることは全く無意味。
  また、冤罪の可能性を理由に特定の刑を廃止すれば、懲役刑・禁錮刑の廃止も
  理屈の上ではなりたってしまう。
2.被告人本人が控訴を取り下げた。
 …弁護士をつけるのは「義務」でなく「権利」である。
  被告がその気になればいつでも解任され得る立場にある弁護士が、控訴取り下げを
  無効とするのは明らかに越権行為である。
3.死刑存置国・廃止国・停止国について
 …国数でカウントするのが弁護士の常套手段だが、
  人口でいけば存置国で億越えの人口を抱える「大国」には
  中国・インド・アメリカ・インドネシア・パキスタン・バングラデシュ・日本
  が該当し、合計すると約35億人となり世界人口の約半分をしめる。
  さらに、トルコ等を一部を除くイスラム圏の多くの国は死刑廃止はクルアーン
  に違反する行為と解釈しており、廃止の動きは全くない。
4.私的復讐について(1)
  死刑廃止国の裏社会では既に重要なビジネスとして成り立っている。
  (特にイタリア・メキシコ・ロシア)
  また、本「闇サイト」事件はまさに私的復讐が容易に行えることを立証した
  重要な事件例である。
5.私的復讐について(2)
  現代は核家族化が進行しているが、私的復讐はまさに「ロミオとジュリエット」
  での一家・一族同士の復讐行為にも発展する。知らないうちに祖父の敵を孫に
  討たれるということが有り得るのだ。
  これが「ベンデッタ」と呼ばれる集団・私的復讐行為であり、それを国家権力
  が回収することにより治安・人心の安定化が図られたがイタリア、スコットランド
  (UK成立以前)では失敗、近代化が遅れることになった。
6.国家による殺人
  死刑廃止国の多くが宗教・民族問題を抱えており、それへの解決手段として
  「軍による鎮圧」が常套的に行われている。例えば、トルコは2002年の
  死刑廃止以降クルドへの攻勢を強め、犠牲者数は増加している。理由は、
  「刑務所に入れるといずれ出てきてしまうから」。
  イスラエルも条件付停止国だが、パレスチナ・ガザに対しては全く容赦ない。
  廃止国のロシアに至ってはチェチェン問題で人質まで容赦なく射殺している。
  なお、日本における「軍隊」こと自衛隊は国民に対して銃口を向ける指令
  を受けたことはない。
7.意図的な犯行
  イギリスは1973年までに死刑をほぼ全面的に廃止したが、それを受けて
  IRA暫定派はテロの一層の激化を決定。1979年には王族マウントバッテン卿の
  爆殺にいたる。一方、収監者たちは刑務所での待遇改善を訴えハンガーストライキ
  を敢行。これを誇大に報道したマスコミにより早期釈放が相次ぎ、再犯を
  促すことになった。
  日本でも未成年殺人犯が「どうせ死刑にならない」と放言したのは有名な話。
8.終身刑による代替の無意味
  「終身刑があれば死刑を廃止してもよい」が37.7%(半数割れなのはキニシナイ!)
  ということを根拠に死刑停止を訴えるが、終身刑導入国の殆どでは同刑について
  も「仮釈放」制度があること(無期懲役と実質同じである)を事前に説明しての
  アンケートとは思えない。これに停止中の「恩赦」が重なってしまったら、
  何のための死刑廃止だか分からなくなってしまう。

弁護士というのは一方的に喋ることが仕事であり、刑事裁判を傍聴するとわかるが、
検察の主張には「ボロを出さないか」の一点にしか集中していない。
今回のような事実の誤認の余地がない事件になると「世界情勢はーー」と脈絡もなく言い出す始末であるが、それは日弁連が原告となって死刑廃止訴訟を起こすべき事案である。
(なお、終戦直後に上記訴訟が起こされたが、1948年上告棄却となっている)
小生の出身校には法学部もあり、毎年学園祭で「死刑存廃」討論会が行われているのだが、10年ほど前に参加してだいたい上記の「8つ」に相当する質問を投げかけたところ、反対派の教授は「急用」を理由に退席、翌年からは学部生・院生以外の参加が不可になってしまった。(当然ただのOBで勤め人の小生は参加できない)
何ででしょう?

■「闇サイト殺人事件」死刑執行 「再審請求準備中で極めて遺憾」日弁連会長が抗議声明
(弁護士ドットコム - 06月25日 17:42)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=3485001
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