【回答】
現代の球技「ビリヤード」のルーツとなった,中国東北部に伝わる古代武術.
「微理耶阿土」とも表記される.
同地にあった「遼」の国の王族の出身であり,モンゴル帝国のチンギス・ハーンに仕えた官吏である耶律楚材
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%B6%E5%BE%8B%E6%A5%9A%E6%9D%90
によって考案されたと伝えられている.
チンギス・ハーンが中央アジアに遠征したとき,モンゴル軍は山岳地帯において,険しい崖の陰から弓を射かけてはすぐに逃げるという,ホラズム・シャー朝の君主アラーウッディーン・ムハンマドの王子,ジャラールッディーン・メングベルディーのゲリラ攻撃に悩まされた.
そのとき耶律楚材は,物陰に潜む敵を攻撃するために,兵士に二つの「てつはう」(焙烙玉)を同時に投げさせ,弓の名人に,一つの「てつはう」を射させて,空中で二つの「てつはう」を衝突させ,作用・反作用の物理法則により,もう片方の「てつはう」が物陰に飛び込ませるようにしむけた.
さしもの勇敢なジャラールッディーン王子も,ゲリラ攻撃を封じられたことにより,敗退を余儀なくされた.
この後,この「てつはう」戦術は,元朝によって洗練され,武術として伝承された.
そして,誰が言うということもなく,
「物理法則をちょっぴり応用した,耶律楚材閣下の土玉ちゃん」
という意味のある「微理耶阿土」という名前がついたという.
現代においても,「ビリビリに破る」という言葉は,元は
「微理耶阿土による攻撃によって,敵兵の鎧を破砕する」
ということを表現したさまを語源とする.
【参考ページ】
大河内民明丸著『世界の怪拳・奇拳』(民明書房,1926)
http://matome.naver.jp/odai/2136231490106826801
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