【質問】
宿泊船「ポツダム」について教えてください．
【回答】
ポツダムは、 NDL（ノルドドイッチャー・ロイド）の極東サービス向けの高速貨客船3隻のうちの 3隻目．
本来はハンブルク〜アメリカ航路向けにハンブルクのブローム＆フォス社にて建造されたもので、他のNDL2隻の姉妹船ではない．
1934年起工し，1935年1月16日進水．
1935年6月27日に竣工しました．
推進機関には缶にベンソン缶2基（蒸気性状87.37atu（90kg/c�屐�470℃）、機関にジーメンス・シュッケルトタービン2基、ドレーストローム発電機2基のターボ電気推進方式（10,000VA/6,000V）を取っており、出力26,000hpで速力21ノットを発揮した。
外見ではその時代の船、特に客船としては先が鋭く尖っていてサイドのラインが内側に大きく入り込む，軍艦のようなフォルムだった．
喫水線下ではWulstbug（球状船首＝バルバス・バウ）を採用．
これには造波抵抗を減らす働きがあり、高速化、省燃費に効果が期待された．
しかし建造には余分に費用がかかり，内部の空間、船内のスペースを犠牲にする欠点もあった．
旅客定員は1等が134名、2等が138名，3等客室は無かった．
1等はバス付（シングルルームの場合は2室で1つのバスルームを共有）、2等にはバスルームは付いていないが，こちらも個室だった．
しかしドイツ海運業界の再編に伴い、完成前にNDLに売却．
1935.7.5，極東への処女航海．
第2次世界大戦勃発後、グナイゼナウ、ポツダムは1940年6月より輸送船として海軍に徴用．
1942年5月，補助空母「ヤーデ」「エルベ」（仮称．正式名称不明）として改装決定．
改装工事の担当は、ヤーデがヴィルヘルムスハーフェン海軍工廠、エルベがホヴァルツヴェルケ造船所（ハンブルク）だった．
空母に改造された場合の要目；
排水量: 基準17,527トン，満載23,500 トン
寸法: 620 x 74 x 16.7 フィート/189 x 22.6 x 5.10 メートル
最大寸法: 666 x 88.5 x 29 フィート/203 x 27 x 8.85 メートル
推進力:電気蒸気タービン、ボイラー 4 基、シャフト 2 基、26,000 shp、21ノット数
乗組員: 900
装甲:なし
兵装: 4.1 インチ対空砲 6 基、3.7 mm 対空砲 5 基、20 mm 対空砲 24 〜 32
航空機: 24
空母に改造された状態の想像CG
https://t.co/efXrOwllFA
（画像整理番号 faq240205pt5)
https://t.co/efXrOwllFA
1942年6月時点の空母改装案では，右舷に張り出して艦橋構造物とマスト、直立煙突を設け、高角砲と高射装置を設置した、島型空母として設計．
格納庫、飛行甲板は左舷寄りに設置される予定だった．
バルジは水線部分のみに設置．
しかし1942年12月の空母改装案では，基本配置は変わらないものの，バルジを船体上端まで拡大し、船体自体の幅増しを行うこととなっていた．
1枚目：貨客船ポツダム側面図
2枚目：補助空母エルベ設計�供�1942年6月
3枚目：補助空母エルベ設計��b 1942年12月
https://t.co/RLeTlnaTLH
（画像整理番号 faq240205pt6〜8)
https://t.co/PDqVUTXSGV
だが，minimal stripping [適訳不明]が行われたのみで、1943.2.2に工事中止．
宿泊船に改造された．
1945年には，東部戦線からの撤退作戦に使用．
1945.6.20に賠償船として英国に引き渡された後，P&Oの管理下でエンパイア・ジュエル Empire Jewel ，のちにはエンパイア・フォーウィ Empire Fowey という名で運航された．
だが高圧ボイラーに問題があり，すぐに運航停止．
1947年，新しいボイラーとタービンを搭載して再就航した．
1960年，カラチのPan-Islamic SS 社に売却され，サフィナ・エ・フジャージ Safina-E-Hujjaj という名で巡礼者を運ぶ客船に．
1976年6月，パキスタンで解体された．
1枚目：カラー絵葉書
2枚目：側面写真
3〜4枚目：エンパイア・フォーリー時代の写真
https://t.co/qAtX7qsBYF
（画像整理番号faq240205pt1〜4）
https://t.co/XMk5EfzEoz
【参照】
https://togetter.com/li/2308464
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