閉めても空いている鞄

　今日、仕事場に向かう電車の中だった。
　ショルダーバックを抱えて座っていたオイラは鞄の異変に気が付いた。
　なんと、鞄のチャックの下の部分が切り裂けているのであった。
　その大きさは鞄のチャックを開いた状態と変わらないもので、もうチャックを閉めていても意味がないと言ってもいいくらいであった。
　買って三か月も経っていないと思う。それなのに、切れ目ができるなんて、ショックであった。

　でも、よくよく考えれば、新しいバックは前に使っていたのもより小さいサイズで、それで前のバックに入れていたくらいの量のものをいれていたので、それに耐えられなく裂けてしまったのかもしれない。
　それを考えると自分の責任であると気づき、反省をするのであった。

　そんなひどい状態である。そして、そのような状態で抱えて出かけていたのでは恥ずかしいことである。
　だから、新しい鞄を買うことに決めた。

　それで安い値段ですまそうと思ったので、梅ヶ丘にある千円で売っている鞄屋に出かけるのであった。
　ところがである！
　その店でいつも置かれている鞄が載ったワゴンがないのである。
　どこにあるんだと、オイラは探し始めた。
　すると、店の中にショルダーバックが積まれているワゴンを発見するのであった。
　そのワゴンを見たら、なんと値段が千円をこえていたのであった。
　店の人に千円で売ることはないのかと尋ねるのは恥ずかしいのと、他に安い店が思い浮かべられなかったので、その店で買うことにした。

　少々、高くついたが、明日からは新しい鞄を背負ってがんばって行こうと決めるのであった。