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2015年05月24日10:10

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シルバー川柳 2 (懸賞入賞作品)




http://homepage2.nifty.com/silvernet/senryu/

シルバー川柳 最優秀賞

冗談に 値切って無駄を 買わされる   酒井与作(69)

【評】誰しもがこんな日常経験を持っているかもしれない。適切な「てにをは」の使い方が句をキチンと生かしている。

物忘れ するが晩酌 忘れない      佐藤庄助

【評】一読句意明快。ずばり核心を剔出(てきしゅつ)して揺るぎがない。作者名も酒好きにピッタリだなんて。

紫陽花に 電動ベッド 上下する     糸井綾子(76)

【評】梅雨の晴れ間のひととき、退屈な病窓から七変化の揺れが慰めを運んでくれる。電動ベッドを操作する、か細い指。心理を巧みに捉えた現代川柳。

寅さんの 顔が出そうな 朝の市     佐藤政弘(80)

【評】特定の日に賑わう朝市。土地の名産が客たちの足を止める。国訛りの会話がはずむ一角に寅さんらしい顔も。寅さんの上手な引用。

悲しいね プラスチックの 鏡もち    千葉敬子(81)

【評】昔ながらの伝統風習にも時代の移り変わりが。会話調の表現が、作者の嘆きを伝えてあますところがない。時代相の痛烈な風刺。


シルバー川柳 秀作

人生は 見えない段差 多すぎる     田林豊治郎(89)

老眼鏡 磨いて訃報 確かめる      大友球人(82)

朝ドラに 涙流して 鍋焦がし      鈴木千代(73)

いい湯だな みんなそれぞれ 薬出す   冨成久江(80)

まだ生きて いるかと年金調書くる    富樫辰夫(75)

満月と 同じ顔した 孫可愛      丹野典子(60)

七人の 孫より怖い 妻一人      菅野宏司(72)

家族から 戦力外と 冷たい目     高沢照夫(78)

物忘れ このまま全部 忘れたい    矢野伸子(77)

今日もまた 花マル付ける 介護の記  中村多美子(67)

あの世から 病に勝って Uターン   及川英夫(66)

美男子の 兄もガ島で 散りました   高橋キヨ子(81)

畑仕事 時々立って イナバウァー     佐藤 勉(76)

母の歳 越え初めての 一人旅     菅原えい(80)

M5より 揺れが大きい リフォーム代  小澤政幸(81)

定年と 知らない靴が 手入れ待ち   山口省三 (71)

ポストまで 迎えに来てる 墓地チラシ   菅野 芳(72)

何流か 障子を足で 開ける妻     相原勝美(82)



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