せっかく日本はいいものを持っているのに、わざわざ悪くするようにするのは、まるで金になるものを、サビた鉄にしようとするのに似てるな。
歴史については、いろいろな味方、考え方もあるやろうけど、人間を不幸にする見方、考え方はあかんな。
たとえば、奈良の大仏ひとつをみても、民衆の苦しみの末にできあがったという人もいる。そいう側面もあったかもしれないが、しかし、当時の天皇として、日本をよく治めたい、仏教の隆盛を願う気持ちもあったはず。
なにごとも悪意で解釈するというのは良くない。どんなことでもいろいろな考え方が含まれているから、それを考えるときにはみんなが幸せになるようにとらえないといけない。
日本の歴史は偽りの歴史であり、邪悪な歴史であると考えたりする姿は、自分の国、自分たちの祖先を貧困に見ているからではないか。
・・・・「松下幸之助」(宝島社)より。
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