ちょっと近年ではまれに見る難しいレースになりそうです。
というのも、力の差がほとんどない強豪馬が多い。
という図式ではなくて、今回はその逆のパターンです。
春の盾連覇のフェノーメノが出走していないことと、
ベテラン勢に少しずつ不安要素があること。
正直なところ、中心馬に不安要素が見られるレースでは、
このレースに対する適性を重視する必要が出てきます。
第151回 天皇賞(春) (Ｇ��)
京都競馬場 芝3,200ｍ 4歳以上 国際 定量
もちろん主軸に考えていくべきなのは、
実力と実績を持ったベテラン勢なのですけど、
その実績をかすませてしまう要因がある時は、
単純に距離適性でこのレースを勝たれてしまうことが
あり得てしまいます。
今回のこのマラソンレースが難しくなるのは、
そんな要素があるからです。
すると、いつもの実績馬を考えていくのと同時に、
とにかく長距離に強い要素を持っている馬にも
目を向ける必要がありそうです。
1枠1番 ゴールドシップ
やはりなんだかんだ言っても、前走の阪神大賞典を
競り勝った実力はさすがです。
そこだけを切り取ってみてみると、この馬の本命は
揺るがないと思うのですけど、明け6歳になる今年、
以前に比べると勝ち負けのムラが大きくなってきたは、
否めない事実です。
もともと気分次第で随分と印象の違ってしまう馬なので、
今回は気持ちが勝ちに向かっているかどうかを、
いつも心配しないといけない馬でもあります。
そこがこの馬を見極める時に、難しさを増大させる
要因になってしまいます。
宝塚記念連覇などＧ�詰ゾ�5回という実績馬ですが、
盾の戴冠はまだないんです。今度こそと思いますね。
母父がメジロマックイーンという天皇賞(春)の
申し子ともいえるスーパーステイヤーが
入っているので、このレールへの適性も折り紙つき。
…と、言いたいところなのですけど、
この黄金配合での天皇賞(春)は、オルフェーヴルも含め、
まだ縁がないんですね。それもちょっと不安なところ。
7枠13番 キズナ
ゴールドシップにスキあり。という状況だとすれば、
次にチャンスだと考えたいのは、本来ならばこの馬です。
ただこのキズナの方こそ不安要素が多くあるのが、
このレースをさらに難しくしてしまっているんです。
不安要素はもちろん骨折からどこまで復調しているかです。
復帰から２戦、その復調ぶりを見せてもらうと、
どうしてもダービー馬になったあの頃の精細さまでは
復調していると思えないところがあります。
もちろん完全に覚醒してくれば、これほど怖い存在は
ないのですけど、もっともっと強いのにな…。
という少し寂しさを感じてしまうところが拭い切れません。
ここで完全覚醒を見ることができるのか、
あるいはさらに先を見て、宝塚記念での完全復調を
目指しているのかもしれません。
正直なところ、距離適性からいえばこのレースよりも、
宝塚記念の方が得意な距離ですからね。
8枠17番 アドマイヤデウス
そうなると、距離適性を測れる前哨戦で強かった馬にも
目を向けなければなりません。まずはその候補馬です。
前哨戦として阪神大賞典に次ぐ信頼度を置けるのが、
産経大阪杯(Ｇ��)と、日経賞(Ｇ��)です。
産経大阪杯の優勝は牝馬のラキシスでしたが、
その2着は先ほどのキズナでしたね。
一方で日経賞の優勝馬がこのデウスでした。
この馬は日経賞を含め、その前の日経新春杯と、
だいぶ実力馬が顔を揃える名門重賞を連覇しての
出走になります。かなり注目の上がり馬なんですね。
血統を言うと、父が砂の英雄アドマイヤドン。
となると、ダートが強いのかというと、
確かにその父がティンバーカントリーですから、
砂にも強いのはうなずけます。
しかし、菊花賞でも4着と芝の長距離にも強いんです。
これは、アドマイヤドンの母がベガという
血統に由来しているのだと思います。
母父もサンデーサイレンスですからね。
砂に強いというよりも、スタミナが豊富な馬だと
判断するべきなのかもしれません。
この馬は要注意です。
8枠16番 ウインバリアシオン
明け7歳のこの馬。オルフェーヴルの同期という
古豪中の古豪といういぶし銀の馬になりましたけど、
この馬が前走の日経賞で、先ほどのデウスの2着になるとは、
本当に驚きでした。その息の長さには脱帽です。
この馬の怖さは、実は長距離が得意だということ。
天皇賞(春)は、前述したとおり、距離適性が合う馬が
ころっと優勝することもあるレースです。
その意味では、距離適性の面で有利なこの馬には
十分にチャンスがあると見ることもできます。
力と若さで押し切れる馬が少し影を潜めているときは、
多少高齢になっても、距離適性が有利になることもあるので、
まだバリアシオンにもチャンスが残っていると考えられる
ところがあります。まさかこのレースで初Ｇ�気箸�…。
7枠14番 フェイムゲーム
もしかすると、この馬がこのメンバーの中では
一番の長距離バカかもしれません。
その意味では、今回のような図式の天皇賞になると、
多少実績的にはパッと見られるところが少なくとも、
どうしても気にかかる馬になってしまいます。
母系がリボー系から続く馬で、
この系統のスタミナの強さは保証できます。
しかも実績が物語っているのは、
優勝している重賞で2,500ｍ以下のレースというのは、
3歳の時の京成杯だけ。
ステイヤーズＳ(Ｇ�掘Ъ�3,400ｍ)の連覇を含み、
それ以外に優勝した重賞はすべて2,500ｍ以上。
ここまでの長距離バカは近年では珍しいかも。
こういう馬が出てくると、この天皇賞になると、
少し楽しみな馬になってきますね。
天皇賞(春)を優勝した牝馬は、過去に1頭しかいないので、
どうしても切り捨てられてしまうのですが、
前哨戦の阪神大賞典(Ｇ�供�3,000ｍ)で、ゴールドシップの
2着になったのは牝馬のデニムアンドルビー(6枠12番)でした。
この馬も、牝馬ですけど距離が延びるほど力の出る馬です。
まさか…なんてこともあったりして。
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