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2015年03月29日14:35

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DAHON EEZZ

試乗記の追加やっておきます


DAHON EEZZ

DAHONが定評のある横折りでなく、ダンゴ虫が丸まるような
Vertical Hinge Technologyという機構を導入して
折りたたみ時の思い切った小型化をはかったモデル
であると同時に、専用部品の使用率が高く、各部クリアランスも
ギリギリで、買ったが最後ほとんどモディファイできない
吊るしで使いとおすことを覚悟しなければいけないモデルでもある

試乗車は貸し出しされまくってかなりくたびれてたようで、
小傷やフレームの変形可動部分の塗装ハゲが散見されていた
たたんだ姿は同社の20インチ車よりふたまわりくらい小さく、
重量も折りたたみ中ではかなり軽い部類だった
ひろげた姿はBD-1似のフレームにグレーとブルーの
コンビネーションカラーで独自のかっこよさを醸し出しているし
はずした着脱式ペダルを固定しておく金具を
フレーム補強のブラケットで兼ねるような、合理的かつ実用的な
設計をしている部分もある

ただ、フレームのかっこよさにくらべて
ホイールやドライブトレーンは安っぽいので
上質感をそこねている部分もあると思った

凝った変形機構だけに、スムーズにたたむのは
かなりの慣れが必要なようだ
変形合体ロボ世代のせいか、こういうモデルは好きで
かなり仕様を読みまくったり、購入計画を立てたりしたときもあったが…
さきにいうと「買わなくて幸いだったかな」という印象

軽量でショートホイールベースという設計が
走行性能にあまりよくない影響を与えているようだ
可動部分の多いフレームは使い込まれているわりにしっかりしていて
フレームのゆるみや不快な軋み音などはなかったけど、
エアボリュームの少ない16インチに小さめの軽いアルミフレームなので
衝撃吸収性がわるく、場合によっては車体ごとハネるし、
衝撃の角を丸めてくれるだけでそのままの大きさで返ってくる感じ
大き目の段差を腰を浮かせずに乗り越えようとすると
一瞬尻が浮くかズレるかするほどだった

さらに、ハンドルが短めでステアラーの軸上についているので
慣れてもかなりクイックな印象だし、
ちょっとしたことで前輪が浮いてしまいやすく
意図的にやろうとすれば簡単にウイリーするので、坂を上るときも
注意が必要だろう

あと、ギアが39×9Tというかなり特殊な構成なのだけど
コグの歯数が少なくなりすぎると動力伝達効率が落ちたり
ペダルの踏み応えがギュルギュルして上質感が削がれる
問題が出てくる

P-20Rのカプレオ化のときにこれを知ったのだけど
ひとこぎぶんの距離を稼ぐためのカプレオ化と違って
EEZZはギア比的にはたいしたことなく
(シングルだし走行性能的にも不安があるので速いギアにできない)
ロードのトップ11T相当でもチェーンリングを48Tにすれば
ほぼ同じにできる

なのになぜそうしないのかかねてから疑問だったのだけど、
しげしげと実物を観察して、どうやら小型化やデザインのために
大径のチェーンリングが選べなかったというのが原因のようだ
チェーンラインとフレームの間隔が振れなどを考慮すると最小限なので
チェーンリングを大きくしたら干渉して傷が入るようになるだろう

EEZZの後継車というか、年次改良版のEEZZ D3が
チェーンリングの歯数は変わらず、カセットが9-13Tになる
(ギアが軽いほうにだけレンジが広がる)というのが
なにやらそのへんの事情を物語ってそうな気がする…

総合すると、小型プレミアムなモデルを目指したが
性能や品質がコンセプトに及んでないという感じ
実用にするにはやや不安だし、後日いじる楽しみもほぼなく
スピードも出せないし出さないほうがいい
現時点ではスタイリッシュなデザインと
凝った変形ギミックをたのしむためのモデル
D3では多段化だけでなくハブも変わるようだし、
基本的な構成は変えられないにしても熟成されるのを
待ったほうがいいのでは

これに乗ってブロンプトンのホイールベースが長い理由もわかった
気がするし、もし自分で買うならモディファイの自由度と走行安定性で
ホライズにするだろうなと思った

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