今日は早く帰れるので、何時ものブコフへ。
ま、定期巡回していると、特に棚に変わり映えがある訳では
ないのだが、何となく落ち着くのだ。
で、児童書コーナなどを眺めていると。
何の気なしに、だが一冊の本が気になり、手に取る。
こういう時、自分の直感は信用していい。
タイトル『いじめ』。
うーん、こんな辛気臭いか、歪で幼稚な欲望発散かの
どちらかしかない本は通常手に取らないのだが。
で、いきなり表紙の少女漫画調だが、顔の大半が目というフリークスの
登場に危うく半泣きになりそうになりながらも、
とりあえず表紙を開いてみると。
画像の、紙が貼付けてあった。
以下文面。
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ま〜C(引用者注:コーポレーションマークね)へ
とても、おもしろか
ったよ。かしてくれてありが
とう。仲直り件(引用者注:券?)2枚あげるネ
彩花
次借りる人はメッセージを書いてね
↓
(引用者注:以下空白)
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文面以上。
ん〜、なんていう事のないメッセージカード、
という処なのだが。
何だか、奇妙に背筋がゾワゾワした。
なんだろうか、この感覚。
『いじめ』というタイトルの本に
「貸してくれたお礼に」「仲直り件2枚」という
何とも座りの悪い心地故に、なのか、
「次借りる人」が誰もいなかった、という
何とも物悲しい空白がそれを招くのか、
それとも、もっと直裁的に、
「貸してくれてありがとう」という手紙を
そのまま貼付けて売り飛ばしてしまうドライさ
(文面、漢字の使用度合いから考えて、小学三年生くらいかと
思う。今の子は知らないが、自分の頃は本を「売る」なんて
想像もしなかった)故か。
そう、「見てはいけない物」を
不用意に覗いてしまった、
そんな「見た方が悪い」としか云いようのない、
だが確実に「何か」を訴えかけてくるような
一枚の紙切れに。
暫く立ち尽くしてしまった。
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