今年も3月11日が巡ってきました。
震災の当事者にはならなかった私ども東京都民も、せめて映画を見ることで往事の出来事に想いを馳せましょう。
CS放送の日本映画専門チャンネルで放送していた『遺体 明日への十日間』(監督、脚本:君塚良一)を見ました。
震災から2年後にフジテレビが制作した映画です。
あの日私は、老母を伴ってネパールのアンナプルナ山群を見るトレッキングをしての帰途、タイのバンコックに立ち寄って、観光名所「ワット・プラケーオ」を参観していました。
2011年3月の日記にも書きましたけれど、異国で情報が限られるのはもどかしいものでした。しかし、私どもが最も欲していた情報は、航空券に記載された帰国日に、はたして成田空港が着陸可能なのか否か、というなんとも呑気なものでした。
帰国後、愚兄からは「おまへが母様を外国に連れ出してゐてくれて助かったぜ」と褒められましたけれど、その時点での被災地の様子を知らないというのは、何か劣等感のようになっていました。
この映画の主な舞台は、震災直後から10日間の釜石市の遺体安置所です。
実際にどのようにして遺体が集められ、清められたのか。岩手県内の火葬場が停電で使えない状況で、青森県・秋田県がどのような協力をしたか。
その以前に、三千人分の折りたたみ式棺桶を、釜石市と市内2社の葬儀社だけでどのように調達したかといった、きわめて現実的なことが描かれています。
震災で直接の被害を受けなかった日本人必見の映画です。
家の前の道路が地盤沈下した、家具が倒れた、本棚が倒れてガラス戸の破片が飛び散った・・・そんなのは被害のうちに入らないということが、よくわかります。
こんな映画です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BD%93_%E6%98%8E%E6%97%A5%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%8D%81%E6%97%A5%E9%96%93
予告編はこちらです。
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