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2015年03月06日21:47

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■俳句の極意

昨夜、テレビで才能あり・無しを判定する番組をやっていた。
ダウンタウンの浜ちゃんが司会の番組である。
その中で、俳句の才能を判定するというパートがあって、
俳句の先生(60代ぐらいのおばさん)が芸能人8人ぐらいの作品の出来を採点して順位をつける。
桜がテーマだったのだが、1位に選ばれたのが秋野暢子の

黒板の 
I CAN DO IT!
風光る

という作品であった。
これを先生が1位に選んだ理由を解説し始めたとき、なぜか涙が出た。
こんな一見、ワケ分からん作品でも、その意味を感じ取って理解してくれる人がいるのだな、
という驚きと感動の涙だと思う。
この先生のすごさが分かった。

同じような主旨の企画は、終了した「笑っていいとも」のコーナーにもあって、
もっと若い美人の先生が俳句を採点していたことを覚えている。
「好きな男性と夏祭りに行く時の女心」というテーマで片平なぎさが詠んだ句が忘れられない。
その句は

ときめきを
重ねて隠す
下駄の音

というものであった。
これを私が今でも完璧に覚えているということは、
それほどまでにこの句が素晴らしいということの証明だろう。
じっさい、先生も激賞していて、「プロの俳人になって欲しい。」とまで言っていた。

私は俳句を詠まないが、俳句のコツらしいものがあるとすれば、
テーマをそのまま入れないことだろう。
桜というテーマで、句の中に「桜」や「花」をそのまま使うのはいかにも素人臭くてアホっぽい。
夏祭りというテーマでも「祭り」や「夜店」など、そのまま使ってしまうと興ざめである。
俳句に限らず、およそ芸術と呼ぶ作品においては、
本当に大切なことは、直接表現しないことが鉄則である。
これがきっと「秘すれば花なり、秘せざれば花ならず」の意味だろう。


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