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2015年02月24日20:38

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「大学」の教え4



大学は修己治人(己を修め、人を治める)の道を説いたものです。その一切の活動の根源ともいうべきものが、明明徳、親民、止至善の三綱領によって示される人格活動です。

草木は、その根(本)から三木となり、枝葉となって生長していくように、私どもの人間活動も、家を斉え、国を治め、天下を平らかにするというように、多面的に展開していくものですが、その部門を、大学では次の八つに分けて、これを「八条目」といっています。

いうまでもなく、「八条目」の「条」は枝であり、「目」は網の目であって、本から分かれたものの意味です。ですから、「八条目」は「三綱領」の応用、もしくは活用であって、人間活動の八部門とでも申すべきものです。・・・以上、菅原「大学味講」より。

以下、主として伊与田先生の本によります。

【物格(ただ)してのち知到る。 知至ってのち意(こころばせ)誠なり。意誠にしてのち心正し。 心正しくしてのち身修まる。 身修ってのち家斉(ととの)う。 家斉いてのち国治まる。 国治まってのち天下平らかなり】

物を格す(格物)= 先ず自己自身を正すことが根本です。
知を致す(致知)= 自分を正せば、知恵は自ずから澄んでくる。
意を誠にす(誠意)= 知恵が澄んくると、喜怒哀楽の感情が正常になる。
心を正しゅうす(正心)= 感情が正常になってくると内なる心も正しくなる。
身を修む(修身)= 心が正しくなると自ら身が修まる。
家を斉う(斉家)= 自らの身が修まると家が正しく調和する。
国を治む(治国)= 一家が正しく調和すれば、一国がよく治まる。
天下を平らかにす(平天下)= 一国がよく治まれば、天下は自ずから平安となる。

※「明徳」「親民」「至善」が大学三綱領、そして、この三綱領を実現していくための手段・方法が「格物」、「致知」、「誠意」、「正心」、「修身」、「斉家」、「治国」、「平天下」の八段階なのです。

【天子より以て庶人に至るまで、壱(いつ)是(ここ)に皆身を修むるをもって本となす】

上は天子から庶民に至るまで、すべて自分の身を修めるのが根本である、というのです。すなわち、格物、致知、誠意、正心、修身が本となり、斉家、治国、平天下は非常に大切なことではあるが末になります。

【その本乱れて末すえ治まる者はあらず】

その自己自身を修めるという根本をおろそかにして、家や国や天下が治まるということはできないということです。

【その厚くするところの者を薄くして、その薄くするところの者を厚くするのは、未だこれあらざるなり】

「その厚くする」というのは、本を厚くするということです。その厚くしなければならないところの本をおろそかにして薄くしてもよい末を逆に厚くすれば、それは長く存在するものとはなりえない、ということです。

具体的にいいますと、政治家が政治に対するいろいろな方法を大いに研究していくことも大切ですが、自己自身を修めることをおろそかにするな、というのです。自らが破廉恥的なことをやりながら、「わしは政治家としての能力があるから辞めないぞ」というのはダメです。これは政治家だけじゃない、実業家でも皆同じです。

・・・・・    ・・・・    ・・・・


ここまでが大学の「本経」。つまり、一番基本となる部分、「経糸」になる部分です。「経(けい)」とは、お経の「経(きょう)」と同じで、昔も今も変らず一貫していることが書かれている書物をいいます。

そして、これからあとは「伝」、つまり、解説であるというのです。次回から「伝」に入ります。



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