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2015年02月17日01:52

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時代の不一致の認識

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=3216992

この方が

■ホンダ、「S660」公開 19年ぶりの軽スポーツ車
(朝日新聞デジタル - 02月14日 19:50)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3274282

につけられた記事にコメントをつけたのだが

> ニュースの日記リストから伺いました。
>
> ご示唆の通りだと思いますが、多分ホンダはFRを造らないのではなく
> 造ることができないだけだと推察します。
>
> S2000のプロペラシャフトは三菱重工だか光洋精工だかに
> 開発委託されたもので、
> ショウモデルのSSMから市販のS2000まで妙に長期間かかったのは
> 重量物を軸周りで高速で振り回す際の2次振動を
> 結局自社で解決できなかったからだと当時の本田の技術の方から伺いました。
>
> FFだけをやりすぎて、軸回転という多大な経験の要る
> 難しい機械技術に関する蓄積を放棄してしまっていたツケだということでしょうね。
> もちろん、企業であるかぎり、利益に繋げにくい範囲を捨てる
> 選択と集中は必然のことだとは思いますが、
> 手放しで「技術のホンダ」とか言われているのには違和感ありますね。

※NVAF921@Streamlinerの記事そのものは著作権を考慮し引用しない。

これに戴いたフォローへのフォローに

> フォローコメントをありがとうございます。
>
> 本田宗一郎さんは
> 技術は使う人の願いを叶えるための手段であることを十分理解されていたからこそ
> 技術(つまり願いを叶えること)にこだわりをお持ちだったと思いますが、
> (だから多数の人が同調し易い)
> 今のホンダでは使う人の願いではなくホンダの願いにしかなっていないから
> 技術のありように説得力とか客観性を与えられないんでしょうね。

と書いた。

なぜ、わたしが今のホンダの過去回帰的販売戦略を快く思っていないかの理由は
ここにもある。

つまり、既に時代錯誤となった本田宗一郎氏時代のもののありかたを
今に適用してもうまくいかないことは自明だからである。

それは、逆に言えば、宗一郎氏の本田技研と違う経営である今は
今に合ったものだから問題ないということを示すように解釈されうるが
だからこそ過去の引用をしてグレーにするな、ってことである。


例えば、本田宗一郎氏がマン島TTレースを志し、
ついでフォーミュラ・ワンへの参戦を牽引した時期は
日本全体が世界でトップに出ることを夢見ることで
おおかた統一されていた、ということが重要である。

レースでの「ナンバーワン」は確かに本田氏個人の夢に過ぎなかったのかもしれないが
わたしは氏は社会的影響の大きさ、社会的共通認識や熱狂の存在を
確かに意識した上での行動だったと信じたい。
また、信じているだけに過ぎなくても
確かにあの時代は皆がそういう戦後復興にケツを叩かれ
アメリカに追いつき豊かな生活、世界での存在感を夢見た時代であるから
その一員であった宗一郎氏が社会の平均的な方向性を反映した
代表ベクトルだったと見ても差し支えない。

レースに勝ち、日本製の存在価値を示すことも、
アンダーボーン型フレームの万人が乗り降りし易いカブ型バイクを生み出したのも
両方とも

> (使う)人の願いを叶えるための手段

であった。

※フォローコメントは先に編纂したので「使う」が付加されているが、書いた趣旨は一緒。

氏は、自分の夢の観かたと、世間の夢に乖離が出始めたことを
キチンと実感していたからこそ
さっさと社長を退いたのではないか?

氏は80年台後半から90年台初頭までのF1時に、
撤退に反対したが
この辺が世間(つまり会社の経営陣)との乖離を埋める
最初からそういう反意が出ないようなグランドビジョンの作成が
出来なくなってしまっていたいい証拠だろう。

また、ユーティリティ系車種ばかりになって車がつまんなくなったってのも
今の時代にまだ宗一郎式経営(明示的に使用者が欲しがる)をし続けたから
そうなったのではないかい?

#ユーティリティ市場に合わせたこと自体がいかんと言ってるわけではない。
#なのにFRの開発を切り捨てたように
#スポーツイメージからの乖離に対する明確な思い切りのあるコメント
#(「例えばスポーツは止めました」的な)をしなかったのが卑屈と言うか問題の根源になった。

ホンダはあくまでもトヨタではなく
組織的な理屈がバックボーンであるような会社ではないのではないか。
だからこそその時代はトヨタや日産に対して大きな存在価値を示していたわけで。

だとすれば、氏の意図が盛り込まれているような遺作のコンセプトは
基本的に今の時代に合致するはずはないよね。

そういうことである。


今のホンダは民意では描ききれない将来像を
率先して描いて先に進もうという会社になろうとしているのだと思われる。
インフラ連動型自動運転しかり、
燃料電池車しかり。

今のユーザが本当に「燃料電池車こそさっさと完成させろ」とは考えていないよね。
自動運転も皆が皆、運転操作から解放される車のプライベートバス化を望んではいまい。
だから、中途半端に自動化コンセプトが入った現行FITのような
つるーっと空走するシフト制御しか搭載しない自動車を平気で作れる。

方向性には問題が無くても
過去と未来を混ぜてしまっている問題に
ホンダが気づいていないのが問題なわけだ。

気づいていないのではなく、
営業が過去方式のままでしか車を売れないから
気づいていないことにしている、というか、目を背けているだけだとは思うが。


自己認識を改めてくれたらいいのに、と思う。

紙一重で画期的にいいものが出てくると思うんだ。

変な焦燥感で自身を縛っているから
不具合、リコールの原因をあっさり見逃して製品出荷してしまうような状態になる。

「ホンダの願い」

でいいので、それに集中するために
企業規模を縮小してでも
やるべきことと過去からの余計な惰性をはっきり区別して
選択と集中をやりなおすべきだと思う。


因みにわたしは別に、
ホンダにまたFRを何が何でも作って欲しいとは思っていない。
そりゃあ、通常力の中で出来るのなら出してくれれば嬉しいが、
必須だとは思わない。

車名 'S' を無視すればS660だって買って損ではないいい車に違いないと思っている。
紙一重の分、どこかしら「うーん」と思う点を含んではいようが、合格点には至るだろう。
まだ出ていないので、今、実のところがどうかは分かるわけないが、
そう思ってはいる。
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