四書五経のうちの「大学」について、守屋洋「新訳―大学・中庸」(PHP)より解説します。
大学の道は、明徳を明らかにするにあり、民を新たにするにあり、至善に止(とど)まるにあり。 (大学・径一章)
大学で学ぶ目的は何か。
第一は、自分が持っている素晴らしい徳を発現すること。
第二は、自分ひとりの修養だけにとどまらず、それを人々にも及ぼして、それぞれの徳を発現できるように導くこと。
第三は、以上の二つのことが到達した最高の状態を、常に維持するように努めることである。
社会に出て立派な働きをし、周りの人々から信頼される社会人になるためには、当然のことながら、能力と人格の両面にわたって自分を磨かなければならない。ここで言う「大学の道」とは、そういう学問を指している。古い言葉でいえば「君子の学」と言ってもよい。
従って、細かく専門分化して知識偏重になっている現代の学問を連想されたのでは、いささか見当外れの感を免れない。むろん、知識の習得も大切である。だが、それと並んで、いやそれ以上に大事なのが、人格面の陶冶ということになる。
それを目指しているのが、「大学の道」にほかならない。
表記の三つをとくに「大学三綱領」という。
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