メール1

あるところに一組の夫婦がいました。
さて、ある日妻の元へ、夫からメールが届きました。内容は以下の通りです。

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親愛なる妻へ：

こんにちは。実家での暮らしはどうですか？
僕たちがケンカをして君が家を出てから38時間と37分が経過しました。
君の家出最高記録更新まであと4時間21分です。
分かっています。僕が君の実家まで行き、君に謝るのを待っているんでしょう？僕ももうそのつもりです。
しかし、君にはこのまま記録更新を達成して欲しいのです。
僕は一人でも大丈夫なので心配しないでください。
君が僕の通帳を全部持って行ってしまったけど、大丈夫です。
何故なら僕の手元にはまだ家族カードがありますから。
それにしてもクレジットカードって便利だよね。
もうワイシャツ5枚と、下着7枚、靴下１２足買いました。洗濯しなくてもちょうど君が帰ってくる頃まで毎日一着ずつ着れます。
一応ブランド品なので少し高かったけど・・・。

あ、食事の心配もしなくて大丈夫です。7軒もの良い店を見つけました。友達三人が僕の心配をしてくれ毎日夕食に付き合ってくれます。
まあでもほら、君も知ってるだろ？僕って見栄っ張りだからさ、彼らに好きに頼ませて奢ってあげてます。でも、良いですよね？

そうそう、僕が一番煩わしいと思ってるのは最近向かいに越してきた女性、涼さんです。彼女は毎日何かと理由をつけて僕に会いに来るんです。
やれ酢を貸してくれだの、やれ醤油がないだのってね。
でも安心してください。僕は決して過ちを犯したりはしません。信用してください。

あ、あと家の庭に咲いてる花々のことですが、早く砂漠と化して欲しいので決して水はあげていません。

それと猫のミミはもしかして君が一緒に実家に連れて帰ったのかな？ここ二日、ミミを看掛けていません。

それから先日君の弟達が急に家を訪ねてきたから僕と君の間に起こったことを簡単に説明してみました。
彼らは泣きながら｢義兄さん、苦労してるねえ。｣って言ってくれました。
僕は彼らに｢僕は彼女にちゃんと謝りに行くよ。そして家に連れて帰る。まあでも暫く実家で穏やかに暮らさせてあげてもいいかなって思ってるんだ。親孝行もさせてあげないとね｣と言っときました。

P.S.

もし君が明日まだ帰って来ないなら僕は出掛けて来ます。
実は例のお向かいの涼さんから一緒にピザを食べに行かないかと誘われてしまったのです。
まあ、どうせ明日は暇と言えば暇だし、折角の誘いを無碍にするのも気の毒かと思っただけなんで、心配しないでください。
ただのご近所さんだしね！

それじゃあ、

あなたの愛する夫より。

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さて、このメールを見た妻は何と返信したでしょう？

次回、衝撃の結末をどうぞ！
【メール２】に続きます。

(WEB上より)