mixiユーザー(id:26197080)

2015年01月03日22:02

214 view

製造責任より、消費者責任

難癖をつけるといえば、アメリカのマクドナルド・コーヒー事件は有名ですよね。

  『自分でコーヒー溢して火傷したけど、マクドナルド訴える』

と、要約するとそんな問題です。(※最後にもうちょっと詳しい内容を記載します)

餅や蒟蒻畑のケースも似たようなものを感じます。

結局のところは、自分が扱う商品のことを知ろうとしない、または自分の思い込みで摂取し、結果的に被害を被っている。ですが、自ら望んで購入したものに扱い方の責任は無いものだろうか。

■ McMahon 対 Bunn-O-Matic事件に学ぶ

これもコーヒー火傷問題ですが、裁判でお店側にこのような主張がありました。


『人々は自身の危険を上昇させるためにお金を使うものなのです。スキーのヴァケーションに行くために人々はわざわざ高額な料金を払いますし、バットやボールが飛び交うような野球を観に行きます。人々がそのようなことをするのは、スキーや野球…等から便益(benefits)を感じるからなのです』


この件では、火傷する可能性があっても、美味しさを求めるゆえにぬるいコーヒーではなく、熱いコーヒーを求め、自ら購入した。その取扱いの責任を販売店に求めるのは違うものだということです。

今回の件でいうと餅や蒟蒻畑という商品も、お金を出して美味しいという便益を得る為に自らが望んで購入しており、その商品に対する取扱いは主に消費者にあると私は考えます。

また餅や蒟蒻畑などの商品では警告を記載していますが、それについても蒟蒻畑は一時期、警告が見にくい、不十分など改善をせまられてました。

同じようにアメリカの事件では警告に関して、このような主張をしています。


『もっと詳しく警告すべきだったと主張することは、すなわち、如何に詳しい警告表示でさえも不十分だと[主張する]ということになってしまいます。警告[義務]を拡大すれば、様々な困難が生じます。たとえば、もっと警告を製品上にもぐりこませなければならなくなればなる程、文字の大きさが更に小さくなり、それを消費者が読んで記憶する蓋然性も更に少なくなってしまいます。簡潔で太字の警告のみが効果的なのです。大文字ばかりで長い文章だと読めないのとほぼ同じになってしまうし、小さな文字で長い文章にすれば “読んでも意味のない” 定型文だと扱われてしまいます。原告は、虫眼鏡を用いなければ読めないような詳細な警告を欲しているのです。多くの消費者は、ビデオ・カセット録画機を使うための簡単なインストラクション記述(しかも絵入りのもの)でさえも従うことができないにも関わらずに、なのです。』


私もパソコンのサポートやシステムメンテナンスの仕事についていましたので、この言い分は説得力がありました。パソコン購入した際の書類や、サポート要件だけでなく、普通の人はソフトのダウンロードで同意画面が出ても、まともに読む人がいません。簡単な説明書でも読まないんです、人は。そして詳しくすれば文字が小さく多くなって読まない、簡略化すれば「書いてない」と言うものです。

消費者だって、どのような説明が分かりやすいか、または読むか、等は十人十色。そんな中で消費者側が意識を持って取り扱うという姿勢を取らなければ、どのような警告であっても結局クレームはくるでしょう。

■ 記事にちょっと突っ込んでみる

自分でついた餅について記事ではこうあります。

>「このもちを食べれば喉に詰まるということを予見可能でないと過失にはなりません。」

餅という時点で、老若男女問わず、喉に詰まる可能性が全く予見できてないということは有り得ないと思うのですよ。これで訴えられたら、全国で餅つきという行事はなくなるような気がします。

また、蒟蒻畑との違いについて

>「全くの推測ですが、もちを喉に詰まらせて死亡する事故は割と多く、もちの危険性は広く認識されています。それなのにもちを食べて死んでしまっても、食べた方が悪いという判断になるのかも知れません。」

と仰ってますが、喉に詰まって窒息死するケースでは、餅がダントツですが、

 ・ご飯
 ・飴
 ・パン

などが上位で、大きな差があるという程、餅だけが特別な訳ではないんですよね。蒟蒻畑やゼリー系の窒息死なんて更に少ないです。

星正秀先生の言い分が正しければ、ご飯やパン、飴での窒息による危険性というのは、広く認識されていなければいけませんが、私的にはむしろ一般的にはご飯・パン・飴での窒息は『意外』と思われている方が多いのではないかと思います。

個人的には、蒟蒻畑のケースは、子供を盾にした卑怯な難癖であり、根本を見ていない八つ当たりの場となっただけのように思えます。


ですが、これらの問題は、消費者がどれだけ自分自身の責任を理解しているか、それ次第だと思っています。何でも他人に被けるのは楽ですが、本当はもっと「使いたい」,「食べたい」と思った自分が勉強し、責任をもった取扱いをすべきだと思っています。





※アメリカのマクドナルド・コーヒー事件(補足)
================================
フォト

79歳の女性がコーヒーにミルクと砂糖を入れようとしたが車内に置く場所がなかった。仕方がないので太ももに挟んでプラスチックの蓋を外そうとしたら、傾いてしまい太ももに零した。彼女は熱さに叫び声を上げたが、運転していた孫は「たかがコーヒーを零しただけだ」と思って、大変なことだとは捉えなかった。

後日、容体悪化を訴えた女性を病院に連れて行ったら、恒久的な傷跡も残る第三度の火傷を負っていたことが分かり、熱いコーヒーを渡したマクドナルドを訴えた。
================================

ちなみに女性側が勝訴して、填補賠償額16万ドル、懲罰賠償額270万ドルの支払を命じる評決が下されました。最終的には見直しがあって64万ドルにまで減ったんですが、1999年の為替レートは平均113.79円なので、約7,280万円くらいでしょうか。すごいですね。

【被害者側】の言い分です。

1.コーヒーが華氏180〜190度と過度に熱くて危険。(約82℃〜85℃)
2.危険に関する警告が不十分であった。(文字が読みにくかった)
3.クレームが700件あったのに改善していなかった。(過去10年の間)
4.コーヒーを零しても肌が赤くなる程度のはずで、火傷する熱さで提供する理由がない。

また

・零したのは自分の不手際だと認めている。
・孫や自分の対処の遅さは認めてない。

【マクドナルド】の言い分です。

1.熱いコーヒーが美味しいのであって、欠陥といえる過度の熱さではない。
2.「注意:内容物は熱いです」という注意表記、「HOT!HOT!HOT!」というラベルも貼ってあった。
3.10年間で700件は多い数字とは言えない。また全てが火傷のクレームではない。
4.不安定な状態で零したのは婦人で、マクドナルド従業員ではない。
  また服を脱ぐ、すぐに冷やすなど一切しない行為自体が賢明ではない。


マクドナルド側が敗訴した訳ですが、どう考えてもマクドナルドの言い分の方が正しい気がしますけどね。



■餅で窒息しても「製造会社に責任はない」は本当?
(シェアしたくなる法律相談所 - 01月03日 11:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=194&from=diary&id=3210673
5 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する