『ぷっちぐみ』のバービー漫画を愛読しているわたしは、
当然、同誌に掲載されているリカちゃんの漫画も読んでいる。
と言っても、バービーが正統派少女漫画なのに対し、
リカちゃんは商品ブックレットに掲載されているのと同じフォトストーリー。
まぁ、このなんとも言えないおかしなノリも嫌いではないが、
出来ればここはバービーと同じ正統派少女漫画で勝負して貰いたい。
理想としては、竹宮恵子が1972年4月号から『幼稚園』で連載していたような感じがいいなぁ
この作品は竹宮恵子全集にもキチンと収録されていない幻の漫画。
雑誌自体が変形、そして原稿はフルカラーだったり2色だったりパートカラーだったりするので、
コミックスに収録しづらかったのだろう。
しかし、近年の電子書籍の普及でついにこの作品も日の目を見ることが出来た。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/book/60048177.html
※うち『リカちゃん』は70頁
実は、偶然この作品を見つけるまでわたしは電子書籍より紙媒体派だったのだが、
高橋真琴と共演した付録も含め、全編雑誌掲載時のままの状態で収録されているのを見て、
改めて電子書籍の利点に気づかされた貴重な一作でもある。
現在のフォトストーリーのように商品販促を前面に押し出さず、
ごく普通のマンガの中にリカちゃんが出てくる感じのストーリー。
一応、原案付きなのだが加藤文治ってアニメの脚本を書いていた方かな?
リカちゃんの年齢設定も雑誌の読者に合わせて幼稚園に変えてあるし、
全体的にのびのびとした作風が好ましい。
漫画の絵も絶対にドールに似せなくてはという気負いは感じられないが、
それでもキチンとリカちゃんの世界が表現できているところはさすが竹宮恵子と言うべきだろう。
ちなみに竹宮恵子がリカちゃん漫画を担当したのは1年間だけで、
後に学年誌に再掲載された時は作家・荒俣宏の妹である志村みどりが漫画を担当している。
学年誌漫画のベテランなので漫画には安定感があるが、
逆に慣れすぎていてちょっと型にはまった感じもしなくもないので、
わたしとしてはリカちゃん漫画は竹宮恵子をお勧めしたい。
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