倅らを授かったことで、本当に幸せなのは自分たち親なんだろうとつくづく思う。
倅たちが喜ぶ姿が見たくて、クリスマスが待ち遠しかった。
戦隊ものが好き過ぎて、保育園でも暴れてしまう豪騎や魁盛を考慮して、プレゼントを選んだ。
魁盛はディズニー映画の 『トイ・ストーリー』 が大好きなので、ウッディとバズの喋るフィギュアを、豪騎には色々悩んだ挙句、パワーショベルのラジコンに決めた。
早々とインターネットで注文し、それぞれを準備したサンタ柄の袋にしまった。
包装しようとも考えたが、幼い二人が袋を開けたらすぐにプレゼントが顔を出した方が良いどろうと判断した。
前の晩、リモコンで動く実際の重機映像を観せたうえでのプレゼントの設置。
豪騎も魁盛も本当に嬉しそうだった。
ところが、年子というのは本当に張り合ってしまう。
仕方がないので、先日、もう一人バズがやってくる羽目になった(笑)。
それとは別に、もうひとつのプレゼントを渡した。
アロンゾやモニカ、そしてピタを失ってだいぶ経つが、未だに豪騎は彼らの話をする。
やはり生き物の温もりを与えてやりたかった。
手間が掛かること以上に大切だったのは、朝の7時頃から晩の7時まで家を空ける我が家の生活スタイル。
まだ犬と暮らすには早いし、金魚では触れ合えない。
トカゲや亀では長生きし過ぎるし、フェレットでは人間を求め過ぎてしまう。
で、豪騎が選んだ子がコレ。
小さなハムスターを飼う事に決めた。
女の子のハムスターで、とにかくぼんやりしている子だった。
豪騎は 『あったかいねぇ』 と喜んでいた。
名前は何にするのかと尋ねたら、『ねじゅみ!!』 と即答。
余程嬉しかったらしく、店内のレジに向かう途中でも、見知らぬお客さんたちに 『ねじゅみもらった、豪くん ねじゅみもらった』 と大声で話しかけていた。
女房や義理の母は大笑いし、名前を変えないかと持ちかけていたが、豪騎は譲らず。
自分は豪騎が付けた名前ならどんな名前でも尊重してやりたかった。
だからその時からちゃんと 『ねずみの世話はどうするの』 と話している。
『お父ちゃんは豪騎と魁くんのお父ちゃんだけど、ねずみのお父ちゃんは豪くんだからね』 と教えている。
だから豪騎は義理の父にからかわれると、『やめろ!! ねじゅみは豪くんの息子だ!!』 とむきになって怒る。
ちょっと違っている部分があるが、そこはご愛敬。
敷き藁のようなチップを取り換え、餌をやり、かいがいしく世話をやこうとする様はなんとも言えず微笑ましい。
自分が幸せを強く感じる瞬間。
2〜3年で寿命を迎えるこの 『ねじゅみ』 が、豪騎や魁盛に教えてくれることは多いだろうと思う。
命の温かさ、愛おしさ、そして儚さ…。
少しずつ触り方も覚え、安定した掴み方や抱き方を学んだ様子。
多少指先を噛まれたようだが、じっと耐えて 『やさしく噛んでくれた』 と言っていた。
縁あって我が家にやってきた、この僅か30グラムくらいの温かな命。
おもちゃとはまた別な領域で、豪騎や魁盛の心と思いを育んでくれるよう願ってやまない。
親では教えられないことを、この生後2ヵ月の小さなハムスター 『ねじゅみ』 に託そうと思う。
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