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2014年12月25日20:47

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正直、厭な予感しかしない(笑)。

永井豪「デビルマン」40年の時を経て最終章へ!ビッグコミックで堂々開幕
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=86&from=diary&id=3200911

いつからだろう?

永井豪が新作を作らずに、
マジンガーZ、デビルマンをローテーションで
弄くりだしたのは?

最初の失望は、ゴラク版の『バイオレンス・ジャック』だった。
これは、少年マガジン版と違って『永井豪ワールド大集合』な
世界観が、当初は面白かった。
『けっこう仮面』が関東の荒野の掘建て小屋で演じられる
ストリップショーだったり、スラムキングのライヴァルが
朱紗真吾だったり、息子がズバ蛮だったりと懐かしいキャラが
色々な形で再登場してくれていて、賑やかだった(個人的な
ベストは盲目の長身空手家ジム・マジンガ。戦う相手が見えないから、
恩義のある空手道場の息子兜甲児を肩車して(!)方向の指示を貰いながら
戦っていたりした。ちなみに、その空手道場で最強の称号を
得ており、それが「Z」(笑)。あんな変なパロディ見た事ない)。

だがそれは、主人公たる暴力の化身ジャックと関東の魔王スラムキングの
キャラが立ちまくっていたから。だが、それを「ジャックは不動明でしたー
スラムキングはサタンでしたー、人犬(スラムキングが飼っていたペット。
人間の舌を抜き、自殺不能にして肘膝下を切断して犬として飼うという
よう考えたな、自分?なえげつない代物。そしてそれが飛鳥了と
牧村美樹のルックスだったから尚の事凄い)は飛鳥了で、不動を
殺してしまった悔恨から自分に罰を下して新しい世界を作ったのでしたー、
なんてどっちらけもいい処なラストに怒りすら覚えたものだった。

『バイオレンスジャック』は『バイオレンスジャック』として
終わらせろよ!と。
しかも、これ以上無いくらい完璧な終わり方をしている
『デビルマン』の続編って何やねん!と。

だがしかし。

その当時は甘く見ていたのです。

まさか、それからリメイクばかりを永井豪が手がけるように
なるとは思いもしなかったし、それも『マジンガーZ』と
『デビルマン』ばかりになるとは。

たまーに『凄ノ王』を引っ張りだして雑誌に続編を
連載したかと思うと間もなく中断。一応コミックスで
纏まったものの、店晒しの状態が続き、近年漸く
「超完全完結版」なるエディションが刊行され、
それでも「完結」となると期待したものでしたが、
何と「野生時代」で書かれていた続編はカット、
マガジン版のラストから数ページ程度の最後を
書いておしまい、というなら書かないでくれや的な
お粗末さにも怒り狂ったもんだが(怒ってばっかだな)、
『マジン・サーガ』の連載と中断、『Zマジンガー』の連載と中断と
いい加減にせぇよという流れもあるし、堰を切ったように
リリースされまくった他作者の手による『デビルマン』『マジンガー』の
質の低さにも呆れ返っていたのだが。

流石に『デビルマンレディー』と来ては失笑しか涌かなかった。

・・・それ、デビルレディーじゃ駄目だったの?
いや、分かっているよ悪魔人間と書いてデビルマン、とルビだからね。
分かるんだけどさ。
あんまりにも間抜け過ぎるんだわ『マンレディー』という語感が。
出てくる不動明も全然『デビルマン』と違うキャラだしなぁ。
なんでサタンとの戦いの後なのに人間を信じる兄貴的キャラなんだか。
『デビルマン』の最終巻の衝撃を返せと(以下略)。

閑話休題。

どうやら、ある種の作家は晩年に差し掛かると
「今まで作ってきた作品世界をひとつに纏めたい」という
衝動に駆られるらしい。
一種の生前におっ建てる派手な墓石みたいなもんだろう。

松本零士はヤマトと999とアルカディア号が並ぶという
気が狂ったような画を書き。
栗本薫は現代日本を舞台にした物語は『東京サーガ』なる
括りにして登場人物をいたずらに往還させ。
平井和正は『幻魔大戦』世界と『ウルフガイ』世界を
接続しようとし。
そして永井豪は『バイオレンスジャック』で、地獄地震で
破滅した関東という「箱庭」に自分の作品を無邪気に
並べ立てた。

・・・それで満足したかと思ったんだがなぁ。

何か、記事中の扉ページを見ると、デビルマンとは
思えないような姿の主人公の姿が見れるのだが。

どうみてもアメコミ的・・・つうかバットマンにしか見えんのだが。

そしてそして。

「西暦2025年のアメリカで若きロボット学者・不動勇希が、
南極で発見されたある壁画と出会う。そこに描かれていた、
人類の恐るべき秘密とは。」

ってさぁ。
何よ、「ロボット学者」って?

これは、アレじゃないか?

『マジンガーZ』と繋げようとしてないか?
確か『マジン・サーガ』にも不動明は出て来たらしい(しかも
敵首領の息子)しね。
そちらが上手くいかなかったから、今度はデビルマンよりで
再チャレンジ、と。
どうせ不動勇希がデーモンと戦う為に開発したデビルマンと
マジンガーの間の子のようなパワードスーツで暫くやって(雑)、
頃合いで不動明がオリジナルデビルマンで登場するんだろ?

って、それ『デビルマンレディー』でやってるし!!

阿呆か。

本日はたまたま読んでいた本の中で、『デビルマン』の
1ページが引用されていた。
悪魔特捜隊に連行された牧村家の人達の救出にデビルマンが行くが
間に合わず、凄惨な死を遂げた牧村夫妻を拷問した
連中に詰め寄るシーンだ。

正直、文庫本で縮小された絵だったにも関わらず。

震えた。

もう、『デビルマン』はキツ過ぎて読み返せない。
だが、一言一句、全シーンを覚えている。
それくらい衝撃的だった。

その衝撃は、小さな小さな引用でも、ダイレクトに
脳髄をぶっ叩いてくれた。

矢張り、凄まじい作品なのだ。
相当の覚悟を持たねば、読めないくらいの。

だからさ。

もういい加減不動明は成仏させてあげなよ。

都合良く狂言回しにさせられるのは、最早不憫だ。

『デビルマン』が何故傑作なのか、って、
もうこれ以上無いってくらい完璧に「終わっている」作品なんだから。

それを墓から引きずり起こす権利は、正直作者にすら。

無いんだよ。







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