「致良知」に関する中江藤樹先生のお弟子さんのお話です。
親の土地を誰がどれだけ譲り受けるかということで,ある兄弟が激しくげんかをしていました。代官がけんかをやめるよう命令しても全然聞きませんでした。
そこで,中江藤樹先生のお弟子さんがこの兄弟を仲直りさせるよう頼まれました。
お弟子さんは先ずその兄弟を自分の家に呼びました。兄弟は小さな部屋に通されました。
お弟子さんは自分の家来に次のように言わせました。
「主人は急な用事が出来たので,しばらくお待ちください。食事とお風呂は自由に使っても構いません」。
しかし,藤樹先生のお弟子さんはその兄弟をずっと待たせておきました。
兄弟は憎しみ合っているので,最初何も話しませんでした。
けれど,だんだんと幼い日一緒に遊んだ頃のことや両親に大切に育てられたことを思い出しました。
ついには兄弟涙を流して,お互いに自分が悪かったと謝りおいおいと泣きました。
そこへお弟子さんが部屋に入り,一言「本当に喜ばしいこと」と話すと,兄弟は仲良く家に戻りました。
まさに,「致良知:人は本来美しい心を備えている」ですね。
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中江藤樹の教えは「致良知」(良知にいたる)という言葉に代表されます。
「人は本来美しい心を備えている」
しか、し我欲によって曇らせてしまうので、絶えず磨きつづけ、鏡のように輝かせておく努力が必要だというのです。
良知が明らかになれば、天と一体になって人生は安らかになれるのです。
良知にいたるには、日常、五つのことを心がければいいという。
1.なごやかな顔つきをし、
2.思いやりのある言葉で話しかけ、
3.澄んだ目でものごとを見つめ、耳傾けて人の話を聴き、
4.まごころをもって相手を思う。
5.何より正直であることが大切と説く。
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