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2014年12月01日12:57

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オオカミは嘘をつく(Big Bad Wolves)

 



 イスラエルの新鋭監督コンビ、アハロン・ケシャレス&ナボット・パプシャドが手がけたバイオレンススリラー。凄惨な少女殺人事件を背景に、気弱そうな容疑者と暴力刑事、復讐に燃える被害者の父親が繰りひろげる予測不可能なドラマをスリリングに描く。イスラエルで少女誘拐事件が発生。刑事たちは強引な捜査で容疑者を拘束し、少女の居場所を吐かせるべく激しい尋問を開始する。やがて刑事たちの上司の命令により、容疑者は釈放。ところがその直後、誘拐された少女の惨殺死体が発見される。上司から担当を外され独自で捜査に乗り出した刑事は、再び容疑者を拘束。そこへ、娘の復讐を果たさんとする被害者の父親が現れる。(映画.comより)





 イスラエル映画。結構話題になっているので、行って来ました。わりと入ってましたね。これだけのサスペンス、というかスリラー映画、過激な描写もふんだんで、こんな映画が許されてるのね、って感じです。

ただ、音楽があまりに大仰だったのと、話がちょっとスローテンポだったのとで、もう少しシャープな映画に仕上げることはできたかな、とも思いました。

それでも、所々に入る容赦ない残酷描写には驚きました。結局、誰が犯人なのか、最後まで分からなくなっているのですが、所々観客をミスリードするつくりにもなっていて、単純な私はまんまとその手に乗ってしまいました。

一人の少女の失踪。犯人とおぼしき男の逮捕。しかし、充分な証拠がないまま、力による取り調べと本人の否認が続きます。やがて男の釈放。しかし、その後少女は首なし惨殺死体となって発見されるのです。

諦めきれない刑事はもう一度その男を張り込みます。そして充分な証拠もないまま拘束。とにかく吐かせたい一心で容疑者を追い詰めます。しかし、どこまでも拒否する容疑者。大学教授であるこの容疑者は、見かけも温厚そうな、いわゆる「虫も殺せなさそうな」風貌の男。しかし、今回の出来事で職も失い、某映画のマッツさんのように、あらぬ疑いをかけられているだけのようにも見えます。

と、そこへ第三の男が登場。彼は惨殺された少女の父親(自らは「45歳」とのたまっているが、どう見てももっと老けている。祖父の様)で、娘を救えなかった後悔でなんでもしかねない様子。彼は刑事をも拘束してしまう。

本当の犯人はどこにいるのか。被害者の肉親なら何をしてもいいのか(そんなはずはないが)。最終的には少女の祖父(昔軍隊にいたらしい)まで登場して、4つどもえの展開が始まります。

怖い!容赦ない残酷描写もあり、怖すぎる映画なのですが、なんともいえないユーモアがあちこちに折り交ぜられてて、正直、笑える。不謹慎かもしれないのですが。でもやっぱり、心臓の弱い方には勧めません。





<ここよりネタバレあり>

結局、例の教授が犯人のようです。しかし、観客をミスリードするための伏線が、どうにもご都合主義な感じもします。刑事も、教授も、男連中はみな離婚されてるみたいで、娘も母親と共に連れていかれてしまい、時たま会うだけのようです。で、教授が元妻に電話しているシーンがあるのですが、「娘の誕生日なのに会えないのか」などと交渉しているのが、バレエ教室の前なのです。バレエを習っている娘をこっそり見に来てるのかと思いきや、これは刑事の娘だったようで、後にケーキで眠らされてるシーンがちらと映ります。

しかし、バレエのレオタードを着たまま「Happy birthday~♪」とお祝いされてケーキを出されているシーン。その後、それを食べた刑事の娘は眠ってしまうことになるのですが、これすべて教授が仕掛けてるんですね。だから、私達観客は「教授、娘に会えたのね」とミスリードされるわけです。

でも考えてみてください。少女はいきなり知らないおじさんについていったのでしょうか。元妻と話していた、ということは教授の娘は本当にお誕生日だったはず。では、刑事の娘も偶然同じ日が誕生日だったのでしょうか。それとも、違うけど怖いから逆らえなかっただけでしょうか。

結局、最初の少女の頭部も見つからないまま、いきなりのジ・エンドを迎えます。教授は殺されて。

なんだか自分が気付かないだけで、もっといろんな伏線がありそうな気もします。この「スカッとしない」終わり方がまたいいんでしょうけれど。



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