mixiユーザー(id:8306745)

2014年11月06日22:50

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無題。

時折、      に、追い掛けられる。
いや、待ち伏せされる、という方が適当か。

道ばたでひょいと蹴躓いた小石の裏や、
立ち寄った本屋の棚の真ん中に何気なく差さっている。

日々はあれこれと忙しく、
何とは無しに生きていると。

そうした過去は、目に留まらなくなる。
そう思っていると。

全然違っていた事に気づかされる。
消え去るのではなく、薄い大気と混じり合い。

この世界に満遍なく染み通っているだけ、
という事なのだ、と。

そして、その大気は。
時折、目の前でひょいと固形となる。

小石や、本などの形に。

それは、出会い頭は驚くが。

やがて奇妙な安堵を感じる。

ああ、「それはまだ生きている」と。

空気に溶け、目には見えない粒子となって。

漂い流れているだけなのだ。

気付くと、掌に粘る汗を感じる。

それは、きっと。

大気に溶けていた、

「あの粒子」なのだろう。

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