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2014年10月31日01:40

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LEXUS RC

ちょっと間ができてしまったが、
先週お披露目のレクサスRC/RC F。

造形も昔のセリカやスープラの曲線を感じてしまうし、
レクサスったって、平たく言えばトヨタなのだが、
あまり話題にもなっていないし、
同じレクサスで嫌というほどTVCMを打っているNXと違って
CMもみかけない。

まあ、価格帯がRCで200万円差、RC FだとNXの倍に至る違いがあると
一般地上波なんて見ている消費者層に訴えても意味ないか。


一番安いRC300hであるが、乗ってきた。

正直、なかなか良く出来ている。

安物ハイブリッドのAQUAなどとは比較にならん。
電動とエンジンアシストの違いが全く判らないほど
綺麗にスムーズにパワーカーブが出来ていて
超快適。

バッテリの搭載量が多いので、電動のみで相当走るし、
2.5リッター直4という、比較的ピストンの重くなる
だるいエンジンになってしまうはずの車から
完全にストレスを取り除いくれる動力性能を与えている。

勿論、最低グレードなので、ガッツンというパンチの動力ではないが、
公道だけならそこそこ走れる。

スカイラインのハイブリッドの
あの電動アシストに一瞬躊躇する出来の悪さを思い出すと、
なんだかんだでやっぱりトヨタのほうが数段上手だなあ、と思ってしまった。
モーターの動力におけるポジションを重視しているだけでなく、
配分制御自体が秀逸である。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1926616266&owner_id=6972928

しかも、スカイラインには悪いが、
日産の悪いところが出まくっているような
日本人の体格を無視したようなコンセプトばかりが先行する
ユーザが置き去りの

「グローバル車」

設計のために、
使いづらいセレクタレバーの設置なんてことを
レクサスはやらないのだな。

シフトセレクタだけでなくファンクションダイヤルの設置位置が
セレクタの外側で腕を旋回させた先のストレスのない位置にある。
コクピットレイアウトが上手い。

同じようなのが、
メルセデスとBMWの差にある。
レクサスの営業さんによると
競合車種はベンツならCのスポーツかEのクーペ、
BMWの4シリーズあたりになるそうだが、
現行型Cクラスのマルチダイヤルは、
セレクタが上に被るような感じで設置されていて
違和感なく操作できるが、
BMWの4シリーズだとダイヤルがアームレスト上手前にあり過ぎて
非常に操作しづらい。

トヨタにしてもメルセデスにしても、やっぱり、
ドライバの満足感というか、そういう面での配慮の仕方が上手い。

トヨタというよりレクサスブランド向けだから
一層注意しているだけかもしれんが。

やはり売れているってのはそういうことなんだなあ、とは感じる。


トヨタで一番問題のあの制御性の悪いカックン・ブレーキも
この300hに関しては別で、かなりいい。

何故かと言うと、メカニカルブレーキだけなのは停止間際のみであって、
走行中は基本的に回生ブレーキが優先されるので
トヨタ風のメカニカルの悪い「初期制動のみ」的な味付けになっていない。
踏んだら踏んだだけ効くいい感じのブレーキに仕上がっている。


価格的にも、300hで500万円台、
ガソリンエンジンのみの350で600万円台、
5リッターV8搭載のRC Fで900万円から1000万円。

絶対価格はさておき、パッケージの相対価格的には比較的安価な設定である。

方向指示器がソフトスイッチの割に
3秒モードのような車線変更用のモードがなく、
キャンセルは反対側の点灯操作と同じことをするのだが、
手に伝わるノッチ感覚が甘くてうまくキャンセルされないような
細かい使いづらさもあったが、
大枠、非常に洗練された出来である。

パンフレットの様子を写真1,2に挙げているが
背にタイトルが載るほどしっかりした作りで
販売コストもケチっていない。


で、珍しくトヨタ製車種にも関わらずべた褒め状態であるが、
正直

「つまんない」

のである。
快適だねえ、金の力に任せて性能も買えるしねえ、
でもそれだけで、じゃあ、何を愉しめばいいのか?というような
おべっかでむず痒いお節介レベルみたいな製品配慮なのである。


本来のスポーツカーでは、そういうのは一番まずいのではないか?


確かにFRで、そこそこの動力性能と、出来のいい操作系なら
もっと好感を持っても良さそうなのだが、
なんつーか、

「一つ突出して光るもの」

がない。

大排気量で振り回したい系の趣味の人に限っては
RC FのV8 5リッターに関してはポイントになるかもしれないが、
普及版のRC300hに関しては

「こういうの、日本では好評で売れるだろうなあ」

という、雰囲気作りはバッチリなんだけど、じゃあ特段の何かある?って言うと、

「特に何も、、、」

って感じ。

だから、何か後付けしたくなってしまうんだろうな。
「オレの」感に飢えてしまうユーザには。

エアロ付けて、エキパイ変えて、青いLEDでも付けて、ってベース車には持ってこい。
それなりに速いから、適度な演出の出来るショップみつけて改造すれば
そういう満足感も得られそうな、いいベース車。

売れるだろうなあ、とは思うけど、、、

独りでほくそ笑んでおられるようなワクワク感がない。

あえて皮肉な言い方をすれば

「誰かに見せて、賞賛の声を身に浴びたい人の車」

であって、その車の中に独りで完結した楽しみを見出す余地が感じられない。


出来がいい、というのはそういうことなのだとは思う。

ミニバンとかのような、ファッションアイテムにもなるし、移動の道具でもあるけど、
主たる目的が車で完結しない道具としては完成度の高さだけで充分かもしれないが、
内向的であるべきスポーツカーはそうであってはいかんのではないか?

無論、そういうカテゴリでも外向きアピールにまみれた車はあって、
例えばフェラーリのようなものだが、
そこには

「実質的に大量生産ではない」

という別の価値観がある。

結局、大量生産の枠組みでしか動けていないレクサスが
その世界で頑張って作って LF A だと思うのだが
RC や RC F では、どうかなあ?って思うのだ。


でも、日本人が求めているのはこういう製品なんだってことを
改めて感じてしまった。
期待度というか見る角度を変えてしまえば、RCは「いい車」なのだ。

確かにレクサスは良く出来ている。

どうしても偏った拘りや過剰コストのため万人にフィットしなかったカテゴリに於いても
逆の視点で「クセ」を取り除くことに執心して作り上げられた
実は上手い「隙間製品」だったのかもしれない。

ホントにすごいい出来ではある。
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