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2014年01月31日16:03

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(くらし時々?)種類によって課税・非課税 同じ年金額、負担には差

老後の生活を支える年金。もらう年金の種類によって、税金や保険料の負担などに違いがあるのを知っていますか? どうして取り扱いが違うのでしょう。


 4月の消費増税。税率を8%に上げるとき、家計に余裕がない低所得の人には、「臨時福祉給付金」をだすと政府は決めている。

 「どうして私が給付金をもらえるの? 裕福ではありませんが、生活には困っていません」

 ニュースを見た千葉県に住む一人暮らしの女性(75)は首をかしげる。この女性には年約340万円の年金収入がある。月額に換算すると約28万円だ。

 臨時福祉給付金は、住民税が課税されない低所得世帯に1人あたり1万円、さらに年金生活者には5千円が加算される。なぜ、この女性が支給対象になるのか。それは女性が340万円の年収があっても「非課税世帯」だからだ。

 実は女性の収入は、本人の基礎年金が約81万円、残りは会社員だった夫の遺族年金だ。遺族年金には税金や社会保険料を課さないルール(公租公課の禁止)がある。だから遺族年金分は税金をかける対象となる所得からは除外される。女性の所得は基礎年金分の年81万円だけとみなされ、非課税世帯となるのだ。

 女性は「おかしいと思う。本当に困っている人のためにお金を使ってほしい」と戸惑う。


 ■社会保障の観点から

 どうして遺族年金は非課税扱いなのだろう。

 財務省主税局税制第一課の担当者は「社会政策的な配慮からです」と説明する。やや難しい説明だが、要するに、社会保障の給付は、制度目的に応じて必要な金額が支給されているから、そこから税金はとらないという考え方だ。働き手を失った家族の暮らしを支える遺族年金に限らず、障害年金、失業手当、生活保護費なども課税されないルールになっているという。

 とはいえ年金の場合、基礎年金や厚生年金は課税対象になっている。控除枠を上回る所得があれば税金がかかる。同じ年金額なのに年金の種類によって扱いが異なるというのは、不公平にならないか。

 財務省の担当者は「これまでは社会保障の水準確保を重視してきたが、公平性とのバランスをどうとるか。社会状況も変わってきたので、議論が必要な時期になってきたのかも知れませんね」と話した。


 ■所得に算入する動き

 お年寄りでも収入の多い人には負担を求めよう。社会保障の見直しで、そんな流れが強まるなか、遺族年金の取り扱いを見直す動きも出てきた。

 厚生労働省が現在進めている介護保険制度改革では、遺族年金や障害年金を「所得」として扱う見直し案が検討されている。

 具体的には、特別養護老人ホームなどの施設に入居する低所得者への補助を決めるとき、遺族年金もその人の所得として新たにカウントする。その結果、一定水準以上の所得があれば、居住費と食費の補助をこれまでの月計6・5万円から同4・2万円に減らす内容だ。

 「公租公課禁止」の規定そのものは残したままなので、今回の見直し範囲は限定的だ。厚労省介護保険計画課の担当者は「今回の見直しは、あくまで補助をする判断の物差しとして遺族年金も勘案するだけなので、今のルールのままでも可能と判断した」と説明する。

 居住費と食費の補助はあくまで減額するだけで、なくなるわけではない。介護保険料を算定する際の所得には、これまで通り遺族年金は含まれないので、保険料なども変わらない。

 ただ今回の見直しが実施されれば、遺族年金を保険料算定や課税の対象になる所得としてとらえようとする流れが加速する可能性はある。同じ介護保険の制度の中で「所得」のとらえ方が異なるのはわかりにくいからだ。

 もしも遺族年金が「住民税非課税」の枠からはずれた場合、新たに税負担が生じる可能性があるだけでなく、医療や介護の保険料なども変わってくる。

 影響が大きいだけに、議論が一気に進む状況にはまだない。しかし、今後は自分自身の厚生年金がある女性も増える。「同じ年金額なのにどうして負担が違うの?」という不公平感は、さらに広がるかも知れない。

 「同じ収入なら同じ負担に」。そんな公平性をめぐる議論が、今後、本格化しそうだ。(編集委員・板垣哲也)


 

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