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2013年10月08日23:33

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【解説】ジオット・キャスピタ

ワコール・スポーツカー・プロジェクト(WASCAP)として、童夢が開発したスーパーカーが『ジオットキャスピタ』です。

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1989年6月12日にモノコックが完成、9月末に完成した1号車は現在、石川県にある日本自動車博物館に展示されています。

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当初エンジンはスバルが開発中の3.3リッター水平対向6気筒ユニット(後のEG33)を搭載する予定だったものの、スバルがモトーリモデルニと開発を開始したF1用の水平対向12気筒ユニットが採用されました。

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しかしこのエンジンは、元を辿ると1972年にアルファロメオのレーシングスポーツカー『ティーポ33TT12』に搭載された12気筒ユニットをベースに開発されており、往々にしてそのポテンシャルに疑問を持ってしまうのは致し方ないところです。

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このエンジンは1990年にエンツォ・コローニ率いるコローニに供給され、コローニC3Bに搭載されてデビューしました。
しかし低重心化を狙った水平対向ユニットも排気系の取り回しが困難であり、一度も予備予選を通過することなくシーズン途中でコスワースエンジンと置き換えられてしまいました。

肝心のプロジェクトも、エンジン開発の失敗を理由にスバルが撤退し、ワコールと童夢の2社だけで開発を継続、新たなエンジンを選定し、保安基準に適合するようにボディのデザインも変更された2号車が1992年夏に完成しました。

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イギリスでのテスト後、日本では実際に京都ナンバーを取得していましたが、現在はナンバーは切られており、童夢の私設ミュージアムに保存されています。

2号車に搭載されたエンジンはエンジンディベロップメント社製のF1用3.5リッターV型10気筒エンジン『ジャッドGV』です。

公道用にディチューンされたとはいえ585ps/10750rpmを発生していました。

2号車は1993年にお披露目されたものの、景気の後退など情勢悪化により量産化は見送られました。

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プロジェクト初期にはグループCカーの開発も視野に入れられていたようです。

☆ジオット・キャスピタ 1989プロトタイプ 1号車 車両諸元
全長:4534mm
全幅:1996mm
全高:1136mm
ホイールベース:2700mm
トレッド(F/R):1670/1600mm
車両重量:1100kg

エンジン:スバル・モトーリモデルニ製12気筒
エンジン形式:水冷180°V型12気筒DOHC60バルブ
ボア×ストローク:84×52.6mm
総排気量:3497cc
圧縮比:11.5
最高出力:600ps以上/12500rpm
最大トルク:−−−−
燃料供給装置:ウェーバーマレリ電子制御燃料噴射
トランスミッション:横置き6速マニュアル
サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン/インボードコイル+プッシュロッド+減衰力可変ダンパー
ブレーキ(前後):ベンチレーテッドディスク
ステアリング形式:ラック&ピ二オン
ホイール(F/R):9J×17/13J×17
タイヤ F:245/40ZR17 R:335/35ZR17

※量産時には450psにディチューンされる予定だった。

☆ジオット・キャスピタ 1992プロトタイプ 2号車 車両諸元
全長:4534mm
全幅:1996mm
全高:1136mm
ホイールベース:2700mm
トレッド(F/R):1670/1600mm
車両重量:1240kg

エンジン:ジャッドV10GV
エンジン形式:水冷72°V型10気筒DOHC50バルブ
ボア×ストローク:−−−−
総排気量:3497cc
圧縮比:−−−−
最高出力:585ps/10750rpm
最大トルク:39.2kgm/10500rpm
燃料供給装置:ザイテック電子制御燃料噴射
トランスミッション:横置き6速マニュアル
サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン/インボードコイル+プッシュロッド+減衰力可変ダンパー
ブレーキ(前後):ベンチレーテッドディスク
ステアリング形式:ラック&ピ二オン
ホイール(F/R):9J×17/13J×17
タイヤ F:245/40ZR17 R:335/35ZR17

童夢ホームページ
http://www.dome.co.jp/index.html


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