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2013年01月16日17:40

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新春浅草歌舞伎 第2部

『新春浅草歌舞伎 第2部』に行きました。
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歌舞伎を生で見るのが、もんの凄く久しぶりでした。チケットを民音で買ったので、少し安く買えるのですが、その代わり、座席は2階席でした。でも、良く見える席だったな。
母と一緒に行ったのですが、母が助六(寿司)を買っていてぶったまげた。いつの間に買ったんだ?幕間の30分休憩で食べていたケド。(私は、芝居に集中したいので、幕間にご飯が食べられないのですが。)

お土産屋さんも沢山あって、楽しいねぇ〜。でも、最早歌舞伎関係ないじゃんと言う、エコバックや、5本指ソックスまで売っていた。しかも、結構売れていた(笑)。お菓子の試食も出来て、豆が美味かったのだが、母が思いっきり豆を買っていて吃驚した。いつの間に豆を・・・以下略。
しかも、母、肝心の勧進帳で少し寝ちゃったとか言いやがるし!(^_^;)。お土産とご飯で眠くなっちゃったんだね・・・。

幕間に、公会堂から見た伝法院を撮ってみた。雪が被ってて美しかった。
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私は第2部しか見ていないのですが、1部は、幡随長兵衛をやっていたんだね。黙阿弥の。見たかったな・・・。

第2部は、毛谷村。口上。勧進帳。こちらは、新春らしい華やかな演目が並んだね・・と思いました。

そして、海老ちゃんは、何じゃかんじゃいって、やっぱり、スター役者だね・・と思いました。華やかだもんね。色々事件も巻き起こすケド(^_^;)、この華はスター役者のモノだよね。そして、愛之助さんが美しかったぁ。
久しぶりだったので、音声ガイドを借りてみたのですが、勧進帳の音声ガイドの解説で、『弁慶は、義経に身も心も捧げた身ですから〜』と言っていて、そういう意味ではないと分かってはいるが、「無駄にドキドキしちゃうから、そんなコト言わないで!」と思いました。凄く冷静な男性の声で、この解説が入る。
忠義に厚い主従関係だものね。だってさぁ〜。弁慶、主君(義経)の盾になって、矢をむっちゃくちゃ浴びて、それでも立っていたんだよ。立ったまま死んじゃうんだよ?(所謂、弁慶の立往生)
もう、何だろう、この「主君を守る」根性は。弁慶のダンディズムだはな。

もう、勧進帳は、全編通して萌えの嵐でした。主従萌え万歳!!弁慶をいかに恰好良く見せるか。そして、義経をいかに美しく見せるか(義経、殆ど台詞ないのに・・・)が肝の芝居なんだと思う。そして、富樫役の愛之助さんが麗しい〜。

※ちょいと感想を書くので、歌舞伎は、ネタバレしてても面白い芸能とは思いますが、ネタバレがお嫌な方は、この先を読まれない方が良いと思います。

※以下、お品書きです。
・彦山権現誓助剱 毛谷村 一幕
・寿初春 口上 一幕
・歌舞伎十八番の内 勧進帳 長唄囃子連中

・彦山権現誓助剱 毛谷村 一幕
主な配役は、毛谷村六助・・片岡愛之助。一味斎娘 お園・・中村壱太郎。一味斎後室 お幸・・上村吉弥。杣 斧右衛門・・市川海老蔵 微塵弾正実は京極内匠・・中村亀鶴

ざっくりあらすじねん。
毛谷村六助は、浪人の微塵弾正に「親孝行をしたいから、試合で勝ちを譲ってくれ。」と言って、わざと負けてあげる。この試合の場面から、お話はスタート。
その後、六助の家に虚無僧が来るが、この虚無僧は、お園と言う女性が化けたもの。園は、父親の仇を虚無僧姿で探していたのだ。六助は、子供を保護していたのだが、この子供は、殺されたお園の妹の子供。六助を仇だと思い、六助にとびかかるお園だったが、六助は、自分が保護していたコトを語る。なんと、その六助は、京極と言う侍に殺されたお園の父である吉岡一味斎の弟子であり、その父から「オマエの許嫁だ。」と言われたいた男。お園は、急に女性らしく振る舞おうとする。
子供と共に、奥に、女性も保護していた六助だが、この女性は、お園の母親お幸。六助の話とお園の話により、お園の仇である、京極内匠と、六助と試合をした弾正は同一人物と知れ、しかも、親孝行したいと言った母親は偽物で、弾正の話も嘘だったと知る。しかも、弾正は、母親役をやらせた樵の母親から、嘘が漏れるのを恐れたのか、その女を殺害していた。屋敷に来て、「母親の仇を取ってくれ」と言う樵の斧右衛門。六助は、かたき討ちをする決心を固める。

本来は、長いお芝居なのですが、その面白い場面を、セレクトね。
お園が可愛いんだぁ〜。
こういう、腕っぷしの強い女性を『女武道』と言うそうな。このお話でも、浪人をバッタバッタと斬り倒す場面が出て来て、これを見て、六助は「あ、こいつ、虚無僧じゃねえや。」と分かるんだケド。
そんな腕っぷしが強い女の子なのに、六助が自分の許嫁だと分かったとたん、しおらしくなり、家事をやろうとする。でも、釜は空焚きしちゃうし(家事が出来ない女の子らしい)、火吹き竹じゃなくて、尺八で火を起こそうとするし・・・。
もじもじしてるのに、重い、臼をごろんろろん転がしたりする。可愛い〜。
この頃は、16くらいで結婚していたから、20歳過ぎると行き遅れなんですね。「アンタを待ってて、行き遅れちゃった・・・」と言うお園の台詞が出て来る。

あと、愛之助さんは、やっぱり恰好良かったです。単純な六助(こいつ、騙されやすい奴だよなぁ〜(^_^;))だけど、そのちょっと天然っぷりも良い感じ。勧進帳では、富樫をやったのだけど、富樫とはまた違う恰好良さだった。

あと、お園が、テンパって、自分が許嫁だと言い忘れて、いきなり、炊事とかやりだして、六助が「アンタ、何なの?」って、ちょっとイラってくるところとか楽しい。
そりゃ、見ず知らずの女の子が、急に飯を炊き出したら驚く(^_^;)。
でも、自分の師匠の娘だと分かると、ちゃんとお園を上座に座らせ、自分は下座に下りるのが、礼節をわきまえた、ちゃんとした若者なんだな・・・と思わせる。(自分の師匠の娘だから、この場合、格は、お園の方が上)

あと、お園が、許嫁と分かって、抱いていた子供を落としちゃう場面も好き。子供は、呆れて、向こう行っちゃうし。

最後の、お園、六助、お幸の3ショットは文句なく恰好良い。本当に絵みたい。歌舞伎って、これが醍醐味ですよね。まるで、絵みたい。とにかく美しいって言う。ポーズの美しさね。

あと、杣(そま。樵のコトだって。)の斧右衛門の役が、市川海老蔵なのですが、オイシイ役なので、ちょい役でも、有名役者がやる役なのだそうです。こういう役を「御馳走」って言うんだって。豪華な役者がやるから、御馳走なんでしょうね。
役としては、弾正の母親役をやったのに、嘘発覚を恐れて弾正に母親を殺害された樵の役で、ちょっとしか出ない。でも、コメディリリーフなのね。お母さん殺されてるのに、どこかコミカルに演じていた。解説では、お園とお幸と六助の対面の緊迫した場面で、これが入ると緊張が緩和されると解説されていた。

・寿初春 口上 一幕
新春の口上です。市川海老蔵さんがやりました。
「浅草公会堂に来るのは14年ぶりです。」と。何でも14年前(新之助の頃ね)に、勧進帳で弁慶をやったのだが、「私は、あまり緊張しない性質なのですが、その時は、緊張したのか、声が出ず、掠れて酷い声で・・・。本日は、そのリベンジに来ました。」と言って、客席を沸かせていました。
あと、やっと、弁慶が、私のところまでまわって来たと(笑)。

そして、これを見れば1年間無病息災で過ごせると言う、市川家伝統の睨みを見せてくれた。これは、見事だよね。うわぁ〜、恰好良い〜って思う。見得をきって、睨む。やっぱり、なんじゃかんじゃ問題起こしたって、スター役者だよ・・・って思うよ、エビちゃん。

・歌舞伎十八番の内 勧進帳 長唄囃子連中
主な配役。武蔵坊弁慶・・市川海老蔵。富樫左衛門・・片岡愛之助。亀井六助・・尾上松也。片岡八郎・・中村壱太郎。駿河次郎・・中村種之助。常盤坊海尊・・片岡市蔵。番卒軍内・・片岡松之助。同兵内・・市川新十郎。同権内・・片岡仁三郎。太刀持音若・・市川福太郎。源義経・・片岡孝太郎。

あらすじ・・は書かなくても、皆知ってるだろう・・とは思う(^_^;)。
まぁ、ざっくり書くと。頼朝に追われる身となった、義経一行。加賀の安宅の関でも、富樫が睨みをきかせている。四天王は、関所をぶちやぶろうと画策するも、弁慶は「ここは、私に任せよ。」と言い、義経も、弁慶に任せるコトにする。
弁慶一行は、東大寺再建の寄付を募る山伏に化ける。富樫は当然疑うが、「疑われては」と、最後の勤行を始める弁慶。弁慶の死の覚悟に感心した富樫は、「本当に、東大寺再建の寄付を募る山伏なら、勧進帳(こういう理由で、寄付を募ってますと描かれた書類)を持っているだろう。それを読め。」と言う。当然、弁慶一行は、そんなモノは持っていないが、機転をきかした弁慶は、白紙の巻物を勧進帳として読み上げる。富樫はそれでも弁慶一行を疑い、弁慶に山伏の由来や、九字の真言について尋ねるが、それらを全て答えてしまう弁慶。富樫は、感心し、反物を与え、彼らを通そうとするが、ちょっとの油断から、義経が、出遅れてしまう。富樫は「義経に似ている。」と気づき、「その強力、ちょっと待て!」と呼び止める。
弁慶は、ここで、一世一代の大芝居をうつ。「全く、オマエがもたもたしているから、疑われるんじゃないか。」と、強力に化けた義経を蹴り、錫杖で打ち据える。弁慶は「そんなにお疑いなら、ここで、この強力を殺しましょう。」と言う。富樫は、もう、義経であると気づいているが、弁慶の主君を思う、熱い気持ちに心打たれ、関所を通す。

少し離れた場所で。弁慶は、意気消沈して涙を流す。「あんな助け方しか出来なかった自分が情けない。」と嘆く弁慶に、義経は「オマエの機転で助かったのだ」と労い、四天王も弁慶の行動を誉める。そこに、再び富樫が来る。緊張が走る一行だったが、富樫は、「疑って悪かった。」と酒を用意して来たのだ。

弁慶は、大酒を飲み、昔語りをし、お礼にと舞いを舞う。弁慶は、先に義経を行かせ、自分も深く、富樫に心で礼を言い、その場を立ち去る。

私、解説をきくまで知らなかったのですが。富樫は、切腹覚悟で、義経を逃がすんですってね。えぇ!切腹覚悟なんだぁ〜と。
富樫役の愛之助さんが、まぁ、美しい、美しい。凛とした中にも、厳しさがあって、品もある。でも、情にもあついって言う感じが出ていた。
そうか・・・。富樫の気持ちとしては「義経と弁慶の絆、しっかり見届けたぞ!さぁ、行くがよい!拙者は、切腹も覚悟しようぞ。」って言う感じだったんだねぇ〜・・・。

もう、全編通して、萌えの嵐です(笑)。主従萌え万歳\(^o^)/。
主従萌えの原点は、やっぱり、義経と弁慶だよなぁ〜。
そして、絶対、義経は、美青年が演じます(笑)。ブサイクな義経は、物語の中ではないらしい。

義経だってバレちゃって、弁慶が芝居して、義経をうちすえるのだが、その後の一瞬、弁慶・・てか、エビちゃんは、切なそうな、「どうしよう?」って言う、迷子の子供みたいな顔をするのです。コレが良い!大事な主君をうちすえちゃって、自分でもどうして良いか分からなかったんでしょうね。でも、そうしないと、義経ってばれちゃうし(もう、バレてるけれど)。

その後の、弁慶が、男泣きに泣きながら、「大事な主君を打擲してしまった。あんな助け方しか出来ない自分が情けない。」と泣く場面で、義経が、弁慶に手を差し伸べるんだよ。あの義経・・てか、孝太郎さんの所作の美しいコト。で、色っぽい!無駄に色っぽい!貴公子だから、白塗りだしねっ!ずりいよ、コレって思う。あれで、萌えんなって言うのは、腐女子の私には無理です。

で、大酒飲んで、話す弁慶が可愛い。「こんな私も、昔1度だけ女に惚れてなぁ〜」と話す弁慶 まわりの富樫の番卒がふむふむ聞くも、照れた弁慶「やっぱ、恥ずかしいから、話すのや〜めたっ☆」ってやるんです。これ、本当に、やるんだよ。「や〜めたっ☆」って。で、みんなずっこける。コレか〜わいい〜揺れるハート。普段、強面マッチョな弁慶がやるから可愛いんだろうね。
で、舞は、スター役者の見せどころ。そして、花道の見得を切るシーンも、スター役者ならでは。当然、掛け声もかかる。あれは、弁慶は、心でお礼を言っているんだよね。「主君を助けてくれて有難う。」と。

このお芝居。お能の『安宅』が元なのです。なので、松羽目の舞台で、衣装もお能っぽくて、長唄囃子連中がずらっと並ぶ。通常の歌舞伎と趣向が違って、これも華やかさの要因なのかな?って思います。

帰りに、ブロマイドコーナーで、孝太郎さんのファンの人達だろうね・・・が、「義経可愛かった。義経可愛かった。」を連呼していて、ちょっと面白かった。確かに、義経可愛かったケドね。

そして、私は、主従関係は永遠の萌えロマンだなぁ〜と思ったのコトよ。
萌えの勢いで、パンフレット買っちゃいました。
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