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2012年08月25日12:07

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東京都電と郵便局巡り

 平成24年8月22日(水)。
 今日の丸美先生は所用で東京に行く。
 用件が済んで、JR東日本・東海道本線、東京駅の、改築中の赤煉瓦の駅舎を眺める。
 写真も写す。
 いい天気である。
 改築中の写真は今しか写せない。
 赤煉瓦の駅舎は東京大空襲で一部破壊され、仮復旧されたものの、完全復元するか、新駅舎を建てるかで揉めていた。
 東京大空襲の記憶を残すため、仮復旧の姿のままで残すべきとの意見もあった。
 星新一先生は、機能本位の新駅舎案だったようだ。
 結局、当時の石原慎太郎運輸大臣が、完全復元を決めていた。
 当時の石原大臣は、作ったまま無駄に放置していた、成田空港への鉄道の開業も決めていた。
 種村直樹「東京ステーションホテル物語」(集英社文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E7%89%A9%E8%AA%9E-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%A8%AE%E6%9D%91-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/4087470938 )
 同じ頃、大韓民国の韓国鉄道公社・京釜線、ソウル駅の、東京駅そっくりの赤煉瓦の駅舎も残すべきかで揉めていた。
 韓国人にとって、日本領時代に建てられた建物というのが目障りだったらしいが、結局、残す事になったようだ。
 今は赤煉瓦のソウル駅から、韓国新幹線が発着している。
 有楽町駅側のガード下にある、はとバス乗り場も眺める。
 西村京太郎「東京駅殺人事件」(光文社文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%A7%85%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%A5%BF%E6%9D%91-%E4%BA%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4334748007 )
 東京駅と道路を挟んで接している東京中央郵便局(ゆうちょ銀行本店)で、160局目、260円の旅行貯金をする。
 女性局員が、航空機の国際線客室乗務員みたいな雰囲気で緊張する。
 局内もホテルのロビーみたいである。
 丸美先生は旅行貯金その他で郵便局を良く利用するので、この手の緊張は、あまりしないのだが。
 種村直樹「日本縦断「郵便貯金」の旅―旅のついでに3334局」(徳間書店)
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B8%A6%E6%96%AD%E3%80%8C%E9%83%B5%E4%BE%BF%E8%B2%AF%E9%87%91%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%97%85%E2%80%95%E6%97%85%E3%81%AE%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%AB3334%E5%B1%80-%E7%A8%AE%E6%9D%91-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/419860276X )
 東京駅に戻り、丸の内側の地下駅を眺める。
 東京地下鉄(メトロ)・丸の内線、東京駅の辺りは、前に来た時にはJR北海道の出張所であるJR北海道プラザぐらいしかなかったのに、駅ナカが充実していた。
 知らない間に、もの凄い変わりようだ。
 その一方で、目が回り落ち着かない。
 地下道を歩き、東京地下鉄(メトロ)・東西線、大手町駅が近づくにつれ、辺りの光景が殺風景になり、ようやく気持ちが落ち着いた。
 今日は、この後、路面電車の東京都電に乗ってみるつもりである。
 東西線で茅場町駅に行き、日比谷線に乗り換え三ノ輪駅に行く。
 三ノ輪駅は東京都電の起点、三ノ輪橋駅に近い。
 種村直樹「気まぐれ郵便貯金の旅―ただいま3877局」(自由國民社)
http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%97%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8C%E9%83%B5%E4%BE%BF%E8%B2%AF%E9%87%91%E3%81%AE%E6%97%85%E2%80%95%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%BE3877%E5%B1%80-%E7%A8%AE%E6%9D%91-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/4426885000 )
 駅で駅前地図を貰うと、東西南北が混乱して分からないが、この文を書きながら確かめると、駅の南西、日光街道(国道4号線)の旧道に入った所にあった、下谷三丁目郵便局で、161局目、261円の旅行貯金をする。
 事務手続きをして貰っている間、長椅子に腰掛けながら地図を眺めていると、立っている女子局員二人が顔を寄せ合い、わくわくした顔で、こちらを見つめていた。
 目が合うと、一人が、
「次は、どこに行くのですか〜(はーと)」
 と、るんるんした口調で言い、もう一人はクスクスと笑っていた。
(ここは大阪なのか)
 と呆れたが、東京中央郵便局より居心地がいいのも確かである。
「都電に沿って行こうと思っています」
 と、正直に答える。
 すると、既に男性行員とも噂話が済んでいたのか、
「地図はありますか」
 地下鉄駅で貰った地図を見せると、
「電車に乗って頂きますと、荒川郵便局という大きな郵便局があります」
 と教えてくれた。
 礼を言って局を出て、日光街道と明治通りの交差点に立つと、東京スカイツリーが大きく見えた。
 樋口一葉「にごりえ・たけくらべ」(新潮文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AB%E3%81%94%E3%82%8A%E3%81%88%E3%83%BB%E3%81%9F%E3%81%91%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%B9-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A8%8B%E5%8F%A3-%E4%B8%80%E8%91%89/dp/4101016011 )
 近くに樋口一葉文学館があるらしいが、今回はパス。
 暑い日である。
 日陰を選びながら歩く。
 日光街道を北に向かい、JR東日本・常磐線の高架を潜る手前右手に、コカコーラの看板に店名が書かれた昔ながらのラーメン店があったのだが、これもパス。
 高架を過ぎ、左手に三ノ輪橋駅の駅ビルが見えて来る。
 駅ビルといっても3階建ての小振りな物だが、残っている部分の東京都電が王子電気軌道という私鉄だった名残りである。
 別会社として設立されたために道路を走る区間が少なく、道路渋滞の原因にもならず、東京都電の生き残りとなる決め手となった。
 駅ビルの1階は潜れ、今で言う駅ナカになっており、昔は王子電気軌道本社だったと思われる上階には写真館が入っている。
 駅ナカにはラーメン店があり、10年ぐらい前に食べたのだが、店はなくなっていた。
 獅子文六「ちんちん電車」(河出文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%A1%E3%82%93%E3%81%A1%E3%82%93%E9%9B%BB%E8%BB%8A-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%8D%85%E5%AD%90-%E6%96%87%E5%85%AD/dp/4309407897 )
 駅ビルを出てアーケード商店街を横切ると、東京都電のホームがある。
 ホームの手前、左手に煎餅屋だかがあり、今日は定休日なのか店は閉じていたが、その前で社長と思われるおじさんが、植木等さんみたいな格好で、木製の丸椅子に座って団扇を仰いでいた。
 夏の衣装だから下着姿という表現は正しくないとは思うが、同じ路面電車でも、玉川電車(東京急行・世田谷線)や江ノ島電車(江ノ島電鉄・江ノ島線)とは、随分趣が違うものである。
 東京都電の写真を写した後、さっきのアーケード商店街を北に向かう。
 せっかくここまで来たので、プロ野球、東京オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)の本拠地だった、東京球場の跡地を見ようというわけである。
 この球場の挿話は、
 山止たつひこ(秋本治)「こちら亀有公園前派出所 82」(集英社)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E8%91%9B%E9%A3%BE%E5%8C%BA%E4%BA%80%E6%9C%89%E5%85%AC%E5%9C%92%E5%89%8D%E6%B4%BE%E5%87%BA%E6%89%80-82-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E7%A7%8B%E6%9C%AC-%E6%B2%BB/dp/4088520181 )
 に詳しい。
 歩いているうちに、脇道の、自動車が入れないような細道があったので行ってみる。
「こちら亀有公園前派出所」にも、父親に連れられた子供時代の主人公が、細道を近回りする場面があった。
 細道を抜けると、現在は荒川総合スポーツセンターとなっている、東京球場跡地があった。
 市民球場はあるので、球場としては生き残ってくれている。
 東京球場を後にしたオリオンズ(マリーンズ)は、宮城県・宮城球場、神奈川県・川崎球場の時代を経て、現在の千葉マリンスタジアムに至るわけである。
 なお、この文を書きながら調べると、本当はスポーツセンターの中には、当時の応援団長の応援法被が飾られていたらしい。
 入れば良かった。
 佐野正幸「あの頃こんな球場があった―昭和プロ野球秘史」(草思社)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%AE%E9%A0%83%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E7%90%83%E5%A0%B4%E3%81%8C%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E2%80%95%E6%98%AD%E5%92%8C%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E7%A7%98%E5%8F%B2-%E4%BD%90%E9%87%8E-%E6%AD%A3%E5%B9%B8/dp/product-description/479421474X )
 当時と変わらない姿らしいのが、スポーツセンターと道路を挟んで接している、蕎麦処おおもりである。
 当時のオリオンズや、対戦相手のパシフィック・リーグ選手も親しんだという店に入ってみる。
 女店員さんが、おしぼりと麦茶を持って来る。
「たぬきうどんを下さい」
「熱いのでいいですか」
「熱いのでお願いします」
 この文を書きながら調べると、本当は、きつね蕎麦を食べるのが作法だったらしい。
 大きな薄型テレビジョンには、高校野球中継が映っていた。
 たぬきうどんが出て来ると西瓜が付いて来たが、たぬき(天麩羅かす)と西瓜の食い合わせは構わないのかな。
 黒くて逆円錐型の、凸凹した民芸調の丼だった。
 深いので、手の小さな丸美先生には、ちょっと食べにくかった。
 でも、プロ野球ファンの聖地で食べる事ができて満足である。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13120276/ )
 三ノ輪橋駅に戻らなくても、スポーツセンター前の道を西に向かえば、荒川区役所前駅に至る。
 歩いていると、左手の「こちら亀有公園前派出所」の主人公が走り抜けた設定と思われる路地は、区画整理で潰され始めていた。
 救急車や消防車が入れない路地では、いずれ大事に至るに違いなく、やむを得ないだろう。
 右手に荒川南千住郵便局があったので、162局目、262円の旅行貯金をする。
 わくわくする局員も困るが、無表情の局員も詰まらないものである。
 荒川区役所前駅の横で踏切を渡る。
 本当は、この踏切は、東京都電と東京スカイツリーが同時に写せる名所だったらしい。
 踏切を渡って明治通りにぶつかると、ついさっき、スポーツセンターの右横にも警察署があったのに、管轄が変わったのか、ここにも警察署があった。
 警察署の右隣に交通安全地蔵なるものがあったのでお参りする。
 さらに右隣の、大きな郵便局の、荒川郵便局(ゆうちょ銀行荒川店)で、162局目、262円の旅行貯金をする。
 貯金を済ませた後は、備え付けの日本経済新聞の高校野球記事を読みながら涼しむ。
 東京中央郵便局では、とてもできなかった事である。
 ここからは、東京都電の左横にほぼ沿った道を行く。
 たまに民家の隙間から、走っている電車が見える。
 東京都電の踏切を渡り、京成電鉄・京成本線の高架に当たり、潜って左に曲がる。
 荒川町屋郵便局で、164局目、264円の旅行貯金をする。
 左に曲がって商店街となり、町屋駅前駅がある。
 京成電鉄・京成本線、東京地下鉄(メトロ)・千代田線、町屋駅との乗り換え駅である。
 京成本線の高架には、今まさに成田空港駅行きの特急電車、成田スカイアクセスが通過していた。
 大塚和之・諸河久「路面電車」(カラーブックス)
http://www.amazon.co.jp/%E8%B7%AF%E9%9D%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A-%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%A4%A7%E5%A1%9A-%E5%92%8C%E4%B9%8B/dp/4586507225 )
 さて、一言で東京都電と呼んで来たが、実はちゃんと線名もあって、4つの路線名がある。
 三河島線 三ノ輪橋=町屋駅前 1.8km
 荒川線  町屋駅前=王子駅前 4.2km
 滝野川線 王子駅前=大塚駅前 2.9km
 早稲田線 大塚駅前=早稲田  3.3km
 今まで歩いて来た区間が三河島線で、ここからが荒川線で、その先も続く。
 都内各地に網の目のように路線があった時代の名残で、今は繋げて1本だけなので、荒川線と総称しているようだ。
 この町屋駅前駅からの東京都電は、広い道路の中央を、区切られた専用の線路で走るようになる。
 いわゆる路面電車とは違って、自動車は線路に乗り入れできない。
 この広い道路を進む。
 歩きながら線路を見ると、小さな道路と交差する時には警報機で通せんぼをし、電車優先という強気の考えのようだが、少し大きな道路と交差する場合には、たちまち弱気で、バス並に道路交通信号を待っているようだ。
 東尾久六丁目駅から細い路地を北側に寄り道し、銭湯の前を歩き、荒川東尾久六丁目郵便局で、165局目、265円の旅行貯金をする。
 東尾久六丁目駅は変わっていて、上りホームと下りホームの間には踏切が2つもあり、離れていて、別の駅みたいである。
 何度か乗っている東京都電だが、初めて知った。
 左手に小さな公園がある。
 蝉が鳴いている。
 接して小さな祠があったのでお参りする。
 伏見稲荷という名前があった。
 熊野前駅からが、いわゆる路面電車となる。
 電車の安全運転を確保するため分離帯で区切られているが、線路の部分も道路となり、緊急車両だけが走行できるらしい。
 横切るように、東京都交通局・日暮里(にっぽり)・舎人(とねり)ライナーの高架がある。
 前に来た時はなかった、新しい鉄道である。
 SF映画の世界から現れたようなモノレールに、歴史ある地名を担わせた命名が素晴らしい。
 エスカレーターで上り、改札口を見てみる。
 東京都電も広い道路を這うような新型車両だし、この一角だけは、
 最相葉月「あのころの未来―星新一の預言」(新潮文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%AE%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E2%80%95%E6%98%9F%E6%96%B0%E4%B8%80%E3%81%AE%E9%A0%90%E8%A8%80-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%80%E7%9B%B8-%E8%91%89%E6%9C%88/dp/4101482225 )
 の表紙絵にあったみたいな未来都市みたいである。
 近くの郵便局に行くが、廃局になっていた。
 宮ノ前駅に来ると駅名の通り、右手に尾久八幡神社がある。
 神社とともに路面電車を写すと絵になり、もちろん写す。
 神奈川県の江ノ島電車(江ノ島電鉄・江ノ島線)でも、龍口寺を背景に絵になる所がある。
 小台駅からは再び広い道路の中央を専用の線路で走るようになるが、ここでも寄り道し、郵便局に行く。
 あいにく時間外だったものの、目の前に黄緑色の鉄橋が見えた。
 隅田川を渡る小台橋だった。
 ここからは、隅田川の遊歩道を歩いてみる。
 程なく、あらかわ遊園地がある。
 市民公園ではなく、観覧車やジェット・コースターもある本格的な遊園地だった。
 入場料を払わねば入れず、正面に回ると閉園時間間際だった。
 引き返そうとすると係りの女性が追いかけて来て、パンフレットをくれた。
 園内には東京都電の古い車両の展示があり、柵越しに写真は写せた。
 遊園地に接する、鎮守船方神社のお参りをする。
 遊園地の正門から荒川遊園地駅にかけては遊歩道があった。
 縁日のように模擬店が出ており、おばさんがお好み焼きを焼いていたので、1枚、400円を買う。
 遊歩道の長椅子に腰掛け、食べる。
 少しこぼしてしまうと、鳩が寄って来た。
 駅から線路に沿って歩くと、ちょうど西日が正面で眩しかった。
 西村京太郎「都電荒川線殺人事件」(光文社文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E9%83%BD%E9%9B%BB%E8%8D%92%E5%B7%9D%E7%B7%9A%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%A5%BF%E6%9D%91-%E4%BA%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4334707505 )
 荒川車庫前駅に着くと線路が分岐して、僅かに道路上を走り、車庫に向かっていた。
 都電おもいで広場なるものが設けられ、ここにも東京都電の古い車両の展示があった。
 事務所があり、記念スタンプでもあるかと扉を開けると、路面電車発車合図の、
「チン、チン」
 の音が鳴る仕組みだった。
 写真展を見物し、パンフレットを貰う。
 荒川車庫前駅も変わっていて、降車ホームと乗車ホームが、車庫への引き込み線を挟んで別だった。
 この駅で運転を打ち切る電車があるからで、降車ホームで乗客を降ろした後に、引き込み線入って行く。
 引き込み線から出て来る車両は乗車ホームに向かう仕組みである。
 何度か乗っている東京都電だが、この駅の仕組みも初めて知った。
 梶原駅は古本屋さんが接していた。
 まるで、古本屋さんが駅長さんのようである。
 広い道路の中央を専用の線路で走る区間も、ここで終わり。
 ここからは独立した線路になる。
「なるべく、線路に近い道を」
 と歩いていると、東書文庫(http://www.tosho-bunko.jp/ )なる施設があり、敷地内の神社のお参りをする。
 この文を書きながら調べると、この施設は、東京書籍の教科書図書館との事だった。
 閉館時刻なので、見物はできなかった。
 映画の舞台になりそうな大きな古びた工場があった。
 何かと思うと、これは東京ガスの工場のようだった。
「東京書籍版 ニューホライズン1 教科書ガイド」
http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E7%89%88-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%B31-%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/dp/4581051282 )
 JR東日本・東北本線の高架が接して来て、JR東日本・東北新幹線の高架が覆い被さって来る。
 王子駅前駅である。
 JR東日本・東北本線(京浜東北線電車)、東京地下鉄(メトロ)・南北線、王子駅との乗り換え駅である。
 ついさっきまでの、のんびりした雰囲気がなくなって、にわかに都会的になる。
 この駅から東京都電は、明治通りの広い道路上を走る。
 さっきの道路上を走る区間と比べて交通量が桁違いに多い上、この区間は分離帯で区切られる事なく、電車も自動車も一緒に走る。
 見ている分には路面電車らしくて面白いが、運転士にとっては貰い事故が多いに違いない、嫌な区間だと思う。
 東北本線の高架を潜り、左手の飛鳥山公園(http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/facility/055/005518.htm )を見ながら進む。
 飛鳥山公園の入り口には、小型宇宙船を思わせる、飛鳥山公園モノレール(あすかパークレール)が停まっていたが、初めて見た。
 あいにくと運休中だったが、いずれ乗ってみたい。
 東北本線の高架を潜って、こちらに向かって来る東京都電を動画に写す。
 巡り合わせ良く、東北本線の貨物列車が走っていた。
 飛鳥山駅が近くなった所に歩道橋があったので、その上からも写す。
 電車が自動車と並んで信号待ちをしている。
 ところで、飛鳥山駅の駅名は、星新一先生の随筆によると、かつては、「鳥(とり)」が「烏(からす)」だったとの事であった。
 星新一「きまぐれ暦」(新潮文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8C%E6%9A%A6-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%81%BB-4-19-%E6%96%B0%E4%B8%80/dp/4101098190 )
 そうしているうちに、日が暮れてくる。
 王子駅まで引き返し、駅東側にあった歩道橋からも写す。
 国電という言葉はもうないが、蛍光灯が明るい王子駅の国電ホームには、通勤客がひしめいている。
 その下では、黄色と赤の光の流れの中、前照灯を光らせた東京都電が信号待ちをしている。
 最上階には東北新幹線が走る。
 三日月も浮かぶ。
 そんな光景を写真に収める。
 東北新幹線はともかく、かつて、こんな光景を、国電・山手線、渋谷駅で見たように思う。
 もっと写したかったが、その辺りで携帯端末の電池が少なくなった。
 この先の東京都電の旅は、またの機会である。
 JR東日本の京浜東北線電車と山手線電車を品川駅で乗り継いで、渋谷駅に出る。
 車内では、多分、集英社の週刊少年ジャンプ連載の漫画作品だと思うが、中吊りジャックをやっていた。
 車内広告全ての買い占めである。
 そんな広告を打てる出版社も凄いが、中吊り広告全てを写真に収めて回っている女性読者がいた。
 読者はありがたいものである。
 渋谷駅で下車し、家電店の、メーカーのサービス・カウンターで端末の充電をお願いすると、有料との事だった。
 ならばと、ハンバーガー店に行き、
「コンセントのある席はありますか」
 と聞くと、この店にはないようだった。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13054201/ )
 お腹が空いたが、写真が写せないので、変わった店に入っても詰まらない。
 絶食中なので我慢してもいいが、初めて見るチェーン店で牛丼を食べる。
 しかし、それでもお腹が収まらず、電車で自宅最寄り駅に帰り、そこでも横浜ラーメンを食べる。
 一般的には食べ過ぎという程ではないが、丸美先生としては、今日は多く食べたようである。
 絶食の反動のリバウンドも考えられたが、その日の事だけで、翌日からは小食に戻っている。
(400文字26枚)
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